1.日本
8割の都道府県でワインを作っている
ワイナリーは200軒以上
主要なワイナリーは山梨、長野、北海道、山形、新潟
自社のブドウから造ったワインは50%以下
ワイン作りが始まったのは明治時代
本格化したのは1980年代
この10年で品質は飛躍的に向上
主要品種は甲州、ついでマスカット・ベーリーAなど
2010年に甲州、2013年にマスカット・ベーリーAがOIVの品種リストに登録された
長野県ではリンゴを原料としたシードルの生産が増加している
1−1.主なぶどう品種
1−1−1.東洋系品種
(1)甲州(グリ)
1−1−2.ヨーロッパ系品種
(1)シャルドネ(白)
収穫量はメルロに次ぎ2位
(2)メルロ(赤)
収穫量1位
1−1−3.日本野生ぶどう
(1)ヤマブドウ(赤)
1−2.ワイン法
日本にはワイン法がない
2.フランス
1935年に原産地統制名称AOCが制定された
ワイン法
(1)AOC
最上位のカテゴリ。2008年のEUのワイン法でAOPとして登録
(2)IGP
2009年より、ヴァン・ド・ペイがIGPに変更(ヴァン・ド・ペイも使用可能)
(言葉)ヴァン・ド・ペイ
ヴァン・ド・ペイとは本来「地方のワイン」、つまり地酒の意味。それぞれの地方の料理に合い、生産地で消費されるのを基本に作られたワインであった。AOCが「晴れ」のワインであるのに対し、ヴァン・ド・ペイはいわば「褻(ケ)【日常】」のワインであると言える。
しかし、人々の生活水準の高まりとともに、いわゆる「水代わり」から、多少価格が高くても、それなりの品質が求められるようになり、また、ボルドーやブルゴーニュなどの規制の厳しい産地から、緩い規制を利用して自分の思い通りのワインを作ろうと優れた生産者が進出してきたため、ヴァン・ド・ペイの品質は1980年代後半からかなり向上し、現在では、一本5千円もするような、プレミアムのヴァン・ド・ペイも現れている。
(出典:ウイキペディア)
2−1.シャンパーニュ地方
17世紀末、修道士ドン・ペリニヨンがアサンブラージュ(ブレンド)技術を洗練させた
2−1−1.主なぶどう品種
シャルドネ(白)
ピノ・ノワール(黒)
ムニエ(黒)
(言葉)ノワール
フランス語で「黒」
2−1−2.主なAOP
シャンパーニュ
2−2.アルザス地方
ドイツ文化の影響が大きい
ヴォージュ山脈の東側丘陵地帯
独特のフルート型(やや細身で背が高い)のボトル
2−2−1.主なぶどう品種
リースリング(白)
ゲヴュルツトラミネル(白)
ピノ・グリ(白)
(言葉)グリ
フランス語で「灰色」
2−2−2.主なAOP
アルザス(アルザスワインの74%、そのうち白が92%)
クレマン・ダルザス(19世紀末に拡散。現在はフランスの家庭で消費されるAOPのスパークリングの第1位、アルザスワインの21%)
2−3.ブルゴーニュ・ボージョレ地方
ベネディクト派修道院が発展に寄与
ワインの個性は場所によることに気が付き、良いクリマ(区画)を識別し、クロ(畑)を作った
修道院の衰退に伴い、貴族が台頭
フランス革命で国有化されたのと、相続と売却が繰り返されて細分化した
2−3−1.主なぶどう品種
シャルドネ(白)
ピノ・ノワール(黒)
2−3−2.代表的な地域
2−3−2−1.シャブリ地区
2−3−2−2.コート・ド・ニュイ地区(赤のグラン・クリュ(特級畑)が集中)
(1)村のAOP
ジュヴレ・シャンベルタン
シャンポール・ミュジニィ
ヴォーヌ・ロマネ
ニュイ・サン・ジョルジュ
(2)主なグラン・クリュ
ジュヴレ・シャンベルタン村
シャンベルタン
ファインベルタン・クロ・ド・ベーズ
ヴージョ村
クロ・ド・ヴージョ
ヴォーヌ・ロマネ村
ロマネ・コンティ
2−3−2−3.コート・ド・ボーヌ地区
白ワインの生産量が40%で、世界に知られた白ワインのグラン・クリュが集中している
(1)村のAOP
ボーヌ(赤、白)
ポマール(赤)
ヴォルネイ(赤)
ムルソー(赤、白)
ピュリニィ・モンラッシェ(赤、白)
シャサーニュ・モンラッシェ(赤、白)
(言葉)モンラッシェ
語源は、mont(山)+rachez(かさぶたができた)に由来する。ブルゴーニュ地方コート=ドール県南部、コート・ド・ボーヌ地区の南部にあり、8haの畑は、ピュリニー・モンラッシェ村と南隣のシャサーニュ・モンラッシェ村が、ほぼ半分ずつ分け合っている。この地方に多いキンメリジャンと呼ばれる石灰分の多いアルカリ性土壌で、シャルドネ種のぶどうの栽培に適している。
(出典:ウイキペディア)
2−3−2−4.マコネ地区
2−3−2−5.ボージョレ地区
クリュ・デュ・ボージョレと総称。日本はボージョレ・ヌーヴォーの最大の輸出先
2−4.ジュラ・サヴォワ地区
ジュラ地方の特殊なワイン
(1)ヴァン・ジョーヌ
サヴァニャンから造られる
(言葉)サヴァニャン
果皮がピンク色のぶどう品種。黄ワインや麦わらワインと呼ばれる高級白ワインに仕立てられている。ゲヴュルツトラミネールと別品種扱いをされているものの、ほとんど変わりがないといわれている。
(出典:ウイキペディア)
(2)ヴァン・ド・パイユ
2−5.コート・デュ・ローヌ地方
2−5−1.主なぶどう品種
ヴィオニエ(白)
2−5−1−1.北部地区
(1)主なAOP
コンドリュー(白)
エルミタージュ(赤、白、ヴァン・ド・パイユ)
2−5−1−2.南部地区
(1)主なAOP
ジゴンダス(赤、ロゼ)
シャトーヌフ・デュ・パプ(赤、白)
2−6.プロヴァンス地方・コルシカ島
ワイン産地の中で最も古い歴史を持つ
北部と西部には岩山が多く、セザンヌが愛したサント・ヴィクトワール山などがある
2−6−1.プロヴァンス地方
2−6−1−1.主なぶどう品種
クレレット(白)
ロール(白)
グルナッシュ(黒)
ムールヴェドル(黒)
シラー(黒)
2−6−1−2.主なAOP
コート・ド・プロヴァンス
ロゼが生産量の89%と大半を占める
コトー・デクス・アン・プロヴァンス(赤、ロゼ、白)
バンドール(赤、ロゼ、白)
カシス(赤、ロゼ、白)
2−6−2.コルシカ島
島のワインの生産量の60%は「リル・ド・ポーテ」(美の島)と名付けられたIGP
2−7.ラングドック・ルーシヨン地方
ローヌ川の西側の広大な地域で、フランス最大のワイン産地
ヴァン・ド・リキュール(未発酵のぶどう果汁にアルコールを添加し、樽で熟成する甘口の酒精強化ワイン)と天然甘口ワインをあわせ、甘口ワインの産地
2−7−1.ラングドック地方
2−7−1−1.主なAOP
ラングドック
2−7−2.ルーシヨン地方
ピレネー山脈に接する地域で、スペイン文化の影響が濃い
2−7−2−1.主なAOP
コート・デュ・ルーシヨン(赤、ロゼ、白)
コート・デュ・ルーシヨン・ヴィラージュ(赤)
モーリィ(赤)
(1)VDN(天然甘口ワイン)
モーリィ(赤、白)
バニュルス(赤、ロゼ、白)
2−8.南西地方
ボルドーの東から南はピレネー山脈に至るまでの地域。フォワグラやトリュフなどの美食食材の産地としても知られる
2−8−1.ベルジュラック地区
2−8−1−1.主なAOP
ベルジュラック
2−8−2.トゥールーズ・アヴェイロネ・中央山塊地区
ロートレックゆかりの地
2−8−2−1.主なAOP
ガイヤック
2−8−3.ピレネー地区
2−8−3−1.主なAOP
マディラン(赤)
2−9.ボルドー地方
名前は「水のほとり」に由来する、フランスの重要な港
アキテーヌ地方が英国領となったことによってワイン文化が大きく発展した
1855年に格付けが生まれた
2−9−1.主なぶどう品種
セミヨン(白)
ソーヴィニヨン・ブラン(白)
カベルネ・ソーヴィニヨン(黒)
カベルネ・フラン(黒)
メルロ(黒)
(言葉)カベルネ
赤ワイン用のぶどう品種
(言葉)ブラン
フランス語で「白」
(言葉)フラン
フランス語で「率直な」
2−9−2−1.ボルドー全域
(1)主なAOP
ボルドー
2−9−2−2.メドック&グラーヴ地区
ガロンヌ川とジロンド側の左岸に広がる地域で、ボルドーのシンボル的存在
2−9−2−3.サン・テミリオン&ポムロール&フロンサック地区
ドルドーニュ川の右岸を中心とするエリア
世界遺産の町サン・テミリオンを中心にぶどう畑が広がる
サン・テミリオンの格付けは10年ごとに更新され、直近では2012年に82のシャトーが格付けされた
2−9−2−4.ソーテルヌ・バルサック地区
(主なAOP)
ソーテルヌ(甘口白)
バルサック(甘口白)
2−10.ロワール渓谷地方
ロワール川は全長1000キロ以上のフランス最長の河川
2−10−1.主なぶどう品種
ミュスカデ(白)
シュナン(白)
ソーヴィニヨン・ブラン(白)
カベルネ・フラン(黒)
3.イタリア
北のアルプス山脈が北からの冷風を防ぎ、残りの三方を地中海に囲まれた典型的な地中海性気候で、ぶどうの栽培には理想的な環境
古代からワイン造りが盛ん
古代ギリシャ人は「エノトリア・テルス」(ワインの大地)と讃えた
1970年ごろから、イタリアワイン・ルネッサンスと呼ばれる急速な近代化が進められた
ワイン法
EUのワイン規則ではDOP、IGP、Vinoの3カテゴリーだが、イタリアワインに関してはDOCG(統制保証原産地呼称、制約が厳しく、出荷に際して国の検査を必要とするワイン)、DOC(統制原産地呼称、上級なワインに許される)、IGTといった表示も認められている。
3−1.北部イタリア
3−1−1.ピエモンテ州
「山の麓」を意味し、アルプス山脈の南側に位置する
フランスの影響が強い
ネッビオーロ品種で造られる深みのある長期熟成能力の高い赤ワインは世界的に有名
3−1−1−1.主なDOP
アスティ(白)
バルバレスコ(赤)
バローロ(赤)
3−1−2.ロンバルディア州
3−1−2−1.主なワイン
スフォルツァート・ディ・ヴァルテッリーナ(DOCG)
フランチャコルタ(DOCG)
瓶内発酵で造られる辛口のスパークリング・ワイン
3−1−3.ヴェネト州
ソアーヴェ、ヴァルポリチェッラ、バルドリーノといったワイン産地を抱える
レチョート・ディ・ソアーヴェ、レチョート・デッラ・ヴァルポリチェッラなどの甘口ワインも充実している
3−1−3−1.主なぶどう品種
ガルガネガ(白)
コルヴィーナ(黒)
3−1−3−2.主要DOP(DOCG)
(1)アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ(赤)
収穫したぶどうを2、3ヶ月陰干しすることによってエキスを濃縮させてから発酵
ワイン名は後味に残る苦味(アマロ)に由来
(2)ヴァルドッビアーデネ・プロセッコ(白)
グレーラ種を主体としたスパークリング・ワイン
3−2.中部イタリア
3−2−1.トスカーナ州
西側に地中海をのぞむ丘陵地帯
ルネッサンス絵画のような風景
生産量は中規模だが、高品質ワインが多い
キアンティ、キアンティ・クラッシコ、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノなどの有名なDOCGがある。
イタリアワインの最先端
サッシカイアの大成功により、ボルドー品種ワイン産地として一気に名声を高めた
3−2−1−1.主要DOP(DOCG)
(1)ボルゲリ
(2)ボルゲリ・サッシカイア
3−3.南部イタリア
3−3−1.カンパーニア州
3−3−1−1.主なぶどう品種
アリアニコ(黒)
3−3−1−2.主なワイン
グレーコ・ディ・トゥーフォ(白)(DOCG)
タウラージ(赤)(DOCG)
3−3−2.シチリア州
地中海最大の島
3−3−2−1.主なワイン
マルサーラ(赤、白)(DOC)
4.ドイツ
昔のドイツワインはほとんど辛口であったが、近年、再び辛口ワインの要望が増えてきた。現在、辛口(トロッケン)や中辛口(ハルプトロッケン)の生産量はドイツ内ワインの60%を超えている
4−1.主なぶどう品種
2012年では、64.2%が白ワイン用ぶどう品種
上級、または格付け上級ワインにおいては白ワインが全体の59.5%
64%が辛口と中辛口
辛口ワインは世界的に高く評価されている
リースリングは栽培面積世界一
(1)辛口赤ワイン
シュペートブルグンダー
(2)辛口白ワイン
リースリング
グラウブルグンダー(ピノ・グリ)
ヴァイスブルグンダー(ピノ・ブラン)
4−2.ワイン法
2008年、地理的表示なしワイン(ドイッチャーヴァイン)と地理的表示付きワイン(ラントヴァイン)に分けられた
4−2−1.地域表示付きワイン(gU)
4−2−1−1.クヴァリテーツヴァイン・ベシュティムター・アンバウゲビーテ(QbA)
4−2−1−2.プレディカーツヴァイン
ドイツ最高級ワイン
(1)カビネット
(2)シュペートレーゼ
(3)アウスレーゼ
(4)ベーレンアウスレーゼ
(5)アイスヴァイン
(6)トロッケンベーレンアウスレーゼ
4−3.ワイン産地
4−3−1.ラインヘッセン
シルヴァーナー(白)の栽培面積世界一
4−3−2.ファルツ
2000年以降国内外の評価が飛躍的に高まった
4−3−3.バーデン
ドイツ最南端のワイン生産地で、年間平均気温が高く、非常にコクの有る白ワインを造り出す
4−3−4.モーゼル
栽培面積の40%が傾斜30度以上の傾斜畑である
リースリングが半分以上
4−3−5.フランケン
ミュラー・トゥルガウ、シルヴァーナーが主に栽培されている
4−3−6.ナーエ
リースリングから、モーゼルワインの花の香りと、ラインガウの上品さを兼ね備えたワインが造られる
4−3−7.ラインガウ
銘醸ワインの産地の中心地的存在
主に白はリースリング、赤はシュペートブルグンダーから高品質ワインが造られている
参考資料:ワイン検定テキスト シルバークラス(日本ソムリエ協会)