2008年10月17日

食べログの現状と対策 対策編

食べログの現状と対策 現状編」に書いたように、食べログはもう駄目だ、というのが僕の判断。なので、いつまでも食べログを使っている理由はない。1000件以上のレビューをエントリーしている僕も、徐々にレビューを改変するとともに、食べログに直接電話をして交渉を始めた。まずはその電話交渉の概要をオープンにしておく。

#なお、人名についてはイニシャルにしておく。

日時 10/8 時間不明
対応者:F氏(女性)
担当者が不在とのことで、折り返し電話をもらうことに。名前、電話番号を伝えて通話終了。


日時 10/8 16:46から約20分間
手段:電話
対応者:食べログ Y氏(男性)
注釈:食べログサイドには議事抄録をメモしていること、及びその内容をウェブサイト上で公開する可能性があることを伝達済み
以下、抄録:
Y「メールをいただいたと聞いたが、メールが見当たらない」
元木「メールも送ったが、食べログ内のコミュニティに書き込んであるので、こちらの主張は理解しているはずだ」
Y「掲示板では食べログの見解を書いたはずだが」
元木「その見解では法的な部分に全く触れられていない」
Y「掲示板に書いたものが現状のすべてである」
元木「記事の無断改変に関する食べログの法的な見解を教えて欲しいのだが」
Y「法的な見解は会社としては述べられない」
元木「法律に準拠しているかどうか、なぜ返事ができないのか。食べログには法律がわかる人間がいないのか」
Y「法務の人間はいるが、社内的に、法律に関することについては電話では答えないことにしている」
元木「では、いますぐ後楽園の会社に伺う。弁護士を連れて今すぐ行くので、対応お願いする。うちの会社から後楽園はすぐだ」
Y「いや、私達も、削除に全く応じないわけではない。ケースバイケースで対応することもある」
元木「僕は今、削除について聞いているのではない。改変したものを元に戻すという部分についての見解を聞いている」
Y「実質的に削除に等しい改変があった場合は削除と同様に対応している」
元木「『削除』と『削除に等しい改変』は全く異なる。実際、僕は自分の著作権が残ると判断できる分量の文章、情報を残した形になるよう意識的に改変している。削除されれば著作権も残らないが、削除していないのだから著作権は残っている」
Y「現在のルールでは、大幅な改変は認められない」
元木「そんなルールはいったいどこに書いてあるのか。利用規約のどこに改変は認めないと書いてあるのか教えて欲しい」
Y「・・・・・・」
元木「こちらは、著作権が残存する形で対応しているし、写真も削除していない。レビューを読みたい人のために記事へのリンクも残している。データを引き上げるという行動にあたって、非常に譲歩している。もし、これで納得いかないというのであれば、レビューそのものを削除して欲しい。こちらはそれでも全く困らない」
Y「では、今日、明日、社内で議論して、対応を決めさせていただきたい」
元木「では、その結論が出るまでは記事の無断復元はしないということか?」
Y「それまでは、元に戻すことはしない」
元木「了解した。では、回答を待つことにする。回答は電話でお願いする」


10/9 17:40から約20分間
手段:電話
対応者:食べログ Y氏(男性)
以下、抄録:
Y「昨日の件だが、4つのレビューについては削除する方向で対応する」
元木「了解した」
Y「また、今後についてだが、ポイント付与対象となっているレビューについては、削除できない」
元木「削除しないのは別に構わないが、元に戻すことは認めない」
Y「しかし、削除に等しい改変があれば、元に戻さざるを得ない」
元木「いったいどこに『ポイントを貰ったら1年間は改変できない』とか、『削除できない』とか、書いてあるのか。利用規約をどんなに見ても書いてない」
Y「利用規約には削除について記載がある」
元木「これは食べログが削除する際のスタンスを書いてある。僕もCGMを運営している人間だからわかるが、殺人予告などがあればプロバイダーとして削除しなければならない。今問題にしているのは、利用者側からの削除についてだ。法的な根拠を教えて欲しい」
Y「会社としては、法律に関することはお答えできない」
元木「それはおかしい。日本は法治国家だ。利用に関するルールは利用規約以前に法律に準拠しているか検討する必要がある」
Y「法律に関することは弊社としては電話ではお答えできない」
元木「じゃぁ、今から後楽園行く。顔つき合わせてじっくり話し合おう。弁護士も連れて行く」
Y「いや、来ていただいても対応はできかねる」
元木「でも、食べログは僕に喧嘩を売っているように思える。僕も、負けない喧嘩ならぜひやりたい。勝つか負けるかわからない喧嘩は怖いけれど、勝つとわかっている喧嘩なら全然怖くない。利用規約に『削除しては駄目』とか、『削除に等しい改変は認めない』とか、『ポイント付与対象のレビューは一年間削除できません』とか、明記されているなら話は別だ。しかし、現在はどこにもそんなこと書いてない。あなた達の対応には何の根拠もない。みっちり詰めてみよう」
Y「しかし、そういった対応はしていないので」
元木「すぐに裁判をやってくれということか?僕はそれでも全然構わない。ことがここにいたった経緯を全部オープンにして、希望するレビュアーには一緒に行動してもらうよう呼びかけても良い。食べログを辞めたがっているレビュアーは他にもいるかも知れない。そういう形で喧嘩をしてくれ、ということか?」
Y「今こうして対応しているのは、公表を目的とした人に対しての対応ではないから、対応している個人の名前をオープンにすることはご遠慮願いたい」
元木「なぜオープンにしちゃいけないのか?対応者が誰で、対応した内容がどうで、ということをなぜオープンにしてはいけないのか。僕は別に『公表』を目的にしているわけではない。あくまでも交渉である。ただ、これを公表してはいけない理由がわからない。法的な根拠は何か?」
Y「では、どういう対応が望ましいのか」
元木「一番良いのは、僕が修正した記事のまま食べログ上にレビューが残ることだ。そして、それが食べログサイドとして不都合があるというのであれば、削除することは認める。ただし、勝手に元の状態に戻すことは絶対に認めない」
Y「わかった。では、ポイント付与対象のレビューについて削除対応できるかどうか、上のものと話し合った上で回答させてもらう」
元木「そもそも、どのレビューがポイント対象だったのかとか、もうわからない。ポイント返せっていうなら返すが、どこで何ポイント貰ったとか、もう全然わからない。あなた達の利用規約に不備があったのに、どうしてこちらがとばっちりを受けなくちゃならないのか」
Y「しかし、会社の方針として、ポイントが付与されたレビューについては保持するようにしないと、レビューを書いて、すぐ消すということを繰り返す可能性がある」
元木「だから、今後はそういう規約にすれば良いんじゃないのか?今まではそういう規約じゃなかった。規約に瑕疵があったのはあなた達の責任である。後だしじゃんけんで言われても困る」
Y「しかし、私は会社の方針をお伝えするだけなので」
元木「無断の改変、修正、回復は絶対に認めない」
Y「そういう意見があったということは参考にさせていただく」
元木「『参考にする』じゃ困る。今、もうここに具体的に案件がある。あなた達は僕に場を提供していただけだ。そこで僕がレビューを書いた。レビューの著作者は僕である。あなた達は著作者ではない。僕の著作物を勝手に変更する権利があなた達にあるのか、あるというならその法解釈を明示するべきだ」
Y「では、上のものと相談して、明日以降回答させていただく」
元木「了解した」


このやり取りのあと一週間も放置されたため、こちらから催促のメールを出してみたところ、すぐに返事が来た。

魔人ブウ* 様

お問合せいただきありがとうございます。
食べログ.com Yと申します。
この度はご返信が遅くなってしまい誠に申し訳ございません。

お問合せいただいております口コミの件に関しまして、
大変恐縮でございますが、魔人ブウ*様のご意見を参考とさせていただき、
弊社内で検討致しました。
その結果、先日ご指摘させていただきました4件の口コミを含めまして、
今後、魔人ブウ*様が投稿・更新された口コミが当サイトの規約上不適切と
判断した場合は、大変申し訳ございませんが削除させていただきます。
何卒ご了承下さい。

今後とも食べログ.comをよろしくお願い申し上げます。


だそうで。続いて「規約上不適切なことは何なのか?」という質問をしたところ、回答は下記のとおり。

魔人ブウ* 様

お問合せいただきありがとうございます。
食べログ.com Yと申します。

ガイドラインにも記載させていただいておりますが、
口コミを書き込む際は、必ず「他の人が読んで、参考になること」を心がけ、
お店に関する感想を具体的に記述していただきますようお願いしております。

■ レストラン口コミガイド(注意事項)
http://r.tabelog.com/help/r_reviewguide/

大変恐縮でございますが、具体的な内容に乏しいと判断した場合や、
他のウェブサイトへの誘導目的で投稿・更新されていると判断した
場合は、やむを得ず削除させていただきます。
何卒ご理解いただきますようお願い申し上げます。


具体的な内容に乏しい、あたりがまた定性的、主観的な記述なので、もうちょっと詰めてみても良いのだけれど、レビューの削除という当初の目的を果たしていることもあり、この辺で引き下がることにした。結局、上記のような手段を講ずることによって、無事任意のレビューを削除することに成功したことになる。これが脱出方法のひとつの指針になるだろう。

ということで、やや長くなったのだが、食べログとの交渉の中身は大体こんなものである。

さて、ここからはまとめに入る。これまでに書いたように、現在の食べログは非常に重大な欠陥があり、結果としてレビュアーの著作者としての権利が侵害される可能性が高い。食べログでレビューを書くにあたっては、利用規約を読んでも記載されていない(2008年10月18日現在)次のことに注意する必要がある。

1.レビューを削除するにはかなりの努力が必要である
2.レビューを書き換えるにはかなりの努力が必要である
3.食べログはレビューを自分で自由にできる自分の財産だと考えている可能性がある
4.食べログは著作権法に関する知識が十分ではない可能性がある

自分の書くレビューに関しての権利を全て食べログにプレゼントするつもりなら、もちろん食べログでレビューを書くのに何の問題もない。ただし、自分のレビューに対して何らかの財産的価値を見出す人は、食べログで記事を書くにあたっては相応の覚悟が必要である。

続いて問題になるのが、「すでに書いてしまったけれど辞めたい人」である。こちらについては何らかの方法によって食べログと戦う必要がある。もちろん、記事を削除できないとか、改変できないとかいったことは利用規約にはどこにも書いてないので、戦い方は色々ある。

まず一番簡単なのは身近な消費者センターに電話をして相談することである。被害者が相当数になれば、消費者センターの担当者が食べログ担当者を呼び出して指導することになる。その際、消費者センターは我々の味方だから、食べログが無視できないような方法を講じてくれる。たとえばそれは検討会に経産省の担当者を呼ぶとか、弁護士を含めるとか、そういった手段である。個人でのこの手の戦闘はそれなりに面倒だし体力を必要とするが、消費者センターはそういったことを専門にやるところだから問題ない。

「いや、そこまで事を荒立てなくても、穏便に交渉できないか」というレビュアーもあるだろう。その場合はまず直接食べログに電話をするのが得策だ。食べログを運営しているカカクコムは食べログ上でなぜか会社への連絡に関する情報を公開していないが、公開企業だから、もちろんそんな情報はすぐに調べがつく。

〒112-0004 東京都文京区後楽1−4−14
03−5805−7511

ここに電話して、自分の所属や氏名、電話した目的(レビューの書き方について、など)を言えば、担当者であるF氏、あるいはY氏に引き継いでくれるはずだ。あとは記事の改変、削除について交渉すればよい。

その際、交渉のポイントは、「記事をどうしたいか」にある。削除ということになると若干の不透明性があるので、記事は内容を貧弱なものに改変することにすれば良い。そして、その「貧弱な内容」というのにもポイントがある。それは、著作権が残る形にすることだ。レビューそのものに著作権がなくなってしまえば、自分の著作者としての権利を主張できなくなる。つまり、記事を全部削除してしまったり、あるいは見出しだけにしてしまうのは得策ではない。逆に、著作権が残っている状態であれば食べログは勝手に手出しをできなくなるので、その状態で「勝手に書き換えることは許さない」と迫れば良い。その際、あちらにも「そのかわり、削除ならしても良いですよ」と逃げ道を用意してやることが、細かいことだが重要だと思う。逃げ道を作らずに一方的に追い込むと、不必要なコンフリクトを発生させかねない。どんなに正当であっても、勝ちすぎは良くない。逃げ道を用意することによって、食べログが食べログの判断で削除するというのだから、「不本意ですけど、仕方ないですね」というストーリーになる。

さて、さらに続きがあるのだが、それは「避難するのは良いけど、じゃぁどこで情報発信したら良いの?」ということだ。実は僕も今、ウェブ2.5ぐらいに位置するような、新しい仕組みを考えている。コンセプトはすでに出来上がっているので、賛同する人(出資者、技術者)を集めて実行に移せば良いだけ、という状態まで来ている。そこに参加してもらうというのもひとつの手だが、この手の話は「もうすぐ」から「スタート」まで、どのくらいの時間がかかるかが良くわからない。また、いつの間にか話がなしになってしまう可能性だって決して小さくはない。下手に期待させておいて、ぽしゃってしまっては申し訳ないので、この話は「あぁ、そんなこともあったっけ」ぐらいに考えてもらっておくのが良い。ということで、どこか他のところに食べログ難民を移送しなくてはならないのだが、既存システムをそのまま使ってしまうのが一番簡単だ。その際、食べログよりももっと環境の悪いところに引っ越してしまうのは筋が悪すぎる。なので、ちょっと著作権周りを調べて比較してみる必要があるのだが、たとえばブログ、SNSサービスだと、著作権周りはこんな感じになっている。

http://informatics.cocolog-nifty.com/blog/data/blog_service.html

これを判断基準として、ミクシィの中に類似のコミュを立ち上げるのでも良いし、ココログを利用して、それをはてなブックマークで連結するという手もある。レビューの数がまだ少ないのであれば、これらのサービスに避難しておくのがひとつの手段だろう。

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この記事へのコメント
自社のサービスで掲げるガイドラインを意識した公式個人ブログを書けないカカクコム社長の傘下では所詮この程度だと思います。がんばってください。
Posted by 串ちゃん at 2009年04月02日 18:43
なんか、随分昔のエントリーですが(笑)

> 自社のサービスで掲げるガイドラインを意識した公式個人ブログを書けないカカクコム社長の傘下では所詮この程度だと思います。がんばってください。

社長の資質がどの程度なのかはわかりませんが、株式公開まで持っていた人ですから、少なくとも僕よりもビジネス面では上手ですね(株式公開はもちろん手段であって、それで何をやるかが問題です。その意味ではカカクコムもまだゴールには到達していないわけで、勝負はまだまだ先ですが)。なので、社長のことをとやかく言う気はないのですが、僕は僕の理念がある(http://blog.livedoor.jp/buu2/archives/50795804.html)ので、それに沿って頑張っていきます。新しいスタイルのレビューサイトも徐々に形をまとめつつあるのですが、まずは料理ではなく、他の分野から入っていくことになると思います。もちろん料理分野も視野に入れているので、皆さんの期待にこたえられるよう頑張ります。
Posted by buu* at 2009年04月02日 22:14
食べログになんど、良い評価を含め一括削除を依頼しても「電話帳に載せてある店舗は」強制的に掲載しますととりあってくれません。
先日、食べログうったえられましたが、やっと勇気ある人がでたと思って喜んでおります。
わたしもアマゾンなどを使いレビューもみますので複雑な気持ちですが、地方の小さい自宅兼店舗などの当店などは玄関など写真を無断で掲載されるのは抵抗があります。
コメントも定休日なのに食べにきたみたいですし。
法的なことはよくわかりませんが、飲食店は殆ど個人商店ですので、こういった口コミに関わりたくない店は一杯いると思います。
また、ご意見お願いします。
すごく勉強になるサイトでした。
Posted by 地方の店舗経営者です。 at 2010年09月23日 22:06
> 先日、食べログうったえられましたが、やっと勇気ある人がでたと思って喜んでおります。

うーーーん、法律的にはどうなんでしょうねぇ。ちょっと考えると、普通のデータについては疑問が残ります。

> 地方の小さい自宅兼店舗などの当店などは玄関など写真を無断で掲載されるのは抵抗があります。

玄関とかはまずいでしょうね。

> 法的なことはよくわかりませんが、飲食店は殆ど個人商店ですので、こういった口コミに関わりたくない店は一杯いると思います。

口コミは今まで水面下だったものがネットによって表面化しただけのことなので、それを制御するのはかなり難しいと思います。

食べログの裁判は僕もちょっと注目しています。
Posted by buu* at 2010年09月24日 00:04