2008年09月19日

ブログでバイオ 第58回「57回へのコメント(笑)」

ブログでバイオ 第57回はこちら。
第57回ブログでバイオのオフ会に参加

以下、57回から引用して書いて行きます。

次回からは、若手の会のネットワークを使って宣伝に協力して差し上げたいと思います。


よろしくお願いします(^^

即刻研究をやめて転職活動をすぐにでもすべき


そうですね。僕も似たようなことを思います。ただ、一刀両断、というわけにもいかないと思っています。大事なのは、「自分は何ができるんだろう?」と考えることです。オフ会でも一部の人にちょっと話しましたが、「別に食べていこうと思えばアルバイトはいくらでもある。吉野家でも、マクドナルドでも、アルバイトを募集しているじゃないか」ということです。これは極論でもなんでもありません。今、居酒屋とかラーメン屋とかに行くと、中国や東南アジア系の人たちが沢山働いています。彼らがその仕事で就労ビザを取ることは結構難しいと思うので、彼らを雇っている人たちはそれなりに人材確保で苦労しているはずです。つまり、仕事はあるわけです。給料は安いでしょうが。

一人の人間がそこに存在して、「お金がありません」ということなら、「じゃぁ、あなたは何ができるんですか?」ということになります。ただ、ここで「最適化」という概念が出てきます。「バイオで博士までとっておいて、ファストフードでバイトですか?」ということですね。でも、「バイオの博士」であることを利用して何もできないなら、それは仕方がないです。研究機関でのアルバイトでも、ファストフードでのアルバイトでも、とにかく仕事を見つけることが重要なわけで、仕事があれば食べていくことはできるわけです。本当に何もなければハローワークに行けば良いわけですが、「そこまで苦しいのかなぁ」と、個人的に疑問です。だって、僕の会社にしても、僕の知り合いが社長をやっている会社にしても、慢性的に人材不足ですよ。能力がある人ならすぐにでも雇いたいし、いつでも門戸を開いています。

参考資料↓
新入社員募集

では、ちょっとここで仮想面接をしてみましょう。
-----------以下、フィクションです------------
面接者「あなたは当社に何を提供できますか?」
応募者「バイオで博士をとりました」
面接者「なるほど、博士という肩書きがあると、何ができるんですか?」
応募者「研究ができます」
面接者「なんの研究ですか?」
応募者「言われれば、何でもできます」
面接者「いや、こちらはバイオの最新知識がないのです。では、質問を変えましょう。なんの研究がやりたいですか?」
応募者「RNAの研究をしていましたから、その周辺、例えばRNAiの研究などをやってみたいです」
面接者「その研究をすると、どんな利益があるんですか?」
応募者「ネイチャーには載ると思います」
面接者「ネイチャーに載っても別にうちの会社の利益にはならないですよね?」
応募者「でも、それをベースに特許をとって、事業開発ができるかもしれません」
面接者「どんな特許をとって、どんな事業をするんですか?」
応募者「医薬品が作れると思います」
面接者「その可能性はどのくらいですか?」
応募者「実験してみないとわかりません」
面接者「ということは、それは賭けですね?」
応募者「そうです」
面接者「賭け金はどのくらいになりますか?」
応募者「賭け金?」
面接者「言葉を変えましょう。その研究にかかる費用はどのくらいですか?」
応募者「3年分ぐらいの研究費になります。私の人件費を加えると1億円ぐらいでしょうか」
面接者「そんなお金はないですねぇ。どこかからそのお金を調達できますか?」
応募者「できると思います」
面接者「じゃぁ、そのための説得資料を作ってもらえませんか?」
応募者「研究計画書ですか?」
面接者「いえいえ、基礎研究をして、特許をとって、事業化して、薬になって、その薬がいくらで売れるのか、みたいなものですね」
応募者「今の時点ではどんな薬ができるのかはわかりません」
面接者「じゃぁ、売れるかどうかもわからないし、そもそも市場規模もわからないですよね?」
応募者「市場規模はすごく大きいと思いますよ」
面接者「なぜそう思うのですか?」
応募者「いえ、根拠はありませんが、なんとなくです」
面接者「私達はビジネスの話をしていますから、「多分売れる」とか、そういう話はやめましょう。あなたが3年間基礎研究をやってみたいことはわかりました。では、他に何ができますか?」
応募者「他に、ですか?」
面接者「他に、です」
応募者「うーーーーん、思い浮かびません」
面接者「研究しかできない?」
応募者「はい」
面接者「残念ですが、それではうちの会社ではやることがありません。本当に何もできないのですか?」
応募者「すいません、考えたことがありません」
面接者「でも、あなたは食べていかなくちゃならないわけですよね?」
応募者「はい」
面接者「では、何かしらの方法で社会に貢献して、その対価としてお金を得ることを考えなくてはなりませんよね?」
応募者「はい」
面接者「その方法を考えなくてはならないんじゃないですか?」
応募者「でも、研究しかやってきてないんですよ」
面接者「でも、研究ではお金がもらえないんでしょう?」
応募者「もらっている人もいます」
面接者「でも、あなたはもらってないわけですよね?」
応募者「はい」
面接者「そして、そういう人は他にも沢山いるということですよね?」
応募者「はい」
面接者「ということは、「研究をやって食べていきたい」と思っている人に割り振るだけの仕事が日本にはないってことじゃないですか?」
応募者「そうかもしれません」
面接者「それは、「オレは野球で食べていきたい」と思っていても、誰もがプロ野球選手になれるわけではないというのと何も変わりませんよね?」
応募者「そうだと思います」
面接者「では、プロ野球選手を目指して頑張ってきた人が途中で挫折したときは、何をしますか?」
応募者「あんまり考えたことがないですが、色々仕事はあると思います」
面接者「その言葉をあなたにそのままお返しします」
応募者「確かに、仕事は色々あるかもしれません」
面接者「では、あなたは何ができるんですか?」
応募者「すいません、考えたことがありませんでした」
面接者「わかりました。では、それをよく考えてみて、その上でもう一度お越しください。うちの会社はいつでも門戸を開いています」
-----------以上、フィクションです------------

なんか、いつでもこんな問答が展開されそうなんですが、何にしても、「自分は何ができるのか」「どうやったらお金をもらうことができるのか」を真剣に考えてみる必要があるわけです。「私はこういう能力を持っている。それを利用して××というサービスを開発すれば、需要がある。実際、△△などがそのサービスの販売先として想定できるし、将来的には○○ぐらいの売上が期待できる。ただ、そのためには■■といった支援と▲▲円の資本が必要だ」ぐらいのプランをまとめられて、それがうまく行きそうだな、と感じる人がいれば、それをビジネス化する手法はいくらでもあります。繰り返しますが、「何ができるのか」をきちんと整理する必要があります。あと、それが整理できたからといって、必ずお金を生むとは限りません。例えば「私は研究ができます」といったからといって、それはお金を生まないわけですし。実際は、「誰にも真似が出来ないような素晴らしい研究が出来ます」ということであれば話は全然違うわけですが、博士を取っている人なら普通できてしまうような研究であれば、それはお金を生まないことがここ数年で判明したわけです。

ということで話を一番最初に戻しますが、転職活動をするのは大事だと僕も思います。加えて、その際には、「何ができるのか」をきちんと整理することが大事だと思います。その上で、その「できること」がお金を生み出すのかどうかを考えれば良いわけです。

現在の有力な産業にフィットさせて、将来の転職の為のスキルアップとしてポスドクを利用すると良いでしょう。


好き勝手に自分のやりたいことをやるんじゃなくて、社会からのニーズがあることをやれ、ということですね。同意。自分のニーズと社会のニーズの接点をきちんと見極めれば良いだけの話です。

ちょっと話が変わるかもしれませんが、大企業とか、公務員とか、こういった組織は非常に社会主義的な組織であって、要は「構成員はパーツとなって働きなさい。あなた達は会社が要求する労働を提供すれば良いんです」というマインドです。そこにはほとんど「社員の希望」というのが入る余地がありません。たまたま組織の方針に人間の方針が合致した場合はそれはそれでラッキーですが、こういうことって実際はあんまりないと思います。で、そういった犠牲、自分の希望を犠牲にするのと引き換えに、安定した立場と安定した給料を得るわけですね。まぁ、中には非常に優良な会社があって、社員の希望をかなりのところまで飲んでくれるところもあるんでしょうが、おおよそ世の中にある会社で「大企業」と思われているところは、社員の希望なんていうのとは全く別のところで意思決定が為されています。だから、「研究者」みたいな、自分の希望を強く押し出したい種類の人種にとっては、「大企業」とか「公務員」なんていうのは、本来一番最初のところで候補から外すべき就職先だと思います。私見ですが。

製薬にいけなかったから博士にいっちゃえ、はやめましょう。


全くその通りだと思います。

受験勉強を頑張って、大学院はパソコンか化学を専門にするところに進学するのが良いでしょう。


うーーーーん、これはどうかな。僕は高校、大学教養課程では物理が大好きで、将来は理論物理をやりたいと思っていました。でも、ちょっとしたきっかけで聞いた分子生物学の授業が物凄く面白かったので、さっさと宗旨替えして生物の分野に進んでしまいました。別にそのことは今でも後悔していません。大学とか、大学院は、就職のことを考えるよりも、自分が勉強したいことをやるべきだと思います。大学は就職のための予備校ではないし、就職した後に役に立つようなことを教えてくれることも滅多にないと「僕は」思っています。

#ただし、僕の授業は別(笑)
##僕の授業についてはここにちょこっと書いてあります
###余談ですが、今年のこの授業は受講希望者少数により中止になりました(爆)。年末年始、暇になりましたので、誰か授業をやって欲しい人がいれば呼んでください(笑)。

ということで、僕は「修士課程までは」という限定付きで、自分の知的好奇心を満たせるような大学・学科に進学すれば良いと思います。

そんな道、日本には無いんじゃないの、が僕の私見。


今の社会制度の中では「無い」とは思わないけれど、「プロ野球選手、Jリーグ選手になるくらいに難しい」とは僕も思います。

ポスドクのための監査法人を作りたいと考えています。監査法人の業務は伝票チェックするだけの地味な仕事ですが、独占業務なので、食いっぱぐれることはない。


うーーーん、これもどうなんですかね?弁護士と一緒で、そのうち公認会計士だからって食べていけるわけではない、という状況になると思います。将来的に「食いっぱぐれることはない」という状態が続くとは思えません。ただ、以前僕が役人をやっていたとき、東京駅の八重洲ブックセンターの向かいにある素晴らしく立派なビルの中にある監査法人に行ったところ、「修士」という肩書きを名刺に書いた公認会計士の人が出てきました。後にも先にも、名刺に「修士」という文字を書いていた人はこの人しか知らないんですが、まぁ、そういう世界なので、活躍できる可能性は少なからずあると思います。何しろ、「ダブルメジャー」というのはそれなりにバリューがあると思います。ただ、「公認会計士」「博士」という肩書きだけじゃだめで、その肩書きが要求するだけのスキルを実際に持っていなくては意味がないのですが。

#当時は「修士」という肩書きだけでもバリューがあったわけですが(^^;

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ブログでバイオ 第58回「57回へのコメント(笑)」がアップされ た.
【閑話休題】ブログでバイオ 第58回「57回へのコメント(笑)」がアップされた【Science and Communication】at 2008年09月19日 23:56
 まずは「休める」と答えた会社員、魔神ぶうさん(36)から。3児の父だ職場には「家庭円満でこそ仕事がはかどる」という雰囲気がある。このため、育児・介護休業法で決められた年に5日間の「子の看護休暇」は取りやすいという。  休みにくい職場なら、どうしたらいいの
[WorInLife][Scrap] 毎日新聞「子どもが病気、、、お父さん、休めますか?」(by 大迫麻記子)【tany@Hatena】at 2008年10月19日 20:40
この記事へのコメント
若手のネットワークですが、生化学若手の会や、生物物理若手、物性物理若手、生理学若手、などと交流があります。院生もポスドクもかなり集まりますよ。先日の上野動物園の懇親会では、40人くらいの学生やポスドクが参加しました。


> 大学とか、大学院は、就職のことを考えるよりも、自分が勉強したいことをやるべきだと思います。大学は就職のための予備校ではないし、就職した後に役に立つようなことを教えてくれることも滅多にないと「僕は」思っています。

「僕の私見」ですけど、大学はともかく、大学院の研究分野は、少なくともリクナビや毎日ナビの「大学院の研究分野選択チェック項目」で「その他」にならない分野が良いと思います。日経ナビにいたっては、なんと「バイオ」が無いので、僕は化学系ってことにしてますよ。実験で化学は多少使ってますからpHメーターとかですが。

それがどれだけ就職活動に不利になるかは企業次第だとは思いますが。。。
Posted by コンタミ at 2008年09月19日 19:24