2009年03月12日

そんなんじゃクチコミしないよ。

そんなんじゃクチコミしないよ。 <ネットだけでブームは作れない!新ネットマーケティング読本>

ど真ん中ではないものの、僕の専門領域の本なので、正直立ち読みでも良いかな、と思わないでもなかったのだけれど、内容によっては僕のお客様に「ちょっとこの本を読んでみてください」と薦めることができるかも知れず、何はともあれ電車の移動時間の間に読んでしまいたくなって、買ってみた。

この手の本の価値は、ひとつに自分が知らないことが載っていること。もうひとつに、ぼんやりと理解してはいたものの、それを明文化できずにいる事象についてまとまっていること。こういうことがあればそれだけで買った意味がある。で、読み終わってみたら、確かにそういう部分があったので損ではなかった。

一年以上前に僕もブログによるペイパーポストサービスの胡散臭さについて、プレスブログを例に挙げて書いているのだけれど(「結局は個人に帰着するネット情報」)、このあたりについては著者と僕でほぼ共通の認識を持っている様子。秀逸だったのは、というか、僕は気が付かなかったんだけれど、プレスブログなどでお金をもらってブロガーが書いた記事というのは、広告なんだ、というところが「おお」という感じ。これだけでこの本を買った甲斐があった。なるほど、ブロガーがやっていても、それは確かに広告だ。

以前、「コラーゲン食って肌がぷりぷりになるわけねーだろ(笑)」という記事で、コラーゲンの広告手法について取り上げて笑いものにしたわけだけれど、無知なブロガーが広告料をもらって「肌がしっとりきれいになりました」とか、コラーゲンのありもしない効果効能をブログに書いた場合、一体どうなるんだろう、と考え込んでしまった。いや、肌がしっとりきれいになりました、ならまだ良いのだけれど、「コラーゲンを食べてがんが治りました」とか、書いてしまったら、誰が責任を取るんだろう。うーーーーん、やっぱり、そりゃ、ブロガーだよなぁ。著者はこの手のペイパーポストサービス関連のプロモーションで薬事法にひっかかりそうな案件を知っているようで、へぇーという感じ。いや、僕も医薬品、医薬部外品を開発する会社の社長をやっていたことがあるから、このあたりについては結構気になる。

ブロガーイベントについての記述は僕自身思い当たることがあって、確かに難しいよな、と思った次第。たとえばキャラメルボックスがブロガーを招待して無料で芝居を見せている、なんていうのは一種のブロガーイベントだと思うのだけれど、僕なんか、ただで見せてもらっていたとしても詰まらなければ容赦なく「詰まらない」と書いてしまう。普通の日本人だと、「ただで見せてもらっているのだから」という配慮がありそうなものだけれど、僕はドライなのでそんなことはしない。でもまぁ、キャラメルボックスの場合、ブログライター枠で芝居を観る人というのはほとんど目がハートになってキャラメルボックスの観ているので、僕みたいなのはマイノリティで、トータルで見ればそれほどのリスクでもないんだろう。

ネットは何が強くて、何が弱いのか、といったあたりは上で書いた明文化されていない暗黙知の部分。特に「無限のスペース」という部分はなるほど、という感じ。このあたりのページは僕のお客様にも読むことをお薦めしたいところ。

大学の後輩でつい最近アエラに「伊勢丹で働く女性」として掲載された女性がいるんだけれど、彼女とスキーに行ったとき、伊勢丹のウェブショップのアクセス解析がどうのこうの、という話になった。「細かいアクセス解析って、できるんでしょうか」って聞くから、「そりゃ、ウェブマスターに聞けば詳細にデータはくれるはずだよ」と教えてあげた。もちろん、付け加えるのも忘れないわけで、僕がそのとき言ったのは「アクセス解析なんて、色々やっても時間の無駄。結局何もわからないから辞めた方が良いよ。アクセス解析なんていうのは、東京から浅間山の噴火の様子を見ているようなものだから」ということだったんだけれど、「いや、そんなことはない。どこから入ってきて、どこに行って、というのを全部調べないと」と一所懸命主張していた。とりあえず彼女にはこの本をホワイトディのプレゼントに買ってあげようかな(いや、バレンタインディには何ももらってないんだけれど)。

ひとつだけ残念なことをあげると、もともとブログの記事だったものを書籍にまとめた本なので、「○○のサイトを見てください」という形で、書籍だけで完結していない部分が少なからずあったこと。仕方ないといえば仕方ないのだけれど、できれば書籍は書籍の中で完結させておいて、必要であればサポートサイトのようなものを立ち上げて、そこにリンク集を置くとか、そういった形になっていればもっと良かったかなぁ、と思わないでもない。

って、偉そうなことを言いつつ、自分は自分で自分の著作のサポートブログを立ち上げておきながら、もう何年もフォローしていないのですが(笑)。あ、一応まだあるね(笑)。

ブログ・ビジネス

ガイドエントリーが一番上に来るように、超未来に日時を設定してあったというのに、その超未来記事すらすでに過去の日付になっているのが笑える。

ちなみにこの本の著者は、僕がちょっと前に書いた「口コミ論(草稿)」で言及した河野氏です。クチコミの専門家にクチコミの記事でトラックバックしちゃって恥ずかしい(笑)。

この記事へのトラックバックURL

この記事へのコメント
紹介ありがとうございます。
別にクチコミの専門家ってわけじゃないのですが、まあネットとか、人の気持ちを考えてると、自然とこのへんのことに興味も沸くし分析もしますよね。

さすがに1年前に出した本なのでデータなどは古いですが、主張している本質は今でも通用すると思っています。

ぼくも書籍だけで完結すべきと思っているので「○○のサイトを見てください」というのはあまり入れたつもりがないんですけど、読み返してみます。
Posted by 河野 at 2009年03月13日 13:05
> 主張している本質は今でも通用すると思っています。

そのあたりは全然違和感なかったです(^^

> 読み返してみます。

たとえばですが、ニコンのイベントの件とか、「なんか勘違いしてないかとも思いました」というのがどのあたりなのか、本からは伝わりませんでした。

あと、ひっかかったのが13ページの図ですね。12ページの図と見比べて、どこだろうなーと考えちゃいました(笑)。カバーする領域を網掛け楕円とかで見せるとわかりやすかったような。細かい話ですが(^^;
Posted by buu2 at 2009年03月13日 22:06
ああ、なるほど。
ニコンのやつですね。これはたぶん特定のブロガーを批判してる部分なので、編集者が気をつかったんだと思います。
たしかに本だけ読んでもって部分はありますね。すいません。

13ページの図は編集ミスです。
ぼくの渡した資料には網掛けしてます。
http://smashmedia.jp/2007/11/post-2.html
Posted by 河野 at 2009年03月17日 09:17
> これはたぶん特定のブロガーを批判してる部分なので、編集者が気をつかったんだと思います。

なるほど。

> たしかに本だけ読んでもって部分はありますね。すいません。

いえいえ、別に謝っていただくようなことではないので(^^;

僕とかもラーメン評価とかではかなり傲慢な部類のブロガーなので、一体どういうところが駄目だったのか、興味がありました(^^

> 13ページの図は編集ミスです。
> ぼくの渡した資料には網掛けしてます。
> http://smashmedia.jp/2007/11/post-2.html

ホントだ。全然違う(笑)
Posted by buu* at 2009年03月17日 10:21