2007年09月26日

そろそろ公的な機関が管理運営しているSNSは廃止、あるいは移譲に向かうのではないか

先ほど、オールアバウトに次のような記事をアップした。

SNSの光と影

あちらは文字数制限が厳しいので、「光と影」と言いつつ影しか書いてないのだけれど(^^;、こちらは当然ながらもっと自由に書けるので、あちらの記事を受けてさらに詳細に考えてみたい。

まず、一つ目の記事について。ミクシィの中に違法コミュニティがあって、そこを利用して薬物の密売をしていてびっくり、という話だけれど、基本的にSNSというのはインターネットの中に登録制のスペースを用意しただけのもので、ハードルはせいぜいメールアドレスを持っているかどうか、ぐらい。したがって、普通のインターネット内部と状況は何も変わらない。そして、その中に自分の都合の良い人間だけが所属するコミュニティを作ることができるというのが最大の特徴である。2ちゃんねるで「違法薬物売りまっせ。誰か買いませんか?」と告知するよりもずっとセイフティに取引が可能になる。つまりは、一度リスクを犯して顧客として囲い込むことに成功すれば、あとは顧客だけのコミュニティに招待して、随時情報を提供していけば良いからだ。しかし、これが何か新しい犯罪の形かというと決してそんなことはなく、今までのシステムを使ったとしても(たとえば電子掲示板とメーリングリスト)、同様のことは可能だ。ただ、SNSの中にそれらの機能がパッケージングされていて、使いやすいというだけのことである。犯罪グループの温床になるのでは、という意見もなんら新しいものではなく、単に「あぁ、やっぱりね」というだけのことである。記事ではミクシィの管理能力だけを問題視しているのだが、実はポジティブな側面もある。一度誰かが摘発された場合、このコミュニティを利用して芋づる式に組織を一網打尽にすることも可能かもしれないということだ。もちろん警察がこうしたことまで考えてミクシィを放置していたとは思えないが、結果的に利用できる状態になっていることを歓迎している部分はあるかもしれない。

続いて二つ目の記事。ミクシィがどういう監視体制を取っているのかは不明だが、おそらくミクシィの中にアップされる画像については何らかの方法で一括して閲覧できるシステムが組まれているはずである。その中に違法性の高い画像が存在すればそれを削除しているだろうし、その作業にはそれなりのマンパワーを割いているはずである。今回の摘発が警視庁主導での調査だったのか、ミクシィからの通報によるものだったのかは不明だが、仮にミクシィからの通報なしに摘発が行われたとすれば、ミクシィの管理体制について疑問が呈されても不思議ではない。厳格な管理を実施するということも株式公開の目的の中には含まれていたはずである(きちんと目論見書を読んだわけではないけれど、常識的に言って)。もしミクシィからの通報だったのであれば、再発防止の目的も含め、その旨きちんと報道すべきだと思う。

そして三つ目。ミクシィが閉鎖空間であることを理由に油断して犯罪告白をする馬鹿は後を絶たないわけで、「お前らSNSを何か特別なものと勘違いしてないか?」と小一時間ほど問い詰めたい気分なのだが、まぁこうやってフラフラと頭を出してはポコポコもぐらたたきよろしく叩かれてしまうのは馬鹿だから仕方がない。そういうネタを色々見つけてくる人たちも偉いなぁと思うけれど(笑)。

それで、こうしたSNSに関連する犯罪情報がいろいろと出てくるようになって、ようやくSNSというのも特殊なものではなく、生活の一部に溶け込んできたんだな、と思うのだけれど、ここで心配になってくるのが「これは面白そう」と安易にSNSに参入してきた自治体とか、公共団体の動きなんですね。そもそもこうしたところがSNSに参入してくること自体、僕はかなり否定的なスタンスではあったのだけれど、

参考:地域SNSに自治体が安易に参入すべきではない

新しく「犯罪対応」という難しい課題を突きつけられたことになるわけで、果たして責任回避が大好きなこの手の人たちがどこまで頑張れるのかな、と思うのである。「お前らは税金を投入して犯罪を助長してどうする」と非難されたとき、「いや、それでも地域SNSは必要です。きちんとした監視をし、犯罪を排除し、安心して利用できるネット空間を提供し続けることに自らの職を賭してあたります」と言い切れるのかな、と。SNSは別にどうしても必要なインフラじゃないし、「なんでミクシィじゃ駄目なの?」という疑問に対してもきちんとした反論ができない人たちなのだから、「いや、こういう展開は予想していませんでした。監視業務に必要とされるコストを考えると、維持は困難であると結論付けざるを得ません」ということになる可能性が高いんじゃないかな、と思うのである。

SNSが廃止されてしまうと、そこに蓄積されたデータも、ネットワークも失われてしまう。だから、SNSの運用に参入するには相応の覚悟が必要だ。でも、おそらくそうした覚悟は自治体にはない。でも、さすがに安倍元首相よろしく「やっぱやーめた」という態度では非難に堪えられないだろうから、多くのSNSは民営化されていくんじゃないのかな、と思うのである。もちろん、引き取る企業があれば、だけれども。

いや、わかりませんけどね。

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