2008年06月27日

JUNO/ジュノ

子供が妊娠しちゃう、というテーマは三年B組金八先生の杉田かおる以来(いや、もっと前からか?)の使い古されたネタ。しかし、古今東西を問わず扱われるのだから、決して古いネタではないのだろう。一昔前なら主人公の行動は「えーーー」って感じなのかもしれないが、最近はこのくらいライトなのかもしれない。何しろ、中絶するのではない、それでいて自分で育てるのでもない、というあたりが今の米国的でもあり、近い将来は日本でも当たり前になるのかもしれない。

本作では、妊娠してから出産するまでの顛末を軽妙な音楽に載せてライトに描いている。ストーリー的な矛盾は特にないのだけれど、米国の若者向けの会話劇のため、日本人にはちょっとわかりにくいニュアンスがそこここにある感じ。これすらも「多分そうなんだろうな」程度のものなのだけれど、多分「ありねーって感じジャン?」「ほんと、痛い子って感じー」みたいなことを「英語で」喋っているんだろうと思う。もちろんそんなことはこっちは全然聞き取れないので、松浦美奈さんの字幕に頼るしかない。彼女の字幕は戸田奈津子氏に比べれば格段に良い仕事だと思うのだけれど、「やっぱ、ちょっとニュアンスが伝わらないなぁ」と思ってしまう。きちんと英文の脚本を手に入れて、順番に訳していったら面白いかもしれない。WIKIとかでこの映画のセリフを高校生あたりに翻訳させたらどうかと思う。英語の勉強にもなるし。

自前で翻訳している時間はもちろんないので、吹き替えの入っているDVDが出たらツタヤでレンタルしてこようと思うのだけれど、とにかくレビューである(笑)。

映画全体では、壺を汚してしまうシーンなどを筆頭に、細かい軽めの笑いがあちらこちらに配置されていて、最後まで肩肘張らずに見ることができる。そういう意味ではデート向きかもしれない。しかし、ちょっとマテ。

映画を見終わってすぐに思ったのは、登場する男性がどれもこれもあまり魅力的ではないということ。女性が見たら共感しまくるのかもしれないのだが、この手の出産ものの映画ではどうしたっておいてきぼりになる。その上、出てくる男性達がどれもこれも軟弱だったり、無関心だったり、で、あまり魅力がない。里親の夫とか、もちろんストーリー上の要求だろうけれど、大人になれないオタクで、おいおい、って感じ。あげく主人公と一緒に住もうとするあたりでは「そりゃないでしょ」という感じ。彼、最後はどこに消えちゃったんだろう(笑)。

ところで、彼が渡した漫画、日本で入手したとか言っていたけれど、あれはアメコミだったんじゃない?

と、かように女性が魅力的に、たくましく描かれているのと対照的に、男性がイマイチ格好良く描かれていないので、デートでみちゃうと彼氏の方はちょっと居心地の悪いような複雑な気分になるかもしれない。

女性は強い、女性はたくましい、というのは確かなのだけれど、それを再認識させるだけのところがちょっとどうかな、と思う。

子供ができちゃってから、その子供をどうするか決めるくだりを含め、主人公の行動はやや現実離れしている。それは例えばホラー映画の趣味とかでも表現しているし、あるいは子供を産むことをスクィーズ(squeeze)など言っていることなどでも表現していて、多分米国人が見ても「ちょっと飛んでる」という感じではあるんだろう(子供を産むことを普通squeezeなんて言わないですよね?)。そのあたりを許容できるかどうかも見る側によってかなり変わってくると思う。僕は全然平気だけど、日本人だと駄目な人も多いと思う。

ところで、ラスト近くで近所の女性が泣いていたんだけど、泣くような映画なのかは非常に疑問。というか、理解不能(笑)。

評価は☆2つ。

JUNO/ジュノ(エレン・ペイジ主演)

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