2009年05月19日

天使と悪魔

06c1e00c.jpg前評判は特に耳にしなかったのだけれど、何しろ「ダ・ヴィンチコード」がいまひとつだったので、「どうせ大したことなんだろうなぁ」と、期待ゼロで鑑賞。おかげで結構楽しめた(笑)

「ダ・ヴィンチコード」は一言で言うと「インディ・ジョーンズや007からアクションとユーモアを除いたような映画」だったわけだけれど、本作も相変わらずそんな感じ。まず、ユーモアが全然ない。あったのかも知れないけれど、気が付かなかった。それから能書きが多くて、前半は眠気との闘いだった。しかし、途中からは眠気はあまり気にならなくなった。それは多分大音響のせい。だから、この映画は大画面で、かつ大音響の劇場で鑑賞するのがお勧め。

ストーリーには取り立ててひねりがないのだけれど、何しろ劇中の4時間ぐらいで勝負がつく非常にスピーディーな展開が好感。途中から「○月×日、○○時××分」とか表示されるようになるのだけれど、それが目安。それまではちょっと退屈。

一応取ってつけたようなどんでん返しも用意されているのだけれど、もう、観ているそばからばればれ。だって、あまりにも不自然なんだもの。もう、伏線って感じじゃない。水戸黄門の悪役みたいなもの?

本作、英語だけじゃなくて、部分的にドイツ語とかの場面があるので、英語の字幕の上に日本語の字幕がかぶる。それを観ていたら、「全然違うじゃねぇか(苦笑)」みたいな感じで、これ、ヒアリング能力がない人でも字幕の駄目さ加減がわかっちゃう危険な映画だなー、と思っていたら、例によって戸田奈津子さんの字幕だった(笑)。マジで、字幕で選べるようにしてくれないかなぁ。「こちらは戸田版」「こちらなら松浦版」みたいな。本作みたいな能書きがたくさん出てくる映画はどうしても字幕を作る人の能力がダイレクトに反映されちゃう。吹き替えで観たほうが断然面白い・・・・かも知れない。

日本でもすっかりお馴染みの「コンクラーベ」だけど、英語の発音だと「コンクレーブ」なのね。でも、現地の発音だとやっぱり「コンクラーベ」なのかな。まぁ別にどうでも良いんだけれど、このコンクラーベがどういう風にやられるのか、完全にフィクションなのかも知れないけれど「へぇー」っていう感じだった。このあたりが最大の見所かも。

謎解きはもう強引なでっちあげなので、案内役が案内してくれる通りに「そうですか」とついていくだけ。これは最近のRPGのお使いをやっているような感じ。あぁ、次はそこですか、で、その次は?みたいな。で、名探偵金田一さんよろしく、毎度毎度肝心なときに間に合わなかったりもするのだけれど、途中からがんばった。感動はしなかったけれど。

しかし、理系の人間の目で観ると、一番気になるというか、徹頭徹尾気になるのは反物質の扱い。あのさー、反物質って、そんな簡単に保存できるわけ?まぁ、電荷を持っている反粒子なら確かにトラップできるかも知れないけれど、そんな大量に閉じ込めたら反粒子同士の反発であっという間に外に出て行っちゃうんじゃない?ま、そのあたりは軽くスルーしたとしても、今度はあの爆発の規模もどうなんですか?妙にこじんまりとしてませんか(笑)?1グラムの反物質が反応したら、原爆2つ分ぐらいの破壊力がありそうですが、あんなものなのかなー。ま、良いんですが。フィクションだし。

あと、人が死ぬシーンはちょっと生々しい感じ。もうちょっとさらっといけないものですかね?あ、いけませんか、わかりました。

と、ちょこっとケチをつけてはみたものの、映画としてはそこそこ良い出来だったと思う。評価は☆2つ。

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