社会党は自民党政権に反対するという立場で一時代を築いたわけだが、皮肉にも政権を取ったことがきっかけになって衰退の一途となった。結局は反対することはできても政治をやっていく能力はなかったということか。
テレビ討論などを見ていても、現在の福島党首はあまりにも能力不足。こんな人を生放送に出しちゃって大丈夫なんだろうか、と心配してしまうのだが、そう感じるのは恐らく僕だけではないのだろう。社民党の斜陽傾向には全く歯止めがかからない。貧すれば鈍するではないが、ここへ来て秘書給与詐欺事件で有罪となった辻元さんを担ぎ出す始末。党のイメージ戦略からしてもこれは明らかにマイナスではないか。「社民党からクリーンなイメージをなくしたら、何が残るんだろう」と思ってしまう。
そもそも、社民党からはほとんど独自色が感じられない。あの人たちは何をやりたいんだろう、という感じ。実際に社民党のサイトを見にいっても、これが出来が悪い。何故社民党のサイトを見に行くかって、そりゃ政策を見たいから。で、政策をクリックすると出てくるのは細かい見出しの羅列である。ここでアピールすべきは「何をどうするか」をわかりやすく提示することなんじゃないの?もう、このあたりに社民党のダメさ加減がバリバリに見て取れる。馬鹿でかい文字で「社会保障を北欧なみにします」とか、「憲法9条を維持・遵守します」とか書けば良いのに。
それで、頑張って彼らの「3つの争点9つの約束」という記事を見つけてきたわけだけど、これがまたダメなんですね。争点は見出しでも良いかもしれないけど、「9つの約束」というのまで見出し。この場面で約束の内容を全部わかるようにしてよ(^^; もう、「理解して欲しい」という気持ちが全然伝わってこない。政策の良し悪しじゃないんだよね、こうなってくると。「あぁ、ダメな政党だな」と。
で、僕はそれでも我慢してその内容をちょっと読んでみたけど、もう冒頭からうーーーむ、という感じ。いきなり、
1.エネルギー政策を転換しますだそうで。原発はダメ。化石燃料もダメだったら頼りは水力発電だと思うんだけど、このページの後半には
(1)脱原発の推進
(2)地球温暖化対策の推進(脱化石燃料)
4.戦略的環境アセスメントを導入しますって書かれている。じゃぁ、ダムもダメですか。あのぉ・・・・・エネルギー、どうやって確保するんでしょうか。電気は8時から24時までで、以後は一切使用禁止とか?日本の原子力依存率はすでに30%を越えちゃっているので、原発やめちゃったらこの位やってもまだ足りないのですが・・・環境に優しい発電に切り替えるという手はあるけど、そのためにはお金が必要。じゃぁ、そのお金はどうするの????
すべての公共事業を対象に、計画段階から環境影響評価を実施できる戦略型環境アセスメント法を制定し、ダム建設や森林・海浜・河川・湿地などの開発を規制し環境破壊を防止します。
と、突っ込みどころが色々ある政策が並んでいる。一つ一つをとってみれば「あぁ、そうなったら良いね」ということが書いてあるんだけど、それを実現するのは凄く大変なことばかり。部分的には可能かもしれないけど、トータルでそれを全部実現するとなったらそれこそ手品師が必要。村山内閣で明らかになったことが全然活かされてないんですね。
結局のところ、「耳に良く聞こえる言葉を羅列して、イメージを良くして、そこそこに票を集めてお茶を濁しておこう。どうせ政権なんか取れないんだから実現性には目をつぶろう」って感じなんだろうか。
小選挙区、二大政党制の世の中に変わってきて、社民党の存在意義は薄れるばかりである。