2009年02月06日

カフーを待ちわびて

c5e9c7d0.jpg最近ときどき見かける南の島を舞台にした映画。縦糸に恋愛、横糸に沖縄の離島のリゾート開発を配置した、ありがちな設定。ちょっと思い返してみても、「サウス・バウンド」「ニライカナイからの手紙」あたりが類似作として思い当たるわけで、それなりに新しい何かがないと「またか」ということになってしまう。特に島の開発話は非常に陳腐なテーマで、そもそも今の日本では開発話なんてすっかり昔話になってしまっているので、新味がない。背景となる沖縄の民族性のようなものもやや使い古された感がある。ということで、この映画を取り巻く環境というのは非常に厳しく、「良くこの企画が通ったな」と思わざるを得ない。さて、では作品としてどうだったのか。

設定が陳腐で使い古されたものだから、必然的に「恋愛話の方は?」ということになるのだけれど、まず「嫁に来ないか」と書かれた絵馬を見て女性が押しかけてくるあたりが大分現実離れしている。その現実離れした設定の裏に何があるのかな、と期待して最後まで見る羽目になるのだけれど、その「現実離れ」の種明かしがまたまた現実離れしている。「お前、『偶然見つけた』で済ますのか!!」みたいな。いや、もちろん、そういうことってこれまでの映画でも色々あったとは思う。たとえば、どこぞのお転婆な王女様が実は田舎の農場で働いている主人公の双子の妹で、しかも敵のボスは父親だったとか、お前ら「昔々、はるか銀河の彼方で」とか言いながらいやに狭い世界の話をしているな、みたいな。主要登場人物の3人が家族かよ!みたいな。でも、SF映画の中のご都合主義と、恋愛映画の中のご都合主義は随分と趣が異なるし、受け入れやすさも段違いである。結果として、「この不自然な設定の理由は?」に対しての明快な回答は得られるのだけれど、同時に「このあまりにもご都合主義な偶然をどうしてくれる」という不満が発生してしまう。そして、さらにラストでは「これでもか!!」というくらいに偶然が起きる。先の例で言えば「いや、実は頼りになる海賊とその仲間の大猿もみんな兄弟でした!」みたいな感じである。

「えーーーー、それはない!!!!」

大体、上の星間戦争の場合は双子の兄妹はその事実を知らなかったんだから仕方ないけれど、この映画では片方はすべてを承知していたわけだ。それならびっくり箱みたいなことをせず、最初から種明かしをするのが当たり前。「実はこういうわけで来てみました」となるはず。それで、その事実以外にも色々ある大切なこと(ネタばれになるから書きませんが)をきちんと知らせるはずだ。

これ、映像がどうとか、役者がどうとか、演出がどうとか、そういう以前にストーリーが全く駄目駄目である。

青い海、青い空、緑の木、そういったものがあまり出てこないあたりは沖縄におんぶにだっこという感じではなく、そのあたりは好感が持てるのだが。あと、役者さんたちは結構頑張っていたと思う。

評価は☆1つ。

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この記事へのコメント
お久しぶり。
変な政局となりました。
一応、僕が昔に書いたものも含まれるここのログのURL貼り付けときます。
時代は、誰も読めないものですね・・・・。

http://blog.livedoor.jp/buu2/archives/50022541.html#comments

http://blog.livedoor.jp/buu2/archives/50022541.html#comments

Posted by DK at 2009年02月06日 22:43
いや、首相がさ、ドラスティックに「郵政民営化」につき言及しはじたんで、そういや以前にそのときの選挙についてなんか言ったような気がして?久しぶりにおじゃましました。
今更ながらですが、前に書いたことで思うに、
「イッシューは、わかりやすければいい」(それは郵政民営化)
というのがここの主は言及してますね。過去のログだと。
おれにいわせれば、やはりイッシューの単純化、それに伴う
衆議院の解散というのは、国民に対する愚弄であり、という
か、ここに限られんけど、「イッシューは、わかりやすければいい
」と表明したブログがここだよね。
どうだろう?
Posted by DK at 2009年02月07日 19:00
そういえば。
ブログ主、(途中一部省略)
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2005年10月09日
最近見かけた馬鹿に関するメモ
野田聖子
こいつ、何なんですか?郵政民営化法案に反対して無所属で立候補してるんでしょ?それで当選して国会議員になっている。国会議員っていったら、国民の代表ですよ。もう、岐阜県民の代表じゃない。そして「郵政民営化反対」という国民の代表として国会議員になっているくせに、「国民の民意は郵政民営化を急げといっていることと理解した」からって、ほいほい主張を変えるんですか?何それ。自分が集めた10万近い票の重みをどう考えているんですかね。この人のやったことは、「あなた方の郵政民営化反対という声を代表して国会で頑張ろうと思いましたが、どうも大勢はそうじゃないみたいです。ということで、皆さんも考え方を変えてください。皆で郵政民営化に賛成しましょう」って寝返るということですよね。そんなに自民党が好きなら最初から反対なんかするなよ。大丈夫ですよ、自民党からあなたがいなくなっても、もう片山さつきさんがいるから。とにかく、この馬鹿のことは忘れてはならないと思うので、馬鹿の備忘録に加えておきます。折角なので「あなたのことを馬鹿の備忘録に加えました」とメールしておいてあげよう。
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亀井静香は、本当にバカだったのだろうか。
(個人的に、郵政民営化見直し発言をした総務大臣を連立の首相にかつごうかという発言を聴いたときには、限界を感じたけど)。そして、野田聖子は、本当にバカだったのだろうか。
ま、結果論だけどね。
いずれにしろ、おじゃましました。ゴメン。
Posted by DK at 2009年02月08日 20:35