ノーベル賞科学者が最も活躍するのは予算獲得の際である。「ノーベル賞をとった○○さんがこの予算が必要といっています」などと錦の御旗にするわけだ。生物系の人がノーベル賞をとると、文科省のライフ課と経産省のバイオ課でその取り合いをはじめる。ま、別にそれはそれで良いんだけど、ノーベル賞を取ると、とたんにその人の発言力が増す。別に受賞者は悪くもなんともないんだけれど、テレビとかでも馬鹿な司会者とかが「ノーベル賞受賞者の発言ですから重みがありますよね」とか言ってる。その人はきっと何年も同じことを言っているはずだし、ノーベル賞をとるに至った研究はもう何十年も前にやったこと。だから、ノーベル賞を取ったから発言に重みが出たんじゃない。周りの見方が変わっただけ。しかも、その評価は日本人とは全く関係のないところで決められている。
他国の人が決めたノーベル賞によって個人の発言の重みががらっと変わってしまうことに、全然疑問を持たないんだろうか。ノーベル賞って、別に看板じゃないと思うのだけれど。