2009年03月02日

チェンジリング

7230e8f7.jpgクリント・イーストウッドらしい、重苦しい、ほとんど希望のないストーリー展開。その中で与えられる希望が、本当にわずかな希望であったとしても、人は生きていける、ということだろうか。「あぁ、これで終わりなのか」と思ったところからエンドロールまでが長いのもいつもどおり。

「あぁ、ようやく解き放たれたのかな」と思わせておいて、そこからクライマックスまでの流れ、クライマックスの主人公の台詞、文字によるその後の顛末の説明、そしてエンドロール・・・と、その流れの完成度は非常に高いと思う。大きく広げた風呂敷を物凄い手際でたたんでいくような感じ。加えて、エンドロール前半で流れる第二次世界大戦前の米国の町並みが「どうやって撮ったの?」と思ってしまうほどリアルで凄いこだわり。最後まで手を抜かないというか、最初からラストでどう幕をひくのかをきちんと考えているところがさすが。

敵としてのロス警察組織、教会などの支援者や同じ境遇の女性たち、主人公を巻き込んだ犯罪者、そしてなりすましで主人公の家に転がり込む子供。この4者を複雑に絡ませつつ、それでいてそれほど複雑に見せることもなく、どんどんストーリーが進んでいく。「実はこういうことなのかも」などと時々考えてしまうのだけれど、そういう大仕掛けに対する期待はことごとく裏切られ、結局のところ目の前にあるだけのストーリーで終了する。しかし、それが退屈かといえばそんなことは全くない。何しろ、アンジェリーナ・ジョリーが愛息が行方不明になって狼狽する女性を非常にリアルに演じていて鬼気迫る感じ。加えて、精神病院の描写、死刑の描写など、生理的な部分の不快なところを巧妙に押してくるところがイーストウッドっぽい。悪い奴らを徹底的に悪く描くところもそれっぽい。

CHANGELINGってどういう意味なんだろうと思ったら「さらった子の代わりに妖精たちが残すとされた醜い子」みたいな感じらしい。タイトルそのままなのね。

何の知識もなく観てしまったので、監督がクリント・イーストウッドだというのもラストまで知らなかった。でも、終わってみれば本当に「らしい」映画だった。評価は☆2つ半。多分、女性が観た方が評価が高くなるんだと思う。

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監督 クリント・イーストウッド 製作総指揮 ティム・ムーア,ジム・ウィテカー 製作 クリント・イーストウッド,ブライアン・グレイザー,ロン・ハワード,ロバート・ロレンツ 脚本 J・マイケル・ストラジンスキー 出演者 アンジェリーナ・ジョリー,ジョン・マルコヴィッチ 音楽 ...
『チェンジリング』(Theater)【私の研究日記(映画編)】at 2009年03月17日 11:22