2007年04月08日

まつさをな

e0cfa4bd.JPGキャラメルボックスの「まつさをな」を観てきた。例によってブログライター枠で無料観劇。

結論から言うと、なかなか面白かった。評価は☆2つ。以下、ネタバレ感想なので未見でネタバレ御免の方はさようなら。

キャラメルボックスの持ち球は大きく分けて3つ。未来モノ、現代モノ、そして時代劇。それで、今回のは時代劇。舞台は幕末、場所は小田原。時代劇の見せ場はダンスではなくて殺陣。

ストーリーはそれほど工夫がないというか、なんというか、「え?本当にそういう何のひねりもない展開なんですか?」とか、「あれ?貧乏武士が・・・・ってプロットはどこかで観たような??」とか、クエスチョンマークが頭の上を行ったり来ちゃったりしたんですが、役者さんはなかなかに健闘していたと思います。初日ということもあってかセリフのとちりとかも散見されましたが、そういうのがあるところも生ものの芝居の楽しいところ。

客演の粟根まこと氏(新感線)が非常に存在感があって、逆に「キャラメルの役者は???」と思ってしまう部分もあるのだけれど、浮いているというよりは上手に取り込んでいるという感じで好感。ストーリーとか、演出とかでは僕はあんまり成井豊さんって評価していないのだけれど、客演の役者さんの使い方はいつもなかなか上手だと思う。

キャラメルの役者で良かったのはやはり何と言っても大内氏。彼の演技はいつも安定しているし、声が良く通るのがなんといってもポイントが高い。逆に言えば、他の役者さんは演技がマンネリだったり(って、これはもしかしたら演出側が要求しているのかもしれないけれど。例えば坂口氏はもっと器用で色々出来そうなのに、いつも同じような役どころ)、声が聞こえづらかったりするってことなんだけど。

主役の温井氏はどうなのかなぁ、ストーリーのこともあるのかもしれないけれど、途中から存在感がなくなってしまったのが残念。前半では主役だったのに、いつの間にか脇役になってしまった感じ。

前回の「サボテンの花」に良い役者をあまり持っていかれなかったので、こちらに中堅どころが揃っていたのも舞台の質を高めた要因だと思う。あちらがナビスコ、こちらがリーグ戦、という感じか。

大内氏びいきで岡田達也氏の演技をそれほど評価していない(良い人っぽいけど)僕としては、配役が逆でも良かったんじゃないかなー、と思うのだけれど、役の難しさは大内氏の方が上だったのかも知れない。ちなみに殺陣はそれなりに上手だったと思う。サンシャインの二階席から観ていても「下手なチャンバラ」みたいな印象は全くなく、なかなかの見せ場になっていたと思う。

もうひとり、僕の贔屓の實川氏は相変わらずなかなかの脇役ぶり。もうちょっと良い役をつけてやってくれよー、と思わないのでもないのだけれど、この劇団に温井氏や岡内氏がいる限りは当分脇役のままなのかな。どこかで大内&實川コンビの舞台ってなかったっけ、と思い返すとそういえば「ブラック・フラッグ・ブルーズ」のヴィーナスキャストがそれだったかもなー。

と、いうことで、今回は満足して帰ってきました。最近観たキャラメルボックスものでは上位に来ます。

余談ですが、帰りの二階席からの階段で、「もう号泣だったよ〜」「私も〜」という会話が聞こえてきたのですが、泣き所なんてあったかな(^^;?いくら思い返しても思い当たるところがない(^^; まぁ、僕はキャラメルボックスの演劇では一度も泣いたことはないのですけれど。

サンシャイン劇場での公演は5月6日まで。平日のチケットはまだかなり余裕があるみたいです。あ、なんか、僕が観てきたチケットの半券を持っていくと当日券なら半額で観ることができるみたいです。誰か欲しい人がいたら差し上げます。5500円だから、2750円お得(^^ 早い者勝ちです。

ちなみに加藤さん(製作総指揮)の記事はこちら→『まつさをな』初日!!

この記事へのトラックバックURL