2009年04月17日

一方的は良くないので

先日のエントリーで「マグロ名人戦で起こった出来事」という記事を紹介したわけですが、それに対応してか、日本将棋連盟からも公式のリリースが出ているので、きちんと紹介しておきます。

三崎支部について

しかし、先日の女流棋士分裂の経緯がどうのこうのという記事もそうでしたが、全く日本語になってないし、そもそもどういう目的でこのリリースを出したのか、さっぱりわかりません(笑)。言っちゃぁ悪いけど、ちょっと日本語の勉強をやり直したほうが良さそうです。以下、全文引用。

三崎支部についてご説明させていただきます。

 マグロ名人戦は三崎マグロ大会実行委員会(元連盟三崎支部)が主催し、神奈川県支部連合会と将棋連盟が協力している32回の歴史ある大会でした。
 しかし、女流棋士会が分裂後、この大会はLPSAが協賛となり永く協力してきた日本将棋連盟に対しては「後援」、LPSAは協賛という扱いでした。
 そこで今回の件に関して、将棋連盟の姿勢と経過をご説明いたします。

 三崎支部はLPSAに協力している方と、意見の違う支部会員の方が新しく立ち上げた横須賀支部に分かれました。
 これは三崎支部の会員が決定したことです。
 普及部は神奈川県支部連合会と横須賀支部に対して全面協力と信頼関係を密にして普及に努めております。
 今回、正会員(棋士)のHP上で事実に反したことが記載されているために、普及部では正しい事実をご説明させていただきました。

日本将棋連盟普及部


折角なのでちょっと細かく見てみましょう。

三崎支部についてご説明させていただきます。


いきなり何のことだかさっぱりわかりません(爆) なんで突然将棋連盟普及部は三崎支部について説明したくなったんでしょうか。「このくらいのことはみんなわかっているはず」というのがあるのかも知れませんが、公式文書としては全く滅茶苦茶。まず最初にあるべきは誰でも知ることができる範囲での事実の提示だと思うのですが。ま、そこはスルーしてみて、

 マグロ名人戦は三崎マグロ大会実行委員会(元連盟三崎支部)が主催し、神奈川県支部連合会と将棋連盟が協力している32回の歴史ある大会でした。


ここまでは事実についての記述で特に問題はなさそうです。「協力している」と現在進行形になっているのはご愛嬌としておきましょう。

 しかし、女流棋士会が分裂後、この大会はLPSAが協賛となり永く協力してきた日本将棋連盟に対しては「後援」、LPSAは協賛という扱いでした。


いきなりここで悪文になるわけですが(笑)、言いたいことは、「俺たち日本将棋連盟が今まで協力してきたのに、それを後援扱いとして、LPSAを協賛とするとは何事だ(怒)」ということなのかなぁ。それにしたって、「しかし、女流棋士会が分裂後、この大会はLPSAが協賛となり、これまで長い間協力してきた日本将棋連盟については「後援」という扱いになりました」ぐらいで書いて欲しいところ。日本語としては、ですが。

 そこで今回の件に関して、将棋連盟の姿勢と経過をご説明いたします。


ここは比較的問題のないところです。

 三崎支部はLPSAに協力している方と、意見の違う支部会員の方が新しく立ち上げた横須賀支部に分かれました。
 これは三崎支部の会員が決定したことです。
 普及部は神奈川県支部連合会と横須賀支部に対して全面協力と信頼関係を密にして普及に努めております。


ここも文法面からは特に問題がないようです。

 今回、正会員(棋士)のHP上で事実に反したことが記載されているために、普及部では正しい事実をご説明させていただきました。


え?いきなり終わりですか(笑)?「正会員のHP上で事実に反したことが記載されている」としてあるわけですが、どこがどう事実に反していて、実際どうだったのかが比較されていなくてさっぱりわかりません。確かに日本将棋連盟のLPSAに対する姿勢と、三崎支部が分裂したことは書いてありますが、これは経緯とは呼べないような。それに、前段で「日本将棋連盟の扱いには納得行かない。そこで、経緯と姿勢を説明する」と書いてあるにも関わらず、扱いに納得がいかないことについては何も書かれていないわけです。「俺たちは棋士で偉いはずだ。一方でLPSAは歴史もなくて、大したことがない団体だ。にも関わらず、俺たちのほうを後援にまわすとは何事だ」とか書いてあれば「なるほど!」と合点がいくのですが。文法は正しいと書きましたが、内容的にはかなり不十分な感じです。

まぁ、好意的に行間を読んで文章をそのまま解釈してみると、

「俺たちを後援にして、LPSAを協賛にするとは何事だ。ちなみに三崎支部は日本将棋連盟のあずかり知らぬところでLPSA派であるところの三崎支部と、日本将棋連盟派であるところの横須賀支部に分裂した。俺たちはその横須賀支部と楽しくやっていくぞ」

ということでしょうか。なぜ三崎支部とは仲良くやっていくのを辞めたのか、全然説明がないわけですが、こうやって分析してみると、やっぱり「三崎支部はLPSAと仲良くしているからもう協力しない」ってことですよね。違うのかなぁ。

どうやら、日本将棋連盟は将棋を普及するということよりも、LPSAに対する面子を重視する、ということのようです。こういう姿勢って公益法人制度改革的にはどうなんでしょうね。なかなか興味深いところです。三崎支部がどうしてLPSAを協賛、日本将棋連盟を後援にしたのか、このあたりはさっぱりわからないのですが、まぁ、そのあたりもそのうち明らかになるかもしれません。

さて、「どうぶつしょうぎカップ」は明後日です。お楽しみに。

この記事へのトラックバックURL

この記事へのコメント
 三崎マグロ大会の件については、いやはやすさまじいことをするものだなあとあきれてみていましたが、今度の文章もすさまじいものですね。公式HPに文章を公表するのであれば、文法的に正しいのはあたり前として、十分に説得力があって少なくとも予備知識のない第三者を味方につけ得るだけの質のものを準備しなければ、逆効果になってしまうのだということを考えないのかしら。私はある分野の研究者なので、商売柄文章をたくさん読み、書いて暮らしているのですが、その目から見ると、この文章は、女流棋士会ブログに掲載された例の、「女流棋士会についてのご案内」および「女流棋士会分裂の経緯のご説明」と同じ人(人々?)の手になるものであるように思われます。某会長のHPの文章とも共通性が認められるのではないでしょうか。ところで、「正会員(棋士)」とは誰のことなのでしょうね。今日は仕事が一段落したところだったので少しだけ調べてみましたが、私にはわかりませんでした。
Posted by 指さない将棋ファン at 2009年04月18日 01:48
>  三崎マグロ大会の件については、いやはやすさまじいことをするものだなあとあきれてみていましたが、今度の文章もすさまじいものですね。

三崎の件は、片方の当事者の話だけ聞いている限りでは「どうなのかな」と思っていました。ただ、将棋連盟からの文章が出てみると、将棋連盟寄りに見ても「これはひどいなぁ」という感じです。LPSAに対する敵対姿勢があまりにも明らかで引いちゃいますね。

僕は将棋連盟もLPSAも、自由に競争しているならそれはそれで独立して良かったと思っているんです。実際、連盟女流もLPSAに対抗して色々と企画を出している様子だし。その調子で、両団体が良い意味で競争して、結果として女流のレベルなり、普及の状況なりが向上すれば一番良いわけで。

ただ、そこに余計な圧力とか、既得権の濫用とかがでてくると、それは全くいただけないわけです。そのあたりが垣間見えちゃう今回の文書はどうなのかなぁ、と思うわけですが、それ以前の問題として、フォーマットが滅茶苦茶なので、将棋が出来ても、文章は書けないんだなぁ、と思った次第です。

>この文章は、女流棋士会ブログに掲載された例の、「女流棋士会についてのご案内」および「女流棋士会分裂の経緯のご説明」と同じ人(人々?)の手になるものであるように思われます。

そうですね。「これを書きます」と宣言しながら、最後までそれが見られず、自分の書きたいことだけを書くあたりとか、文法がおかしいところとか。

>ところで、「正会員(棋士)」とは誰のことなのでしょうね。

さぁ、僕も将棋のことばかり見ているわけじゃないので、調べてないし、良くわかりません。誰なんだろう????
Posted by buu* at 2009年04月18日 10:06
私も
>LPSA派であるところの三崎支部と、日本将棋連盟派であるところの横須賀支部に分裂した
と理解したのですが、実際調べてみると現横須賀支部の会長さんがLPSAの詰め将棋カレンダーに公募されてますよね・・・(2chにも書きましたが) まあ、連盟の文章なんてそんなもんだろなという。
Posted by 一読者です at 2009年04月18日 16:17
> 実際調べてみると現横須賀支部の会長さんがLPSAの詰め将棋カレンダーに公募されてますよね・・・

連盟派でも、LPSAにアプローチするのは良いんじゃないですか?連盟の棋士の人たちでも、ときどきLPSAのイベントに顔を出しますし。

まぁ、良くわかりませんね(^^; 良くわからない説明をリリースして、状況を混沌とさせるのがいわゆる泥沼流という奴でしょうか(笑)
Posted by buu* at 2009年04月18日 17:14
どうも、通りすがりの者でございます。

> 良くわからない説明をリリースして、状況を混沌とさせるのがいわゆる泥沼流という奴でしょうか(笑)

そうかっ、局面が思わしくない時は状況を複雑にするっていうのは将棋の基本戦術ですものね。なるほど! お陰でこの文章の意図が分かりました。ありがとうございます。
Posted by かをる at 2009年04月18日 18:54
> そうかっ、局面が思わしくない時は状況を複雑にするっていうのは将棋の基本戦術ですものね。

わざとこのひどい文章を書いているとすれば、文才、戦術眼ともに相当なものです。とりわけ、この文章は相当熟練していないと書けませんよ。あるいは、日本語を勉強している外国人小学生とかを使うという奥の手を使っているかも知れません。
Posted by buu* at 2009年04月18日 20:58
>ところで、「正会員(棋士)」とは誰のことなのでしょうね。

武者野氏の駒音掲示板で、この件が取り上げたことをいっているのだと思います。んなことを理解できる読者など、ほとんどいないわけですが。
Posted by 将棋ファンM at 2009年04月18日 21:15
はじめまして
エルサレム賞受賞スピーチに同じく感銘を受けた者です。
貴兄の将棋SNSのブログも時折拝見させて頂いております。

さて、元三崎マグロ大会実行委員長O氏の依頼を受けU氏が自己のブログに書いたのですが、大会名の三崎をそのまま鵜呑み(w)にしてしまい誤記したとの事。正式には三崎支部ではなく三浦支部なのだそうです。

連盟の公式見解にも三崎となってるのがいかにも連盟らしいところですね。


どうぶつしょうぎカップ楽しみです。
Posted by ライトユーザー at 2009年04月18日 21:38
> 武者野氏の駒音掲示板で、この件が取り上げたことをいっているのだと思います。

なるほど。チェックしてませんでした。
Posted by buu* at 2009年04月19日 09:27
> 連盟の公式見解にも三崎となってるのがいかにも連盟らしいところですね。



> どうぶつしょうぎカップ楽しみです。

現在、鋭意調整中です。
Posted by buu* at 2009年04月19日 09:29