2008年12月16日

いまさらQPを話題にする日経トレンディネットのなぞ

6dc12be1.gifマクドナルドがこの間出したクォーターパウンダー(通称QP(キューピー))が非常にまずい一品で、カロリーを大量に取得する以外になんのメリットもない食品であることはすでにレポート済み。

マクドに騙される馬鹿 クォーターパウンダー報告編

この記事を書いたら、「元木さんはそうやって騙されるのが嬉しいんでしょう?わかりきってるじゃないですか、マクドがまずいことなんて」とか言われて「そうなのかー」と思ったりしたのもかれこれ数週間前。で、クォーターパウンダーなんてもうネタ的にも完全に消費されきっちゃって、賞味期限が切れちゃっている(左図参照)。それなのに、なぜか思い出したように日経トレンディネットでこのネタが掲載されているから驚く。

マクドナルドが「クォーターパウンダー」を日本で発売した本当の理由

しかも、実物とはかけ離れた画像処理済みの写真入りである。技術立国日本というエントリーでも触れたが、この手の「容易に検証可能な事象について鍍金を施す」というのは日本人が大好きなところでもあるのでまぁ頑張ってくださいね、という感じなのだけれど、それはそれ、閑話休題。

で、トレンディでもなんでもないこの記事がどうして掲載されたのかというのが不思議なのだが、一番簡単に思いつくのは、このQPのプロモーションを担当した電通だか博報堂だか知らないけれど、そういった広告代理店が、「ばーーーんとやっちゃったのは良いし、それなりにインパクトもあったけれど、いかんせん、まずい。まずいから、誰もリピートしてくれない。おかげであっという間に売り上げが落ちちゃった。これは困る。よし、また別の方法でQPをアピールしよう。そうだ、日経トレンディさん、不景気で広告がなくて困っているでしょう。じゃぁ、こっちの広告枠、買いますよ。だから、こちらのページで、誰かライターを用意して、ちょうちん記事を書いちゃってくださいよ。もちろん素材も提供しますから。ここはひとつ、よろしくお願いします」なんてことを考えたのかなぁなどと勘ぐらないでもない。

いや、クォーターパウンダーが売れてないのは(実際は売れてるのかもしれませんが(笑)、知りません)別に広告が下手だからじゃないです。だから、代理店は全然負い目に感じることはないです。まずいものは売れない。これ、当たり前です。

派手に告知をやればやるほど負のインパクトも大きくなるわけで、一番の敗因は(いや、負けてないかも知れませんが(笑))これが「美味しい」とか、「競争力がある」とか、勘違いしちゃった商品評価部隊だと思うわけです。だって、まずいもの、QP。美味しいハンバーガーを食べたいと思ったら、ちゃんとしたハンバーガーを食べさせてくれる店が東京にはたくさんあるわけで、少なくとも首都圏の人はマクドじゃなくてそういう店に行っちゃう。いや、もちろん、都会の人間をターゲットにしてないというのなら十分理解可能です。周りにはロッテリアもファーストキッチンもケンチキもモスもフレッシュネスバーガーもないっていうのなら、選択肢がないですから。って考えると、最初からそういう選択肢がない人たちに、「マクドのハンバーガーなんてまずいから、ハンバーガーやめてQPにしましょうよ」っていう提案をすれば良かったような気もするするわけです。あれ?こうなってくると、だんだんマーケティングの話になってくるわけですが。

まぁよそ様のやることですから別に何だって良いんですが(笑)。多分、QPはもう一生食べないだろうしなぁ。

お、でも、日本マクドナルドホールディングス (2702)の株価は10月半ば以降、絶好調ですね。素晴らしい。

この記事へのトラックバックURL