2005年08月29日

朝まで生テレビほぼ完全議事録3

そろそろ疲れてきたよ(^^;

2a1c24ac.jpg田原:末延さん、今みたいな議論を聞いて国民はわかるのかな?
末延:全くわかんないし、がっかりしますよ。もうちょっと政治家というのは骨太に、みんなが何を知りたいのかというのをもうちょっと俯瞰してみてもらいたい。体制の中の異端児の小泉さんがこのまま続けて、みんながオッケーなのか、それとも体制の中じゃ無理だから、政権交代に行くべきなのか、というところを、ここだというところをきちっと整理してわかりやすく気持ちを込めてやってもらわないと、細かい局地戦で勝とうとしても意味がない。何のために議論をするのか。
田原:自民党が小泉さんを選んだのは、もっとも自民党らしくない人を選んだ。自民党ではだめだと選んだ。それに対して自民党は全部反対した。自民党らしくない小泉さんは全部追い出した。こういう追い出し方がいい政治か、悪い政治か、この辺はどう?
平野:私はヒトラーに似ているところがあると思う。それはやはり独裁ですよ。それとちょっと性格的に病院ではんだんしてもらったほうが・・・
山本:失礼なことを言うな!
平野:私も質問したんだが、まともな答弁がない。はぐらかしですよ。今度の解散だってはぐらかし解散ですよ。要するに、郵政解散っていうけど、郵政解散をやるならば、否決された法案をどうするのかと衆議院で議論して、それで衆議院のやり方がおかしいと言って解散すべき。ところが、参議院が否決したらすぐに解散。法律的には内閣不信任案に対する解散ですよ。
田原:小泉さんもそう言ってますよ。つまり、郵政の否決は、小泉不信任案であると。
平野:私は手続を言ってる。
山本:小泉ヒトラー説に反論したい。小泉さんは選挙で選ばれている。郵政改革法案がまずいなら小泉さんをリコールすることだってできた。自民党はやっぱりこれをやらなくちゃいけないという人が多いからだ。ヒトラーではない。
田原:こういう正論をやっていても面白くない。要するに亀井さんや綿貫さんの最大の間違いは、絶対解散はないと思っていた。で、今までの自民党の常識からすればあいいう解散はない。そういう解散をしてしまう小泉さんを平野さんは人間的に問題があると言ってる。森さんは私のインタビューでも答えたけれど、森さんは小泉さんに解散するなと言った。なぜなら亀井綿貫が解散しないと思っている。若手達は亀井綿貫を信頼しているから、自分で主体的に判断しているんじゃないと。こういう連中を不幸に追い込んじゃダメだと。わかるかーと。そうしたら解散すると。あんたは非情だなといったら、そうです、非情ですと。
山本:私は解散するのが当然だと思います。
宮崎:私も当然だと思います。例えば岡田さんが圧勝して、マニュフェストに全員が賛成すると署名しているわけですが、それに関して民主党内であるいは与党内で反対派が出てきて法案が通らなくなったら、解散すべきだと思いますよ。そういう人たちを追い出すべきです。それは民主主義として正しいと思います。
遠山:首相と公約と候補の3点セットが今までの日本では一致してない。与野党で。
田原:遠山さん、あなた解散に反対だったんでしょう?解散に反対だった公明党が解散したら小泉さんについていくの?
遠山:それは憲法に書かれている権限で解散されるならうちは支えますよ。
荻原:公約っていうけど、マニュフェストに書いてあったものっていうのは、みんなで議論するっていう話が書いてあったんですよね。だから亀井さんたちは議論するんだろうと思っていた。小泉さんは心の中で決めていたので、全然玉虫色のマニュフェストだったからこんな風に混乱している。
山本:おっしゃるとおりで、つまり自民党の中では本当に民営化したいと思っていた小泉さんと、抵抗勢力がせめぎあっていた。そういうことで最後にぶつかったのは回避できなかった。
金子:平野さんの発言は強烈な感じがしたが、例えば30兆円の公約を破っても大したことがないとか、イラクが非戦闘地域であるとか、厚生年金の問題で人生いろいろとか、国会は議論する場なのに、空洞化させてしまった。
田原:また金子さんはいい加減になる。つまり、会社も色々、人生も色々で参議院選挙で負けたじゃないですか。
金子:いや、議論を拒否しているということを言ってる。
田原:いや拒否してない。それで参議院選挙で負けたんだよ。それで今度は・・・
金子:いや追求できない野党も馬鹿だっちゃその通りなんだけど。
田原:今度は勝ちそうなんだよ。それはどう思う?
金子:勝つかどうかじゃなくて、こんな発言を国会でしていたら、昔なら首相の首が飛ぶようなことを言ってる。それをきちんと国会の中で議論できないでいる。国会の力量が落ちちゃってる。
山本:委員会などで総理が色々立った。小泉さんほど自分の言葉で喋った人はいない。たとえば安全保障のことを語ると、必ず枝葉末節について官僚が書いていた。
松原:それはそのとおりなんだが、田原さんの問題提起が何かというと、小泉さんがいい加減なことを言っていたとして、それなのに国民の支持が高いということをどう考えるか。僕が心配なのは、平野さんが何を言ったかというと、1917年とか、大政翼賛会とか、今金子さんが衆愚政治と言った、ポピュリズムと言った。そんなに日本国民の世論というのは信用できないのかと。
山本:すごく国民を馬鹿にしていると思う。
田原:ここに小泉内閣の支持率がある。最初は同じだった。解散したら支持率があがった。その後もさらに上がってる。これをどう思う?
金子:国民は持続可能じゃないことがうすうすわかっている。国と地方を合わせて1000兆円だ。ニヒリズムが漂っていて・・・
田原:じゃぁ、どうすればいい?
金子:まじめに政策をぎろんしなくちゃならない。
田原:1000兆の借金があって、どうしたら良いのか。
金子:実際には、戦争と革命とインフレしかない。今の状態では借金を分離しなくてはならない。債務管理会社と同じ。古い人たちは全部なくさなくちゃならない。新しい政府を作らなくちゃならない。
田原:新しいとは何か。今、自民党か民主党かっていう選択のときに、あなたはどっちが良いの?
金子:どっちもだめ・・・
田原:どっちもだめなんて議論にならないじゃないか。
金子:相対的には民主党の方にシンパシーを持っていますが、肝心の返したことがないような財政危機と増税についても新しい税体系、一般的に新しい税制をつくるということで済むのかということを・・・
田原:あなたそれはニヒリズムだよ。
金子:法人税の見直しとか、分離された資産課税にしてもきちんと課税する、その上で消費税とかサラリーマン増税ならわかると思う。
田原:たとえば日本は課税最低限が一番高い。これをもっと低くする?
金子:いや、低くするなら片方で法人税減税を・・・
田原:そういうこといってるなら共産党と同じだよ。
金子:無駄をけずるということでなんとかなる数字じゃない。
宮崎:返せないっていってるんだよ。だから、分離して別で管理するしかないっていうのが金子さんの考え。私は理屈は通ってると思うけど、実現可能かどうかっていうと疑問がある。
田原:別会計にするってどうするの?
金子:毎日新聞みたいに債務管理会社を作っちゃう。それで、新しい制度・仕組みで歳出歳入が合うようにする。それでこっち(分離した管理会社)は事実上シャウプ勧告にあったんですけど、富裕税という一回限りの資産税で債務を圧縮しながら債務管理をしながら、実質債務がこれ以上膨張しないようにしていかなくちゃならないと。
宮崎:ちょっと論点を変えたいんだが、平野さんや金子さんの小泉さんに対する危機感はわからないではない。確かに国会での小泉さんの発言には粗放なものがある。これはメディアの問題だと思う。かつてだったらもっと大問題になっていて、責任を問われたはず。しかし、メディアの中の批判力が物凄く衰えている。いま、権力とメディアとの距離感が急速になくなりつつあると思う。
末延:20年前は予算委員会が始まると緊張していた。しかし、視聴率主義の中で放送がなくなってきた。
田原:最近、ワイドショー化してきているのは何故か。
末延:政治ニュースはコストがかからないので、みんなが行くようになっている。今度、一つだけ良くなったのは、純化路線のおかげで対立軸がはっきりして、投票行動につながりつつある。
宮崎:投票や政治的関心の構造はものすごく変わってきている。どぶ板選挙の時代は自分達が直接関係ある人を担いでいた。しかしだんだん都市型になり小選挙区になり、政党本位になってきて、だんだんバーチャル化してきている。これで、劇場的、ワイドショー的選挙になってくるのはある意味避けられない。そういう地合にあるということにメディアはそれに自覚的になる必要がある。
末延:それはアメリカでも同様。でも、少なくとも党の綱領と政策は必ずセットでやっている。

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