2006年11月21日

■SNS利用の問題点

SNSを社内イントラとして利用する際の問題点は、「見てくれない人がいる」ということです。その解決策は、「重要な情報をSNSだけで流す」というルールをつくることです。そうすれば否が応でも、誰しもがSNSを見るようになります。しかし一方で、ネット内に限定したコミュニケーションだけでは、どうしても無味乾燥になりがちです。顔を合わせて生のコミュニケーションをとっていくことも、もちろん大切です。社内SNSに限らず、mixiなどエンターテイメントとしてのSNSでも、「オフ会」と呼ばれるオフライン・ミーティングが非常に重要な役割を果たしています。細々とした情報のやり取りはSNSで行い、重要なやり取りは、実際のコミュニケーションできちんと補うようにすることがSNSの上手な使い方とも言えるのです。

そして、オフラインでのやり取りのうち重要なものは再度オンラインに載せること。この手間を惜しんでしまうと、SNSの利用価値は損なわれてしまいます。会社の中のアクティビティのほとんどがSNSによってデータベース化されていること。これこそが重要なのです。

そして、SNSのビジネス利用についてはもうひとつ、深刻な問題があります。それは、SNSというシステムのリテラシーの問題です。僕はすでに1年近く、このSNSというシステムの有効性を世の中に訴えてきました。その中で感じたことは、だいたい40歳を境にして、それ以上の人達に対してSNSの有効性を説明し、理解してもらうには、ものすごいエネルギーを必要とするということです。「なんでメーリングリストじゃダメなの?」「掲示板って、何を書かれるかわからないから怖いよね」といったところが典型的な意見ですが、まずSNSというものは口で説明するのが難しいシステムです。使ってみて初めてその有効性がわかってくるものですし、また、ちょっと登録して使ってみたぐらいでは、ネットワークも形成されず、自分から情報発信する機会もなく、結局「覗き見」の延長でしかなくなってしまいます。それではSNSの本当の有効性は理解できません。

僕の周りには、40代、50代の人でもSNSの有効性に気づき、その有効活用を進めている人達ももちろん存在します。「絶対に理解してもらえない」というものではないのです。しかし、かなりの割合の人が、新しい技術に触れることを恐れ、面倒くさがり、旧態依然としたネット環境の場所にとどまろうとします。その人達をWEB2.0の世界に引き込むのは本当に大変なことなのです。

ですから、社内イントラネットとしてのSNS導入を僕達の会社で勧める相手は、ほとんどの会社が若い会社です。しかし、この状況は多くの人にとって決して好ましい状態とは言えません。いきなり社内イントラとしてのSNSというのは難しいかもしれませんから、まずはmixiなどの初心者向けのSNSを体験してもらうのが良いのかも知れません。

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こんにちは。 社内ブログの活用効果をビデオで再現しました!!!!! というのは、
社内ブログ活用効果をビデオで再現【社内ブログ/SNSを活用したチームワーク強化術】at 2006年11月27日 12:49