2008年10月20日

電車内でのケータイ通話がイライラする7つの理由

一つ前のエントリーで「韓国では電車内での携帯なんて普通だぜ」という新聞記事を取り上げたんだけれど、これを読んでいて「はて?なぜ電車の中の電話はイライラするのかな?」と思った。結構みんなイライラすると思う。

比較対象を色々と考えて、なぜイライラするのかを考察してみよう。電車の中で想定される事案として5つぐらいをリストアップしてみた。

1.大声でおしゃべりする二人のおばちゃん
2.一人でくだをまいている酔っ払いのオヤジ
3.「次は関内ぃ〜、関内ぃ〜」などと一人で車掌さんゴッコをしているあんちゃん
4.席に座ってお化粧をしているおねえちゃん
5.機嫌が悪くてずっと泣いている赤ん坊

さて、比較対象はこんなところでどうだろう。それぞれ、イライラするかどうかを考えてみる。

まず1である。こういうおばちゃんはあんまりいないのだけれど、でも時々見かけますか?でも、僕はあんまりイライラしません。大声で喋ってくれていても、その内容もすっかりスルー。電車を降りてしまえば、何の話だったのかも覚えていません。これは心理学の領域の話なのかもしれませんが、この大声でのやり取りというのは、いわば剛速球でのキャッチボール。ものすごいスピードだけど、どこに向けて投げているのかがはっきりしているし、自己完結している。間違ってこちらにボールが飛んでこないこともわかっているので、それが了解された時点で完全に意識の外に追いやることができるということかも知れない。

次に2である。これもそれほど気にならないのだけれど、「間違ってもここで吐いてくれるなよ」とは思う。それで、このおじさんのキャッチボールの相手はどこにもいないわけで、あえて言えば上にボールを投げ上げて、それを自分でキャッチしているような感じ。外から見ていると、「どのくらい上まで届くのかなー」などとちょっとした興味はあるものの、そのボールがこっちに飛んでこない限りは別に迷惑じゃないし、ボールをとろうとしてふらふらしてぶつかってこらられたら迷惑だけど、そういうことさえなければ、ま、いっか、みたいな。

そして3。これも一人遊び系のキャッチボールで、壁に向かってボールを投げているような感じ。何かの役に立つかというとそんなことはないので、ま、どうぞご自由に、という感じだろうか。これの特徴は情報の受け手が最初から存在しないこと。そしてもうひとつは声があまり大きくないこと。キャッチボールで言えばへなちょこな球を投げている状態なので、大して気にならない。

4はもう声を出していないので、一見比較の対象にはなりにくい。別に誰に迷惑をかけるわけでもない。ただ、どちらかというと「使用前」と「使用後」を見る楽しみがあって、僕などは近くで女性が化粧をはじめたりすると、その場で写真を撮って、化粧が終了したところと比較検討したくなったりするタイプである。キャッチボールにたとえるとすれば、って、たとえられないジャン。これは突然サッカーのリフティングを始めちゃったようなもので、「いや、やるのは構わないけど、ここは野球場のマウンドだから、別のところでやったら?いや、でも上手だね」みたいな感じで見入っちゃうような。

5はもう剛速球だし、行き先はわかんないしで、かなり迷惑。だけど、「いや、赤ちゃんじゃ、仕方ないじゃん」みたいな合意がある。

さて、これらと比較することによって車内電話でイライラする理由を検討してみる。

まず、1からわかるのは、電話の場合、相手(キャッチボールの相手)が見えていない。そして、球のスピードもそこそこ速い。だから、「え?俺に投げてるの?ちょ、ちょっと、ちょっと。え?あれ?違う?紛らわしいなぁ」みたいなのがあるに違いない。問題は球のスピードが速いことと、相手が自分であると勘違いしてしまうこと。2でわかるのは、喋っている内容が面白いかどうか。その内容が面白ければ、きっとみんな許してくれるに違いない。「昨日さー、福山雅治と合コンしたんだけどさ、それが笑っちゃうのよ。福山ったらさぁー」みたいな話なら当然大歓迎。みんな耳がダンボである(死語)。で、そうならないのは大抵の場合、話の内容がつまらないから。折角プライベートを大声で話してくれるんなら「昨日さー、タカシと合コンしたんだけどさ、それが笑っちゃうのよ。タカシったらさぁー」とか、そういうつまんない話だから「うるせぇよ、タカシってどこのどいつだよ」と腹が立つ。3からわかることは、その球の行き先が自分以外の特定の誰かであって、「俺じゃない」ってところがイライラの原因かも、ということ。球を投げるなら俺に投げろ、ということか。そして4。やっぱ、電話をするという行為は全然つまらない。何の興味もひかない。周囲の人間に対して何の余興も提供しないわけだ。これはやはり大きなマイナスポイント。電話をかけるためには服を脱がなくちゃならない(ただし女性のみ)とかだったら話はまた違ってくるのかも知れない。いや、間違いなく違ってくるだろう。そして5である。「仕方ないじゃん」という国民的合意が形成されていないということ。当たり前だけれど、これって結構大きそう。

ということで、車内携帯電話が凄くイライラする原因をまとめると、

1.声が大きい
2.話の受け手が目に見えない
3.相手がいることが前提の会話内容なので、自分に話しかけているのかと気になる
4.内容が面白くないことがほとんど
5.自分じゃない誰かと話している
6.電話をしている姿が見ていて面白くない
7.電車内で電話はけしからんという国民的合意がある

という感じでしょうか。何しろ、日常的にヘッドフォンして音楽を聴いているような人だったら、全然気にならないでしょうからね、電車内電話。

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この記事へのコメント
> 1.大声でおしゃべりする二人のおばちゃん

むしろひそひそ声になったらイライラしませんか。

イライラする人にとっては、

> 1.声が大きい

は、「1.声が半端に小さい(急に大きくなったりする)」に。

Posted by ami at 2008年10月22日 08:57
> > 1.大声でおしゃべりする二人のおばちゃん
>
> むしろひそひそ声になったらイライラしませんか。

ありゃ、そうですか?

> > 1.声が大きい
>
> は、「1.声が半端に小さい(急に大きくなったりする)」に。

なるほど、聞こえそうで聞こえない、あるいは突然ボリュームが変化するというのもイライラする、ということですか。僕は全然気にならないので、参考になりました。ちょっとご意見参考にさせていただき、あとで修正してみます(^^
Posted by buu* at 2008年10月22日 09:20