2008年02月06日

リーブ21ってば

発毛訴訟でリーブ21と和解 4年間効果なし

 「必ず毛が生える」との勧誘を信じて発毛促進サービスを4年間にわたって受けた大阪府内の男性会社員(58)が、効果がほとんどなかったとして業界最大手「毛髪クリニックリーブ21」(大阪市)に施術代や慰謝料など約830万円の損害賠償を求めた訴訟が、施術代の約9割の430万円の解決金を同社側が支払うことを条件に大阪地裁(平林慶一裁判官)で和解していたことが5日、わかった。

 原告側は「個人差を見極めないまま、効果のない人にサービスを勧め続けた」と同社の対応を批判している。

 訴状などによると、男性は平成13年4月、同社のチラシを見て「頭頂部が薄くなって久しい。大丈夫か」と相談したところ、担当者から「大丈夫。必ず生えてきます」「発毛には3年必要」などと言われて発毛促進サービスを契約。17年5月まで約4年間、週1回2時間のペースで高周波の「発毛装置」などの“治療”を受け施術代約490万円を支払ったほか、同社専用の補助食品も190万円分購入した。

 しかし、実際には細い毛が少し生えただけで効果はほとんどみられず、男性は18年1月に提訴。同社は「必ず生えるとは言っておらず個人差があることは事前に伝えた」と反論したが、昨年9月、地裁の和解勧告を受けて和解に応じた。

 同社広報部は「長期のケアを続けたにもかかわらず、結果的に強い不満を持たれた男性の意思を尊重した」としている。
(出典はこちら

だそうで。

この手の話はもういくらでもあるわけで。ちょっと前に「コラーゲン食って肌がぷりぷりになるわけねーだろ(笑)」っていうエントリーを書いたけれど、それと同じような話。個人的にはコラーゲンに加えて活性化リンパ球で末期がんを治療しようとしている会社も同じなんだけどさ(^^;

活性化リンパ球による治療は僕の授業でも取り上げることがあって、

「これってね、患者さんのための治療じゃないんですよ。患者の家族のためなんです。お金はある。そのお金を使って、末期がんの家族のために何かしてあげたい、という気持ちを満足させている、患者の家族の精神安定剤なんです。だって、末期がんの患者が活性化リンパ球の治療を受けて回復したなんていう論文は見たことがないですからね。つまり、患者に対しては効果はないんです。いや、厳密に言えば、効果があるとは、現在の科学では言えないんですね。日本ではそんな治療が普通に認められていて、バイオベンチャーにもそういう会社があるわけですが、これは物凄く不思議なんですね。世界各国を見回しても、こんな治療ができるのはほとんどないんです。さて、そんな治療ですが、あなたのお父さんが末期がんで、医者からは「手の施しようがない」と言われました。でも、お金はたっぷりあると仮定します。この治療、受けますか?」

なんて質問してみるわけですが、面白いことに(個人的に、ですが)、ほとんどの学生が、「お金があるなら治療を受けさせる」って言うんですね。

まぁ、「できるだけのことをしたい」と思うのは、それが親のためであっても、自分の頭のためであっても同じなんでしょうね。儲かるんだろうなぁ、こういう会社。

でも、こんな前例を作っちゃって大丈夫ですかね?4年間やってみて生えなかった人って、結構沢山いそうなんですけど(^^;

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