2008年02月14日

東京少年

0eadecde.JPG東京ではなぜか新宿だけでしかやっていない本作。ちょうど午後に恵比寿であった打ち合わせが早めに終わったので、観てきた。

本作、もともとの下敷きはBS-iで放送されたショートフィルムだったらしい。そっちは観ていないのでコメント不能。で、東京少女と姉妹作品でほぼ同時上映ということらしい。ドラマからのスピンアウト(というか延長?)ということで、低予算で作ってこっそり上映、というコンセプトなのかも知れない。

以下、絶対にネタばれを避けられない本作なので、ネタばれが嫌な人は絶対に読まないで。

さて、まずは映像。妙に古い感じの質感の映像で、ざらつき感を出したり、白黒とカラーを配合するような色使いは面白いといえば面白いけれど、じゃぁ新しいかといえば別に特段の新しさもない。それが特別な効果を出しているかと言われると正直微妙で、別に普通に表現しても一緒だったんじゃないかな、と思う。要はクリエーターサイドの工夫が思ったような効果を出さなかったということなんだと思うのだけれど、それは受け手である僕の感受性が鈍いからかも知れず、一概に「イマイチ」と言い切れるものでもない。「この映像が素晴らしい!」とべた褒めする人もいるかも知れず、まぁそれはそれで置いておくとして堀北真希が可愛いことは特筆すべきところだと思う。

全体の構成は視点を複数に分けて語らせるもので、これもそれほど新しくはない。また、同じ場面を複数の視点から描いて「なるほど」と思わせる手法もそれほど新しい感じはしない。ある意味非常に演劇的な手法で、演劇を沢山観ている僕には「あぁ、またやっているのね」と感じてしまう部分が多々あったのも事実なのだけれど、そこは演劇と映画の違い。演劇ではただの繰り返しになってしまうのだけれど、映画では全く別の映像になるので、面白いといえば面白いのかも知れない。ただ、何度も書くけど斬新なわけではなく、良くある手法の一つだと思う。具体的に例を挙げろ、と言われると、うーーーん、シックスセンス?エンジェルハートもこんな感じの手法を使っていた気がする。けど、最近歳を取ったせいか、あんまり良く覚えてないんだよね(笑)。ただ、過去の作品と比べてこの作品がちょっと特徴的だったのは、その繰り返しが短時間のフラッシュバックではなくて、長時間の巻き戻しだったこと。じゃぁそれがどういう効果を出したかと言うと、「なんか、編集作業による同じシーンの繰り返しで、制作費を安く上げているだけなんじゃない?」などと意地悪く思ってしまう(つまり、ネガティブな印象(笑))のだけれど、ポジティブに言えば何度も何度も繰り返し堀北真希を観ることができるとも言えるわけで、堀北真希を観たい人にはなかなかサービス精神旺盛だったのかもしれない。あ、映像の繰り返しだけじゃなくて、「神様はどうして人の心をこんなに弱く作ったんだろう」という繰り返しの台詞はまぁそれなりに効果的だったと思う。

ストーリーや設定的にもやや難がある。彼氏の二股の件はどこかへすっ飛んじゃったし(僕が途中で記憶を失ったのでなければ)、演技だけではどうしたって伝えきれないところもあって(例えばオムライスのシーンとか、欄干のリンゴのシーンとか、今まで10年間もずっとこの学校は放置されていたの?とか、ナイトが家に帰ってきたときに家族は気がつかなかったのかとか、バイト先でナイトはどうするの?とか、どうしてとつぜん実家を訪問するの?とか、どういう経緯でラストシーンになったの?とか)、色々端折りすぎ。「2時間だから仕方ない」とか、「堀北真希のスケジュールが確保できなかったから仕方がない」とか、「予算が・・・」とか、大人の事情が色々あるんでしょうけれど、あれだけ反復シーンを増やす余裕があるのならもうちょっとなんとか、と思うのだけれど、まぁ、それも堀北真希が可愛いから許しましょう。まぁ、みなととナイトがやり取りしている手紙が同じ封筒、同じ便箋、なんていう伏線らしからぬ伏線があったりもするので、「観る側で色々考えてくださいよ」と言うことなのかもしれない。

ラストのナイトの写真を含め、堀北真希は難しい役どころをきちんとこなしていて、なかなかの演技力。三丁目の夕日ではやや珍妙な青森弁(ちなみに僕のルーツは東能代でおじいちゃん、おばあちゃんは秋田、青森の難解な言葉をべらべらしゃべる人でした。それを聞いているので、異常に標準語化された三丁目の青森弁は、異常に日本人風にアレンジされた辛くないタイ料理やインドカレーを食べるような感じでした)で田舎娘を演じていた印象が強かったのだけれど、本作の演技は「手紙」の沢尻エリカに勝るとも劣らないもの。みなとの「可愛いバイトちゃん」と、複雑な状況に置かれてしまったナイトと、それらを「ヤヌスの鏡」のような下手糞なメイクなどを使わずにきちんと表現していたのが素晴らしい。え?石田卓也はどうだったかって?ごめんなさい、良く観てませんでした。普通に頑張っていたんじゃないでしょうか。わかんないけど。いや、これは僕が悪意を持っているわけじゃなくて、堀北真希以外の役者が非常に小道具化していて、存在感がないんです。皆無ではないのだけれど。だから、堀北真希が一人で芝居しているような、そんな映画なのです。

東京少年という割には夕陽ヶ丘から見える風景は全然東京っぽくなく、やや大きめな地方都市という感じ。あんなに高い丘は東京にはないんじゃないかなぁ。東京23区内で一番高いのは確か早稲田のあたりですよね?なんで「東京」なんだかわからないけれど、そこは突っ込みどころじゃないのかな(笑)?あ、あとラストの歌は映画にフィットしてました。っていうか、そもそもスタートの時点で「堀北を使って、ラストはLove song」って決めてから撮ったんじゃないかと思うくらい。そのあたりが「チーム・バチスタの栄光」とはずいぶん違います。浜田真理子さん。iTunesで何曲か買ってみようかな。

何しろ、ラスト近くの「鏡を挟んでのラブシーン」は、20年後に語る「若かりし頃の堀北真希」の代表的なシーンになると思う。

え?「お前は結局堀北真希しか観てないじゃないか」とおっしゃる?いや、おっしゃるとおりです。だって、この映画は堀北真希が最大の見所なんだから、それを観ないでどうするんですか?

映画だけで評価すると☆は1つですが、堀北真希が出ているので☆3つつけます。あ、このブログでは☆は3つが満点でしたね。

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