2006年06月12日

いよいよキックオフ

さて、キックオフまであと3時間を切っちゃいましたね。

神様のチーム、ジーコジャパンの最大の特徴は「監督が運しか持っていない」ということ。長期的なビジョンに立って選手の育成をしていないし、チームの中での決まりごともない。これをテクニックもフィジカルも優れているブラジルがやるならわかるのだけれど、一般的にフィジカルに劣り、技術的にもブラジルほどの個性がないと思われている日本に果たして通用するのか、というのが今回のワールドカップの見所。もしこれが通用するなら、選手の育成はJリーグやユース、高校などに全て任せてしまい、代表監督は「好きなようにやりなさい」でオッケーということになる。

ただ、普通、こういうことはできないですよね。だって、負けたときの責任が大きいもの。このジーコのスタイルの対極にあるのが前監督のトルシエ。「もともと個の力が劣るのだから、それを組織力でリカバーしよう」としたわけで、個人的にはトルシエが持ち込んだ「フラット3」に代表される組織力サッカーは日本にフィットしていたと思う。彼のパーソナリティはかなり特異で、JFAという組織の中においてはその個性は全くフィットしなかったために日本を去ってしまったが、彼の目指したサッカーは日本にフィットしていたと今でも思っている。

今回の代表の面子を見てみても、その顔ぶれの多くはトルシエジャパンとその候補選手。新しくジーコが見つけてきた選手はほとんどいない。特に若手が全くと言って良いほど育っていない。中田、中村に代表される黄金世代が中心で、これらの選手を育てたのは加茂であり、岡田であり、山本であり、トルシエだった。これらの過去の資産を総動員して作り上げられたのが今のジーコジャパンで、その力は、質こそ違え、2002と大きな差がない。

ただ、2002のトルシエジャパンが弱かったわけではない。地元の利があったとはいえ、グループリーグを首位で抜けた実力は相当なものだったと思う。そのときと大きな変化がないのであれば、ジーコジャパンもそれなりに力を発揮するはずだ。

問題になるのは、その強さの「質」の違い。トルシエジャパンにあった組織力は今のジーコジャパンにはない。もちろん、ヒディンク韓国の「気力、体力」もない。何があるのかって、それはもう「個の力とジーコの運」である。このうち、「個の力」はそれほどアップしているとは思えない。中田が、小野が、稲本が、2002と比較して大幅に実力がアップしたとは思えない。トルシエジャパンに不在だった中村がいることは大きいが、ジーコとの個人的確執で代表に選ばれなかった松田の不在を考えれば、特にフィジカルで明らかに勝るオーストラリアとの対戦を重視すれば、プラマイゼロかもしれない。

僕はこのブログでずいぶん前からジーコジャパンを批判し続けてきた(例えばこれとか)。それはなぜかって、日本の選手たちの「個の力」をそれほど評価していないからである。海外に出てチームの中心的役割を果たしている選手も確かにいる。しかし、それらの選手が所属しているチームは必ずしもリーグのトップチームではない。チェルシー、マンユー、レアル、ミラン、ユーべといったチームの中心ではない。中堅どころのチームの中心選手を集めたチームが、個の力を活かして果たして勝てるのか。

しかし、一ファンでしかない以上、何を言っても、何を書いても、何も変わらない。できるのはブログを利用して文句を書き、欲求不満を解消することだけである。そんなこんなで、ジーコジャパンはとうとうここまで来てしまった。

今日の試合は負けてはいけない試合である。もし負けてしまえば、次のクロアチア戦に勝ったとしても、最後に残すのはブラジル戦。ブラジルがクロアチア、オーストラリアを連破してリーグ勝ち抜けを決め、選手を大幅に落として試合に臨む可能性ももちろんある。しかし、それでもブラジルの強さは間違いがない。基本的な考え方はオーストラリア、クロアチア、日本で1つの席を争って総当りのリーグ戦をやるということだ。もしそれぞれが一勝一敗になった場合は得失点差になるが、得点力に乏しい日本には厳しい条件となる。してみると、オーストラリア、クロアチアに2勝、あるいは1勝1分けがほぼ必要条件となる。もちろん、今日引き分けでも構わない。クロアチアは初戦でブラジルに負ける可能性が高いので、日本戦には勝ちに来る。今の日本は自分で戦局を打開する力はないが、相手が前がかりに攻めてきてくれればカウンターが機能する。こういう展開になればクロアチアにも勝機がある。

過去の遺産を食い潰したジーコジャパンだが、次代の選手を育成していないということは来年以降の代表はもっと厳しいことになる。これはある意味当たり前で、2006を機に退任を決めているジーコが次世代のことを考える必要はない。僕は日本代表の力は2002をピークに衰退傾向に向かっていると思っている。しかし、幸いにしてまだそれは現実として突きつけられていない。今日の試合が今後下り坂に向かう日本サッカーの象徴的な試合にならないことを祈るばかりである。

何はともあれ、僕がドイツで観る日本代表の試合はクロアチア戦、ブラジル戦の2試合。今日の夜の時点で消化試合やコンソレーションになってしまわないことを切に祈っている。神様の加護のあらんことを。

#5−0とかで勝てばなぁ。

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