2008年04月15日

この相同性をどう評価するか

僕はブログやら、各種ネットサービスやらを利用して映画やらグルメやら演劇やら書籍やらのレビューを書き散らかしているわけですが、これまであんまりなかった事態(あるいは気がつかなかっただけかもしれませんが)が発生しました。

僕が書いた映画評とかなり相同性の高いレビューがミクシィの中でアップされたのです。

まず、僕の書いたもの。

ブラックサイト」から主に対象となる部分を抜粋
まぁ、このあたりはちょっと大目にみるにしても、一番の問題点は「閲覧数が増加するにしたがって死ぬのが早まる」という設定に対してあまりにも無策だというのがサスペンスをサスペンスっぽくなくしてしまっている。ただ単にアクセスが増加していくだけなので、事態はただ単に悪化していくだけ。最終的に「あーーあ、死んじゃったよ」ということになってしまうのだ。どうやったら助けられるんだろう、あぁ、そんなことしたら死んじゃうじゃんか、折角閲覧数が落ちていたのにまた上がっちゃった!などというハラハラドキドキがあれば面白いと思うのだけれど、残念ながらそういう要素が全くない。崖に向かって車を運転して、ただ単にアクセルを踏み続け、加速していくだけ。崖から落っこちた犠牲者達は可哀想だけれど、じゃぁどうしたら良いのかって、どうにもならない。

そういう、観客の無力感の中で主人公が拉致され、さぁ、どうするんだ、というところを制作サイドとしては見せたかったのかもしれないのだが、それはそれで、あんまり緊迫感がない。羊たちの沈黙などではラストの緊迫感が凄かったのだけれど、この映画ではそういったものに欠ける。というのは、やはり「映画を観ている側」が、「サイトを見ている側」と同化してしまっているからなんじゃないだろうか。「あらら、このままでは死んじゃうよ」と思いながら、のんびり観てしまう。そういった状態を作ってしまう演出がどうにも残念。


タイムスタンプは2008/4/14 16:28(ただし、この数字はライブドアの仕様で運営者(つまり、僕)が任意に変更可能です。今回はこの数字はいじってませんが。そして、さらに注意が必要なのは、このタイムスタンプはこの記事を最初に投稿した時間です。僕はいつもまず写真だけメール送信して、詳細な記事は後から書くことにしています。このタイムスタンプは映画を観終わってすぐに送ったもので、そのときは写真だけでした。レビュー記事が最終的にアップされたのは恐らく14日の18:30から19:30の間です)。このあたりについてはこのブログを読んでいる人たちが証人です。

また、ほぼ同じコンテンツをYahoo!ムービーにも掲載しています。

崖に向かってアクセルを踏むだけなのが・・

こちらのタイムスタンプは2008/04/14 19:01:04 になっています。こちらの数字は投稿者が任意に変更することができません。

さて、2008年04月15日 00:52(タイムスタンプはミクシィのもの)に、ミクシィ内「映画愛好会」コミュニティ「【ネタバレ有り】『ブラックサイト』[ 2008年4月12日公開 ]」というトピックにおいて、以下の投稿がありました(問題となる部分だけを抜粋)。

 但し突っ込みどころとしては、「閲覧数が増加するにしたがって死ぬのが早まる」という設定はいいのですが、3つ共にアクセスが急増して、あっけらかんと被害者が殺されてしまうのです。FBIは、モニターの目の前で殺人が行われているのに余りにも無策でした。そういう無力感を製作サイドは見せたかったのかもしれませんが、ただ単に悪化していくだけでは少しもの足りませんね。
 FBIの奮闘で、途中閲覧数が下がって、ひょっとして助かるかもと期待させてたり、それでも閲覧者の好奇心が強まって、また閲覧数が上がったり、そんな展開の変化があればよりハラハラドキドキ感が募って面白くなったはずです。


一読して記事の内容の相同性はもちろん、表現の相同性も高いと感じるのですが、実際にどういう状態なのか比べてみます。太字は全く同じ表現の部分(一部、漢字が変更されているところがありますが)、下線は同じ意味のことを僕が書いている部分です。

 但し突っ込みどころとしては、「閲覧数が増加するにしたがって死ぬのが早まる」という設定はいいのですが、3つ共にアクセスが急増して、あっけらかんと被害者が殺されてしまうのです。FBIは、モニターの目の前で殺人が行われているのに余りにも無策でした。そういう無力感製作サイド見せたかったのかもしれませんが、ただ単に悪化していくだけでは少しもの足りませんね。
 FBIの奮闘で、途中閲覧数が下がって、ひょっとして助かるかもと期待させてたり、それでも閲覧者の好奇心が強まって、また閲覧数が上がったり、そんな展開の変化があればよりハラハラドキドキ感が募って面白くなったはずです。


さて、この程度の相同性で、依拠性と類似性が主張できるのか、ということですね。もちろんそれ以前に僕のレビューが「創作」であるか、という部分もあるのですが。著作権法第二条第一項の記述によれば、

第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 著作物 思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。


となっていますから、「創作的でない」とか、「文芸でない」といった判断もあり得るわけです。しかしまぁ、通例からいえばこの部分はクリアされるかなぁと思わないでもありません。

となると、やはり依拠性と類似性ですね。

では、依拠性から検討してみます。依拠性は以下の三項目から評価されますが、

1. 被告による原告の著作物へのアクセス可能性
2. 被告の利用著作物と原告の著作物における表現の酷似性
3. 原告の著作物の著名性、周知性


今回の場合、僕は比較的露出が高いと思われる「Yahoo!ムービー」に当該文書を公開していますので、アクセス可能性は十分に高いと思われます。2.の部分は主観になるのでなかなか判断が難しいところではありますが、全く同じ表現が使われている部分を考えるとかなり酷似していると「僕は」思います。3.についても1.と同様、Yahoo!ムービーに掲載したことを考えれば満たしていると思います。

類似性については上に書いたような状態なので、誰もが判断可能な部分です。僕は類似していると思いますが、皆さんはどう思いますか?

ちなみに、僕の直前にYahoo!ムービーにアップされたナオさんという方の「好奇心には勝てない!」というレビューに、

下院議員の車に死体を載せるなんて簡単にできるの?
かなり警備が厳しそうな気がするけど・・・


という記述があるのですが、ミクシィ内の件のレビューには

 あとそういえば、被害者を下院議員の車に死体を載せるシーンがありましたが、警護もついているはずなので、そう簡単にできるものかと思いました。


という記述もありました。

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この記事へのコメント
これは酷いですね。「完全な盗作」に一票。
Posted by ミスト at 2008年04月15日 11:11