2009年05月11日

THE CODE/暗号

70857cf5.jpg最近の映画評はどれもこれもそこそこに高得点のものばかり。おかげで

「君の映画評は辛口なところが良いのに」

などと言われ始める始末。いや、別に無理やり辛口にしているわけではないのです。つまらないもの、駄目なものをストレートに表現しているだけ。それで、ここ数ヶ月はちょっと時間がなかった。そういうわけで、ほぼ毎週1本のペースで劇場鑑賞していた去年は片っ端から映画を観ては評価していたから、必然的に辛口の評が多くなった。今年は時間がないから、ある程度「これは大丈夫だろう」という映画ばかりをピックアップして観ていた次第。今も決して暇というわけではないのだけれど、今日はたまたま3時間ほど時間が出来たので、飛び込みで観てきた。予備知識はゼロ。それがこの、「THE CODE/暗号」。さぁ、辛口レビューファンの方、お待たせしました(笑)。

いやぁ、これはひどい。何がひどいって、最悪なのは劇中中国人が喋る中国語が下手で、下手で。いや、ネイティブが喋っている中国語は普通なんでしょう。日本人が喋っている中国語が、もう、全然だめ。あれはありえない。そもそも中国語は物凄く母音の多い言語で、「ニィハオ」だって、きちんと発音しなけりゃ通じない。日本人は「ニーハオ」としか聞こえないのかも知れないけれど。で、この映画はカタカナ英語ならぬカタカナ中国語が満載。中国語で歌を歌い始めたときはずっこけちゃってどうしようかと思った。

で、もうこの下手な中国語だけで十分珍品認定なんだけれど、続いてひどいのが探偵のコスチューム。お前ら、探偵の癖にユニフォーム作ってどうするんだ。もう、一目見てばればれじゃんか。「私、探偵です。今、活動中です」ってのぼりを立てて歩き回っているようなもの。

続いて駄目な銃撃戦。もう、全然当たらない。素人の役者が撃てばそりゃぁ当たらないかも知れないけれど、それにしたって当たらな過ぎる。それで、「ひょっとして全部空砲ってオチ?」とか思って油断していると時々血が出たり、当たり所が悪いと一発で死んだりするから油断がならない。っていうか、場合によってはゴルゴ13も真っ青なくらいの精度で遠距離から額のど真ん中をぶち抜くくせに、一体どうなってんだ。

それから、当たっても当たっても死なない奴もいるし、両ひざをぶち抜かれた直後に松葉杖一本で歩いている奴もいるからドラゴンボールも真っ青。カットされちゃっていたけれど仙豆があったんです、とか言い出さないでくださいよ?

もしかして、松方、宍戸の二人のシーンでノスタルジーを感じてください、ってことだったのかも知れないけれど、そんなことは知ったこっちゃない。

期待した貫地谷しほりとか、超端役だし、音楽はひどいし、いきなりインディジョーンズみたいになっちゃうのもどうなのよ、いつの時代なの?みたいな感じ。刺青も子供のころはボケボケなのに大人になったら妙にくっきりしたり、そんなのってあり?

いやー、久しぶりにひどい映画を観ました。でもまぁ、たまにはこういうのも悪くはないですね。駄目な映画があるから、良い映画が引き立つわけで。ただ、時々しか映画を観ない人には全くお勧めできません。これを観るのは時間の無駄ですから。無駄が楽しめる人だけどうぞ。評価は☆ゼロ(当たり前)。今年のまにあなきいちご賞最有力候補に名乗りを上げました。

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