2008年07月25日

クローズド・ノート

クローズド・ノート スタンダード・エディション
引っ越してきた部屋に残されていた一冊の日記にまつわるラブストーリー。

で、書き尽くされてしまうような話(笑)。いや、特段悪くない映画だとは思うのだけれど、ストーリーが先読みできてしまいすぎる。びっくりするような展開はどこにもなく、脚本が映画らしくない。もっともっとドラマティックにできたと思うのだけれど。なんか、甘すぎるアイスクリームのような感じ。甘いのは良いけど、そこまで甘いとちょっとしつこいよね、みたいな。ベースになっているものが喪失と再生という良くも悪くも使い古された定番なので、それをどうやって見せるのか、という工夫が欲しかった。石飛と隆の関係なんか、映画にしたらすぐにバレバレなわけだから(^^; つまり、セカチュー同様、まともに本を読んだことがあるなら全くお話にならないような三文小説を原作としている以上、もっと映画らしい脚色が欲しかった。

沢尻編と竹内編が並行して進んでいくわけだけれど、どちらかというと竹内編がメインになっていて、これで主演沢尻エリカということなら、インタビューで「別に」といいたくなる気持ちもわかるような気がするのだけれど、まぁ「別に」はそういう理由ではないんでしょうね。どうでも良いか(笑)。

教育学部の学生と画家のラブストーリーなのか、小学校の教諭と小学生の交流を描いた学園物なのか、その立ち位置が不安定なのもこの映画の中途半端な印象を強めていると思う。

最後の紙飛行機のシーンとかはちょっと興ざめしてしまって残念。行動の理由とかも不明だし、もうちょっとなんとかならないものか。あのシーンを見て、それで終りってことだと、なんか監督の自己満足で終わってしまい、観客が置き去りにされてしまうような気がする。少なくとも僕は「えーー、こんな終わり方するの?それはちょっとないんじゃない?」って思った。監督の自己満足というところでは、夜中なのに夕方みたいに見せる照明の使い方とか、色調を変えてのイメージシーンの挿入とか、他にもいくつかあって、それが違和感を与えていると思う。つまり、工夫がアダになってしまっているということ。「ほら、このシーン、きれいでしょう?なんか、映像的に格好良いでしょう?」みたいな押し付け感と言ったら良いんだろうか。「確り」みたいなのも、映画の中で薀蓄を語られているような印象だし。もっと、色々なことを自然に表現したら良かったのに、という感じ。前半の引越しを手伝ってくれた友達のエピソードとかも意味不明。途中で完全に消えてしまって、「あれは何の意味があったの?」という感じ。原作に忠実だったのかもしれないけれど、原作が駄目なんだから、もっと手を加えれば良いのに、と思う。

そういう、監督、脚本という部分ではどうかなぁ、と思うところがあるのだけれど、演出とか、演技とかは結構良かったと思う。沢尻エリカ様は「手紙」でもそうだったけれど、こういう素朴な女性を演じさせると非常に味がある。実生活があの調子なので、そのギャップが楽しめるのがなんと言っても彼女の魅力。蒼井優さん、堀北真希さんと並んで良い若手女優だと思う。竹内結子さんも新米教師であり、恋愛に悩む若い女性でもある、という女性を上手に演じていた。伊勢谷友介さんも良い感じだったし、ハルカの駄目恋人役を好演した黄川田将也さんもなかなか。花組芝居の篠井英介さんって映画でもこうなんだね、って感じだし、永作博美さんは相変わらず可愛い女性を好演している。こちらの、役者の方は下手な役者が見当たらなかった。

街中の風景から察するに舞台は京都だったと思うのだけれど、バスが横浜市営バスだったのは謎。あの川沿いの小道って、哲学の道だよね?知恩院のそばとか、賀茂大橋とか、出町橋とか、見たことがあるような景色が色々あったと思うのだけれど・・・・。

ところで、終業式のあとにアクシデントがあったなら、あの日記帳は誰があそこにしまったのか、謎。大体、あんな内容の日記を窓から飛ばして、校庭に墜落して同僚に発見されたらすげぇ恥ずかしいぞ。大丈夫か、伊吹!あと、香恵はどうして心を強くのポーズがわかったんだろう(^^;?

ということで、評価は☆1つ半。

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