2006年04月19日

時々出てくる談合容認論

今日の朝日新聞の朝刊に「談合は地域社会の伝統? 亀井氏が質問で持論展開」という記事が載りましたね。ネットだとここで読めますが。

「話し合いは伝統」 亀井氏5年ぶりの質問で談合容認?

この記事、そのうち読めなくなっちゃうかもしれないから一応全文引用しておきます。
 「地域社会で建設業者は受注を独占しないで、話し合いが伝統的になされてきた」。国民新党の亀井静香・代表代行が18日、衆院国土交通委員会で質問に立ち、談合容認ともとれる持論を展開した。郵政民営化をめぐってたもとを分かった小泉首相の構造改革批判に狙いがあったようだが、公取委は答弁で「そうした行為は法令違反」と繰り返した。

 亀井氏の質問は5年ぶり。「山の中に東京のゼネコンが乱入し、地方の業者は倒産せざるを得ない事態だ」と訴え、「市場原理が地方まで浸透し、大変な状況だ。みんなで話し合って、分担して郷土づくりをやっていくという社会はいかんのか」とたたみかけた。かつて建設相を務めた亀井氏。質問を終え記者団に「国交省にまで小泉改革の影響が出だしたな」。
敵を攻撃することに注力するばかりに本末転倒なことを言い出してしまう人は時々いるけど、この人の場合は心の底からこう思っているのかも知れない。まぁ、一昔前の自民党の人だから全然驚かないけど。

これって、所詮は価値観の問題。良いか悪いかは決めの問題であって、そうやってみんなで仕事を分け合うような社会を目指すというのも当然選択肢の一つであるはず。先日、「格差拡大社会のどこが悪いんだ」という趣旨のエントリーをあげたけど、格差のない社会、競争のない社会を作ろうっていうことでコンセンサスが得られるならそれでも良い。

でもさー、本当にそれでいいのかな?勝ち組政治は嫌だ、競争社会は嫌だ、っていうのは「俺は勝ち組になれないから、勝ち組を作るような社会制度は嫌だ」「俺は仕事が取れないから競争社会は嫌だ」、あるいは「俺は勝ち組になれそうにないから、勝ち組を作るような社会制度は嫌だ」「俺は仕事が取れなくなりそうだから競争社会は嫌だ」ってだけの話でしょ?

普通に考えれば勝ち組よりも勝ち組じゃない人の方が多いんだから、民主主義社会では「勝ち組政治よりも勝ち組を作らない政治のほうが良い」ってことになるような気がするんだけど、実際はそうなってない。それって、「短期的に考えれば、あるいは自己中心的に考えればそういう社会の方が楽だけど、それじゃぁ社会が駄目になる」っていうことを暗黙知として日本人が共有しているからじゃないのかなぁ。

そもそも厳然として格差社会、競争社会はずっと昔から存在しているわけで、それを表面化させていなかっただけの話だよね。土地を持っているだけで金持ち、政治家の息子というだけで世襲議員、裕福な家庭に育ったから高学歴、なんていうのはとうの昔からあったわけで、また韓国ほどじゃないけど学歴社会なんだから良い大学を出ていた方が後の生活だって安定する。小学校の徒競走では順位をつけないように、とか、表面上だけ取り繕って競争がないように見せかけることに一生懸命になっている人たちもいるみたいだけど、そんなの現実から目をそむけているだけじゃん。格差もある、競争もある。スタートは現実を直視するところから始まるわけで、その上でどうしたら良いかって、そりゃ「競争に勝つチャンスはなるべく均等に」ということに尽きるんじゃないのかなぁ。

もちろん、談合社会が良いっていうならそれはそれで良いんだよね。ただ、今の社会制度はそれを支持していないから、当然法律を改正する必要がある。談合社会を推進したいなら、筋としてまず社会的コンセンサスを形成して、社会制度を変えるべき。そのくらいのことは普通の政治家ならわかっていそうなものだけど、どうやら冒頭の亀井氏はそのあたりがわかっていない様子。まぁ、別に良いんだけど。

あと、談合を認める社会にするなら、どうやって平等性を確保するかも考えないとね。談合の仲間に入れる会社をどう選ぶのかとか。って、そんな社会にはならないと思うから真剣に検討する必要はないと思うけど。まぁ、「一応民主主義だけど、都合の悪いところだけこっそり社会主義。そんでもって、得をするのは一部の既得権益者だけ」っていうんじゃ話にならないよねぇ。

ところで今日の午前中の国会では民主党が「随意契約ばっかりでけしからん」と環境省やら小池大臣やらを追及していたけど、これは確かに正論だと思う。まぁ、価格コンペばかりが全てだとはもちろん思わないのだけれどね。

#なあんてことを書いてあったら、ちょうど「週刊!木村剛」さんでも同じようなエントリーが上がっていたので紹介しておきます。
[ゴーログ]談合への参加権は開放されているのか?

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