2008年02月09日

チーム・バチスタの栄光

c35256ba.JPG大雪だからすいているに違いないと思ってレイトショウで観にいったんだけど、意外と混んでいて驚いた。

さて、映画だけど、観終わって感じるのは、製作サイドが物凄く工夫していること。何を工夫しているかといえば、原作を読んでしまっている人をどうやって楽しませるか、という点。これはデス・ノートにも共通するのだけれど、物凄い部数を売り上げている原作だから、この映画を観る人のかなりの部分は原作を読んでしまっているわけで、そういう人達をどうやって満足させるのかというのは大きな命題になる。

そして、それにチャレンジした本作、ネタばれしない範囲で工夫を挙げれば、まず主人公の田口を女性にしたというのが第一点。この工夫は成功でも失敗でもなく、まぁどちらでも良かったかな、と思うのだけれど、竹内結子の演技自体は及第点だったと思う。逆に言えば、こういう演技ができる男優はかなり限られると思うので、女性にしたのは正解だったのかも知れない。

続いて挙げられるのがロックのネタやソフトボールのネタ。このあたりは原作には全くなかった部分だが、決して成功しているとは思えない。「はて?何のためにこんなことを?」と思ってしまった。こういった部分を削除して、もっと田口や白鳥の人物描写に力を入れたら良かったのに、と思わないでもない。あるいはヒアリングの場面をもっと掘り下げるのでも良かったし、病院長や藤原看護師をもっと描いても良かったかもしれない。とにかくこれは全般的に言えるし、もちろん原作のようにきちんと人物描写するわけにもいかないのも承知の上なのだが、キャラの書き込みが足りなくて消化不良。原作もそれほど人物描写に力を入れているとは言えないのだけれど、映画では一層足りない。そのあたりの足りない部分を、例えば白鳥なら「阿部寛」というキャラの先入観で補ってくれ、行間を読んでくれ、と言うことなのかもしれないが、ちょっとそれは虫が良すぎる気もする。それに、白鳥のことを言えば、このキャラは阿部寛にかぶらない。スマートすぎるのだ。

手術シーンはまぁまぁ。先日の銀色のシーズンのスキーシーンでは「無理して下手くそにスキーをさせないで、ちゃんと一流スキーヤーのスタントを使ってくれよ」と思ったのだけれど、手術のシーンはそれなりに臨場感があった。ただ、大友看護師の間抜けっぷりはちょっとデフォルメしすぎ。

さて、一番の工夫。それは原作とは異なるストーリー展開である。これについては超ネタばれになるのでここに書くわけにはいかないが、製作の工夫は決して無駄にはなっていなかったと思う。逆に、原作を読んでいるからこそ楽しめる工夫があった。そのあたりは評価するべきだろう。

それ以外の部分だと、もっとコメディ色を前面に打ち出しても良かったんじゃないかと思う。もともと原作もかなり笑いの要素があるわけで、そのあたりを強調したらもっと面白くなったのに、と思う。

原作の良さを大きく損なわない程度に映画化に成功しており、まぁ及第点といったところか。評価は☆1つ半。

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