2007年03月22日

治ってしまった前十字靭帯

281f5b83.jpg肩を骨折して通院の日々なわけですが、ちょっと時間があったので膝のMRIを撮影してみました。というのは、前十字靭帯を切断したのが約16年前(1992年の3月)。そろそろ半月板やらに色々不具合が出てきていても不思議がないわけで、どうせ肩を骨折していてスキーができないなら、この時期に何かあればチョイチョイっと治してしまえ、というのが本音のところ。

で、撮影してみてびっくり。前十字靭帯は治ってました(笑)。

「そんな馬鹿なことがあるの?最初から切れてなかったんじゃないの?」と考えたくなるところですが、ま、そのあたりは今となっては調べることができません。ということで、簡単にここに至る経緯を書いておきます。

1.スキーにおいて膝を怪我
北海道かもい岳において実施された「北海道学生オープン」に出場。当時大学院修士課程2年生。前年優勝していたこともあって気合を入れて参加した大会のスーパーG。6旗門目あたりに設置されていたジャンプ台でジャンプ。と、飛び出す方向が悪く、空中で方向転換。着地した瞬間に強引に右ターンに持ち込もうとしたところで左膝が耐え切れず、「ゴキっ」という音とともに関節が外れるような感触。痛いのでそこでレースを中止。転倒等はしなかったものの、そこから滑走することは出来ず、おんぶしてもらってゲレンデ下のレスキューへ。そこで手に負えないということで、そのまま救急車で歌志内市民病院へ。

2.初期診断
歌志内市民病院で膝関節から血を抜いたところ、その中に脂肪が混入。医師からは「脂肪が混ざっているということは骨折。靭帯や半月板にも損傷があると思われるが、レントゲンでは良くわからない。とりあえず東京に戻って大きな病院で受診してくれ」と言われる。

3.横浜労災病院
スポーツ整形で有名な関東労災、近所にある横浜労災、その他靭帯で有名な港湾病院、日本鋼管病院、逓信病院などを候補にあげたが、今後リハビリで通うことも考慮して家から自転車でも通える横浜労災病院へ。主治医は田渕医師(現在田渕整形外科)。「関節鏡を入れてみてみないとわからないが、現在は痛みが残っているので、一ヵ月後にやりましょう」とのことで、そのまま一ヶ月脚を半固定。一ヵ月後に関節鏡の手術。「左膝前十字靭帯完全断裂」との診断。同時に半月板に損傷があったため、一部を修復。この手術の最中に膝が拘縮していることが判明。このままの状態で靭帯を再建してもリハビリがうまく行かないため、とりあえず診断のみとし、靭帯の再建手術は後日とすることに。

4.セカンドオピニオン
膝が拘縮して歩けないという事態になり、「本当に大丈夫なのかな?」と考えて横浜港湾病院にセカンドオピニオンを取りに行く。レントゲン撮影等は特に行わず、問診のみ。横浜労災病院での処置には特に疑問点はなく、港湾病院でも経過は同じようなものになったはずと説明を受ける。

5.リハビリ
膝の拘縮がなかなか改善されず、2回の入院を含め、1年以上リハビリ。松葉杖なしで普通に歩行したり、走ったりできるようになるまで約2年を要することに。

6.競技復帰
当時は津田沼の人工スキー場、ザウスなどが首都圏にあったため、これらの施設を利用して徐々に競技復帰。当初は膝靭帯を強固に保護する装具を装着していたものの、岩谷スキーコンサルトに参加していた広瀬トレーナーからテーピング方法などを教わり、徐々に装具からテーピングへと移行。現在はテーピングからさらに簡素なマクディビットのヒンジ入りサポーターを利用。

と、まぁこんな感じで現在に至るわけです。で、今回MRIを撮ったわけですが、掲載した写真が一番わかりやすいもの。画面中央が膝の断面図ですが、ここで上の骨の右側(脚で言えば裏側)から下の骨の左側(脚で言えば前側)にかけて見える黒い帯状のものが前十字靭帯。って、切れたはずなのにあるじゃん!!!なんだこりゃ(^^;?本来、この黒い帯はピシっとまっすぐに緊張しているはずらしいのですが、僕の場合はちょっとだらーんと下にたるんでいます。要は伸びている状態らしいのですが、でも強度的には問題なさそうな太さとのこと。

さらに、膝の状態を見るために、KTという数値を測定。右ひざに比べて左ひざは5mmほど緩いことが判明。靭帯が5mmほど伸びた状態になっていると考えれば良さそう。

その他、半月板などには特に異常は見られず、今までどおり普通に運動していても特に問題はないとのこと。

医師によると「膝が拘縮したのが結果的に患部の保存につながって、回復したのではないか。また、左右のねじれ方向に緩みがあまりないのも良かった。こういう症例は非常に珍しいが、稀に報告されることがある。切断の状態、その後の状態など、いくつもの幸運が重なって、現在に至っていると思う。膝の内部の状態は健常と大きく変わることはない。ただ、ねじれ耐制はあるものの、前後方向に膝が緩いことは間違いないので、運動をするときなどは配慮が必要」とのこと。

要は、「治っちゃってるけど、普通はこんな風にはならないから、他の人の参考にはならないよ」ということらしい(^^;

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この記事へのコメント
初めまして。”ACL MRI”で検索して写真から見つけました。
もう7年も前のことのようですが、ブログの最新2014年6月も更新をされてるようだったのでコメントします。私は、2014.4/3に
スキーでケガをして、前十字靭帯断裂と言われました。まだ2か月たったばかりです。でも外側の痛みが治らず、恐らく拘縮してしまっているのですが、
痛みが強くなったので、
新たに、MRIを撮り直しました。骨挫傷が複数見られるが、靭帯など回復していると言われました。最初に撮ったところと違う病院です。
私は色々な病院に行きました。やっぱり比べると直線も見えるようになっています。
ただ、まだまともに歩けない状況です。一時期杖なしで行けそうになったのですが、その頃から膝がまっすぐにできるように
なってきて、歩く練習もしたのですが、
無理だったのか、また一からやり直しで、
松葉杖も二本使ったり一本にしたり、部屋ではなしでも色々つかまったりもします。ケガ当初は、膝が中で動いたので
すごく気持ち悪かったし今も怖いです。もう動くという感じはなくなってきました。ただ、筋肉が痩せて委縮してしまい、
筋トレや、ストレッチのリハビリしてもなかなか追いつかず、すぐ戻ってしまい、本当に治っていくのかと思ったりします。
元木さんのブログを読むと、
2年かかったという風に書いてありますが、
その位かかると思った方がいいのでしょうか?長文失礼しました。
Posted by みい at 2014年06月07日 17:11
まず、僕は医者ではなく、自分の経験を書いているだけなので、あくまでも「事例1」であることをご了解願います。当然のことながら、たくさんの患者を診ている専門医にはかないません。

さて、僕の経験から書きますが、まず、僕の場合は膝が緩いという感覚を日常生活で感じたことは一度もありません。しかし、アイスバーンでのスキーレースをしているところをビデオで観ると、明らかにエッジがずれていて、緩いんだな、というのがわかる状況でした。

僕のおすすめは、1にきちんとした医者・理学療法士の指導を受ける、2に、緩いという感覚があるなら、サポーターやテーピングの利用、3にトレーニング、4に体重のコントロールの4つです。

競技スキーをやる際は今でも装具とテーピングは必ず利用します。不安に感じないことが重要なので、日常から違和感があるなら、何らかの方法で膝をサポートしたほうが良いと思います。トレーニングもずっと続けています。特に、レッグエクステンション、レッグカール、レッグプレスといった大腿筋関連のトレーニングは重視しています。また、ランニングも続けていて、その際はかかとから降りて、まっすぐに重心を足の裏の内側に沿って拇指球へ抜けるように意識しながら、つまり、なるべくねじれが生じないように意識して走っています。トレーニングは週3回が理想で、最低でも1回はやらないと、筋力不足になります。また、いきなりやると故障につながるので、アップで自転車漕ぎを30分ほどやります。僕の場合意外と良くなかったのが水泳で、膝にねじれ方向の負担がかかってしまい、痛みが出ることが多かったです。痛くなるとそれが故障につながり、結果的にトレーニングできなくなるので、注意が必要です。また、体に負担をかけないように、いつもダイエットして体重管理しています。

参考になるでしょうか?わからないことがあれば、また聞いてください。
Posted by buu* at 2014年06月08日 10:04
こんにちは。色々ありがとうございます。MRIの添付ができないので、
お伝えするのが難しいのですが(どこかに写真アップしようかな?)一か月後に撮ったら、前十字靭帯が連続性があり、緊張度も直線である画像になったのです。。極まれに早期から動かすリハビリをすると、治ることがあるという記事も
読んでいたので、願いながら、痛くても動かしアイシングしていました。(病院には行きました)

理学療法士によるトレーニング、レッグエクステンション、レッグカール、
自宅でのリハビリ
スクワットを主にやっています。
水泳は、そうですね。私もまだやっていませんが、全方向から水流が当ったりするので
わかるような気がします。先日、温泉に行き、湯と湯の間は杖での移動という方法を取りましたが、湯に入りました。
人が多いので、水流の中で移動するので、そのときなんとなくそういう
気がしました。

競技スキーまでまだまだ遠い道のりですが、
元木さんは、トレーニング週3回、その前の自転車でのアップ、7年間続けてるんですね。その前からも・・

続けているのが大切なのですね。

私は、断裂当初から、
装具をしていなく、
一時期つけようとしたのですが、
合わなくて付けれなかったんです。そのあと、靭帯は繋がってるから、
制限が要らないから、装具は
必要ないと言われました。。。

元木さんが、MRIだけでなく、関節鏡で内視して
前十字靭帯が断裂だったという診断だったのが、何年も経った後、治っていたというのが
ひょっとして異例かもしれませんが、事実があるというのを
力にして、そういうことも
実際にあるんだということを糧にして、
私ももっと頑張りたいと思います。

ありがとうございましたm(_)m
Posted by みい at 2014年06月09日 12:29
装具は色々なタイプがありますが、日常使っていたのはMcDavidでした。ちょっとした運動などは、ヒンジが入っていないタイプでも問題なく使えていました。

http://www.mcdavid.co.jp/product/list.php?level1=0&sort=&level2=2&level3=

ここの、ミドルサポートとかですね。スキーをするときや、サッカーなど膝に負担がかかるスポーツをする場合は病院で作った本格的な装具を使っています。日常でも不安があるなら、それほど目立たないサポーターで保護してあげると良いと思います(夏は蒸れて不快ですが)。あと、昔はこういう海苔巻きタイプのサポーターがなかったんですが、

http://www.mcdavid.co.jp/product/detail.php?pcode=M419XX

こういうタイプのほうが靴を抜いだりする必要がないので便利です。

治るというよりも、上手に付き合っていく感じだと思いますし、治らないと絶望する必要もなく、いつかは治ると思っていたほうが精神的に健康ですが、一方で、治らなければ治らないで、それはそれでラッキーと思えるような考え方がお勧めです。ちょうど先月、こんな記事を書いたので、ご参考まで。

粉々に砕かれた鏡の上にも新しい景色が映される
http://buu.blog.jp/archives/51437158.html
Posted by buu* at 2014年06月09日 15:08
リンク先をありがとうございます。
「軽度屈曲させる膝MRIについて」
膝が曲がっていると、緩んで見えるという実証があったので、
私もリンク紹介しておきます。(私も実際自分のMRI技師に直接話を伺かったら曲がっていると
緩んで見えることがあると言ってました。)
http://www4.ocn.ne.jp/~etrt/23fyb.htm
元木さんは、実際に、計測し5mmと出ているようなのですが、
8mmの人もそのままにしてスポーツしているらしいです。
写真もMRIが計測のときの膝の曲がり具合とは一概に言えないかもしれませんが、5mmは問題ないというのは
聞いたことがあります。
他にもアドバイスも
ありがとうございます。そちらにも参照しますね。
Posted by みい at 2014年06月10日 18:25
僕のMRIも軽く曲げて撮影したと思います。

まとめますと、

1.医者を信頼する
2.心配になったらセカンドオピニオンを取る
3.日常生活や運動時に不安になるようなら、サポーター、装具を使う
4.トレーニングを続ける
5.焦らない
6.今後も膝とは長い付き合いになるので、喧嘩せずに仲良くやっていく

ぐらいがポイントかと。
Posted by buu* at 2014年06月11日 09:38
元木さま、はじめまして。今頃はスキーシーズンに向けて、トレーニングに励まれている頃ですね。

実は私も自然修復しました。記念に頂いたMRIのコピーでは、黒い紐は下の方が細いのですが、確かに繋がっています。医師やPTによると切れ方にもよるが、100人に何人かは繋がる場合があるそうです。早期に専門医の診断を受け、適性なリハビリを受けられる有難さを痛感しました。

私の場合、近所の整形にかかっている内に歩けなくなってしまい、埼玉県で膝の手術数トップのK工業病院から紹介されたS市のスポーツクリニックで(周りの真剣さに圧倒されながら)、受傷1ヶ月後から半年以上(自宅でも)リハビリしました。終了後も筋力を落とさず、股関節の柔軟性を落とさず、足指を使えるよう、毎日の筋トレが宿題です。でもテニスに復帰できたご褒美は大きいです。

アスリートではない私ですが、この記事には本当に励まされました。有難うございました。
Posted by M at 2014年09月09日 18:43
> 今頃はスキーシーズンに向けて、トレーニングに励まれている頃ですね。

股関節にトラブルが発生して、約3ヶ月休んでました。今月からトレーニングを開始したところですが、ベストの時に比較して筋力が4割減ぐらいになっていて、ピッチを上げつつあるところです(笑)。

> 埼玉県で膝の手術数トップのK工業病院から紹介された

川口工業総合病院でしょうか。今、股関節でお世話になっています。

> アスリートではない私ですが、この記事には本当に励まされました。有難うございました。

お役に立てたようで良かったです。情報と、それをベースにした適切な選択はとても重要ですよね。
Posted by buu* at 2014年09月09日 22:28
ごめんなさい。8/12のブログにバネ股の件でスポーツ整形に行ったとありました。トレ開始出来て何よりです。

私も川口工業総合病院に行った頃はバス降車後、駅の階段が登れず、命がけでロータリー突っ切っても、誰からも注意されない状態でした。階段昇降可になったのは、その2ヶ月後で、あの状態でたどり着けたのがラッキーでした。
Posted by M at 2014年09月09日 23:03
> トレ開始出来て何よりです。

まだちょっとビクビクしながらですけどね(笑) 年齢が上がるにつれて怪我が増えてきましたし、治りも遅くなりました(;_;) なかなか昔のようにはいきませんが、体と良く相談をしながらやってます。

> あの状態でたどり着けたのがラッキーでした。

無事で良かった(^^
Posted by buu* at 2014年09月10日 01:47