2007年12月04日

ブログでバイオ 第36回「ポスドク、やーめたっ!」

第35回で正解ですか(笑)?あ、36回か。35回はこれってことで。

博士を減らして質を高めるべきだ

誰か書くかなー、と思って様子を見ているうちに忘れちゃうんですよね。もう、がんがんドリブルしちゃおうかな(笑)

さて、そろそろポスドク問題もビジネスとしてのアプローチが可能かな、と思い始めて、具体的に何が出来るのかを考えている。

各所でディスカッションなどもしているのだけれど、バイオ中心の理系の人間だけで考えていると限界があるよな、と思い、またこの手の議論は結局議論のための議論になりがちなので、そういう無駄な時間つぶしはネットに任せることにして、リアルな活動として何が出来るのかを考えてみようと思った。それで、まずは文系の知恵を借りてみることに。何をやってみたかって、まぁ、都内某所で文系の人材会社のトップの方とブレストをしたわけです。そこで出てきた話はさすがに面白かった。僕も色々理系の集まりを見たり、自分で喋ったりしてきていますが、こういう話は聞けないなぁ、とういものでした。誰もが感じていたりすることだけれど、「はっきりものを言う」と言われている僕ですらやっぱり遠慮があって言い切れないところがあるんですね。

まず最初に書いておきますが、話してくれたのは完全にバイオ初心者。そして、人材紹介業で食べている人です。話は、「ポスドクといわれる、アカデミックポスト予備軍の人たちが余って、徐々に社会問題化しつつある。これをどうしたら良いのか。ポスドクとは、20代後半から30代ぐらいの人たちである」という説明をしてからのもの。

あ、あと、袋小路にいるポスドクの人は読まないほうが良いかも知れません。かなりドク入りです。以下、サマリー。

そもそも、大学でも、研究機関でも、企業でもいらない、という人材には社会のニーズがないんですよ。どこからも必要とされていないという現実を受け入れないと。そういう人たちは、ニーズをあわせる方向に頭を切り替えなくちゃ生き残れない。

意識を変える、自分が変わる必要がある。世の中はそう簡単には変わりませんよ。20年後はどうか知らないけれど、5年後に大きく変わっているとは思えない。また大きく変えるのは凄く大変。そんなことをやっている時間はないんじゃないですか?今食べていくことが重要なんですよね。

ニーズがないんだから、今までの自分は捨てなくちゃ仕方がない。これまでの人生の全否定になろうが何しようが、まずはそこから。今の状態では社会に貢献していないことを自覚すべき。きちんと働いて、国以外のところからお金をもらって、納税する。これが社会貢献。税金を使うんじゃなくて、税金を払う側になれ。利潤を生まなければ何の価値もないことを認識すべき。

例えばITの世界は慢性的な人不足。将来はわからないが、ここ数年でこの事態がドラスティックに変わるとも思えない。バイオで食えないなら、ITで食え。理系なんだから、そのくらいの素養はあるだろう。ITの教育ならすぐできる。半年で、普通の人なら年収500万円ぐらいの給料をもらえるスキルを身に付けることができる。

メンタルトレーニングは必要。トレーニングはこれまでの人生を否定されるところからスタートするから、つらいところもある。しかし、これに耐えられなければ未来がない。


→このあたりで、「しかし、精神的に弱い人や、すでに手遅れの人はその現実を前にして立ちすくむだけではないですか?」と質問。

確かに、相手は選ばないとだめ。ただ、今は大量のポスドクが余っているんでしょう?それを全部面倒見るのは不可能。それなら、まず絶対数を減らさないとだめです。そのためには、まず脱出できる人から脱出させないと。駄目な人は絶対数を減らしてから考えれば良いんです。

30代後半になってしまうと、私達でも解決策は思いつかない。それこそ国に頼るしかないんじゃないか。ただ、最初から国に頼るんじゃなくて、その前段階で何とかできるところを何とかするべき。

必要なのは「プライドで飯は食えない」ということをきちんと認識すること。お勧めの分野はIT業界。


なるほど、面白い。正直なところ、話をしていると「それはちょっと違うんじゃないかな」というところもあるんだけど、それは結局枝葉末節。こういう話をそれこそ理系の人間が聞くと、ついつい細かいところに目を奪われて、「こんな奴はわかってないから話にならない」とか決め付けそうなところだけれど、本流ではやっぱり正論じゃないかなと思う。

それにしても特に参考になるのは、「まず大丈夫そうなところから救済して、絶対数を減らせ」という部分。

話してみてわかったのは、やっぱり「ストレートに現実を直視させちゃうと、自殺しちゃうんじゃないの?」といった種類の遠慮が関係者にあって、ついつい問題を先送りしているような。死刑囚の死刑執行の書類に法務相がサインしたがらない、みたいな。そうやって先送りしているうちに、事態はだんだんリカバリーが難しい状態(→30代後半)になってしまったんじゃないかなぁ、ということ。これがわかったといっても「リカバリーがしにくい人たちをどうするか」ということに対する回答は見つからないのだけれど、新規供給分の減量化を図る、という部分にターゲットを絞れば、対応策は何かありそうだ。

一気に解決するんじゃなくて、できるところからのアプローチ。救助しやすいところから救っていくということ。まずはここをビジネス化してみるのが良さそうだ。

#それはそうと、So-netの立花さんのブログ、なくなっちゃったのかな(^^;?

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この記事へのコメント
おはようございます.
某所からイロイロ圧力がかかって,旧ブログは止めざるをえなかったんです.それなりに社会的影響力があったということなのかもしれません.去年の分子生物学会では5号館のつぶやき,大隅典子の仙台通信とともに紹介されたりもしたのですが.もったいなかったのは,ブログでバイオの私が書いた部分や,過去のリンクもなくしてしまったということ.

今は,ちょっとだけアドレスを変えて復活してます.ただし,以前と比べると内容がかなり抑制的になったのは事実です.
Posted by K_Tachibana at 2007年12月05日 05:36
>某所からイロイロ圧力がかかって,旧ブログは止めざるをえなかったんです.

えーー、そうなんですか?なんともったいない。

>ブログでバイオの私が書いた部分や,過去のリンクもなくしてしまったということ.

うーん、削除する前に一声かけていただければ、データを別の場所にトランスファーすることも可能だったかもしれないのですが、なくなってしまったんだとちょっとどうしようもないかな・・・・。

>以前と比べると内容がかなり抑制的になったのは事実です.

こっそり、まったく別のIDで書きたい放題書くとか(笑)。
Posted by buu* at 2007年12月05日 11:16
>法務相がもサインしたがらない


>ブログでバイオの私が書いた部分や,過去のリンクもなくしてしまったということ.
ここ(http://web.archive.org)に残ってないですかねぇ?
Posted by おいら at 2007年12月05日 18:49
おいらさん

全部ではないですが,一部はアーカイブされて残っているようです↓
http://web.archive.org/web/*/http://blog.so-net.ne.jp/kagaku/
Posted by K_Tachibana at 2007年12月05日 21:15