2005年10月05日

結局米国のポチであり続けるのか?

057afce6.jpg外交の材料なのか、官僚のポイント稼ぎなのか、良くわからないから適当に済ませちゃえということなのか、背景は良くわかりませんが、結局いい加減な管理しかしていないと思われる米国産牛肉を否が応でも食べさせられることになりそうな日本の皆さん、お元気ですか?まだ、この文字が読めますか?読めるなら、まだvCJDの末期ではないですね。これからも読めると良いですね。

さて、長いことウォッチしてコメントを続けてきたBSE問題ですが(過去ログはこちらをクリックすればまとめて読めます→こちら)、結局脳衰省じゃない、農水省の思惑通り、輸入解禁ということになりそうです。

今回の結論を導いた官僚の知恵というのは大したものです。プリオン専門調査会に20月齢以下の牛について『危険部位を完全に除去し、洗浄後の確認を完全実施する』ことを前提として諮問。そりゃ、こういう前提を置けばプリオン調査会は「日本と同等」と言わざるを得ないですね。米国での感染牛発生予想のロジックは良くわかりませんが、これもきっと「米国での調査はきちんと無作為に実施されている」という前提を置いているのでしょう。

で、この結論には別に異論はないんです。問題は、再三言っているように、「米国産牛の汚染の現状がわからない」ことと、「米国の牛肉加工業者がきちんと対応しているかどうかがわからない」ことです。

プリオン調査会はこの部分の下駄を完全に国に預けています。安全対策がきちんとなされているかどうかは農水省や厚労省の仕事だろ、ということですね。まぁ、それはごもっとも。日米では大差ありません、という結論を導けるような状況を前提にしておいて諮問しているんだから結論が今回のようになるのも当たり前。つまりは、「日米の牛肉が科学的見地から同等となるような状況」を前提条件において、「さあみなさんの科学的な見地からの意見はどうですか?」と聞いているわけです。

となると、本来は「米国の肉牛飼育状況は適切か」とか、「米国のBSE牛に関する現状調査は適切か」とか、あと個人的にはそんなことは大した問題ではないと思うけれども「特定危険部位は適切に排除されているか」といったことを調査、判断する委員会を設置しなくちゃいけないと思うんですが、その部分はすっぱり切り落とされているわけです。実は、こっちこそが大事なことなはずなんですが。

「米国が『きちんとやってる』って言ってました」と予算委員会で発言した赤羽衆議院議員に代表されるように、みんな、大して調査もしていないくせに(だって、そもそも米国にはデータがないんだから調査のやりようがありません)「大丈夫」という前提を置いちゃってるんですね。もう米国でもボロボロvCJD患者が発生してきているようなのに(例えばこれとかがソース)。

細田官房長官は輸入解禁に関して「明るい見通しが立った」と述べたそうですが、要はさっさっと再開したいという結論ありきだったということですね。

でね、もう輸入再開はそれはそれで良いですよ。なんで米国がそんなに全頭検査をやりたがらないのかも全然理解できませんが(って、米国政府と癒着している大規模業者が面倒でやりたくないだけで、やる気になればやれる業者はたくさんあるんでしょうけど)、もうだんだんあほらしくなってきました。

で、輸入は再開するとして、その代わり、全ての飲食店(もちろんハンバーガー屋も含む)において、牛由来の食材を利用しているのであればそれがどこの牛なのかを明記することを要求したいですね。

それから、今後日本でvCJDの患者が出たときですね。これ、何が原因なのか特定するのは非常に困難なわけです。だって、発病までの10年間でいつどこで牛由来の食材を食べて、その食材が汚染されていたかどうかを調べるなんていうのは実質的に不可能ですから。まぁ、今米国産牛の輸入解禁を推進しようとしている奴等の頭にはこれがあるわけです。どうせ責任なんて追及のしようがないんだから、ってことですね。全くその通り。で、「責任の追及が不可能なんだからやっちまえ」というのを許して良いんですかね?このあたり、結論を出すならきちんと整理しておいた方が良いと思いますよ。逆に言えば、これが最後のストッパーなんですが。「責任の所在がわからなくしたのはあなた方自身ですから、あなた方がキチンと責任を取りなさい」というのを明確にしておくべきじゃないですかね?

さて、バイオ行政の専門家という立場でこれまでBSE問題を取り上げてきましたが、結論が出て輸入再開ということになればもうあんまり書くこともないでしょう。あとはせいぜい「食べない方が良いと思いますよ」と書く程度。一ヶ月ほど前に「週刊!木村剛」さんにBSE問題についてブロガー新聞を展開したいと提案しましたが特に反応もないまま過ぎ去ってしまい、一般生活者がどう思っているかを明確にすることも出来ませんでした。でもまぁ、10年ぐらい経ったときに日本に何人もvCJD患者が発生したとしても、「お気の毒。でもまぁ、僕はやるべきことはやりました」と回顧できるぐらいのことはやったと思います。

あとはもう、皆さんの自己責任ということかな。

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BSE 発生で禁止されていた米国産牛の輸入再開を求める米国のパワーを前にして、 日本のお役所は長い間 土俵際まで攻め込まれ続けていました。  国内の消費者の不安感を払拭できるだけの説明ができない以上 簡単には土俵を割るわけにもいかず、 形式的に諮問したお飾りのよ...
■来年の洋風おせちには・・・【まーどんな ぶろぐ】at 2005年10月05日 15:04
この記事へのコメント
朝日のこの写真…、 一瞬 ”BSE感染牛の脳”かと思ってしまいました。
Posted by まーどんな at 2005年10月05日 13:34
狂牛病に関して、輸入再開に関して不安です。参考まで僕が読んだものです。
http://www.tanakanews.com/e0706BSE.htm
あるものは角度を変えて見るとこうも違うと言う事なのでしょうか。
輸入再開?までのプロセスも一貫性がなく結果としての「再開」しか見えて来ませんね。
「『週刊!木村剛』さんにBSE問題についてブロガー新聞を展開したいと提案しましたが…」是非実現して欲しいですね。
Posted by grounder at 2005年10月05日 13:46
そのニュースは、週刊文春の例の「配布禁止の仮処分」された号にものってたんですよ(問題となった記事は田中真○子の娘についてのものでした;一応伏字に(^^;;;)。
論調はむしろbuu*さんに近かったかな(CJDゆえ記憶が..)

Posted by e-@いままでどんなけアメリカでステーキ食べたか思い出せない at 2005年10月05日 15:41
>まーどんなさま

エチゼンクラゲさまでございます。

>grounderさま

木村さんに提案したのはもう大分前で、当時はちょうど新聞に輸入解禁に向けた馬鹿広告が出ていた頃だったと思います。今となっては、ちょっと手遅れな気もしますね。

>Master e-

まぁ、もう食っちゃってヒットしちゃってる人は何をやっても助からないので、逆にガンガン食べたら良いと思います。へたれ牛の脳とか、タンとか、レバーとか、もしかしたら凄く美味しいかも知れませんよ。どうせあと10年ぐらいしたら全然わからなくなっちゃうんだから、今のうちです。
Posted by buu* at 2005年10月05日 16:06