2009年05月24日

馬酔木

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一ヵ月半ぶりぐらいに実家に帰ったら、うちの親が「今日は味楽のご主人と馬酔木にとんかつを食べに行くから一緒に来い」と言って来た。なんでも、僕が「横浜では一番美味しいかも知れない」と勧めておいたら、いつのまにか何度か通ってすっかり顔なじみになってしまったらしい。

僕はその手のことって正直苦手で、ラーメン屋さんでも僕の顔を知っているのはほんの数人。もちろん、とんかつ屋さんでも僕の顔を知っている人は全然いない(やまいちのご主人だけ知っているかな)。なぜかって、このブログでも明らかにしているように、僕は食べるのが専門であって、料理のことは全然わからない。料理のプロに対して、あーだこーだと言っても始まらないわけで、僕はとにかく出されたものを食べてみて、それが美味しいかどうかを判断するだけ。「ここは利尻昆布じゃなくて、羅臼を使ったらどうですか?」などとアドバイスしたりはもちろんできない。だから、別にお店の人と顔なじみになったところで、彼らにとってもメリットがないし、僕は僕で、仲良くなってしまうときちんとした評価ができなくなってしまうと思っているから、やはりデメリットの方が大きいと思っている。そんなこんなで、お店の人と仲良くなることはまずないし、挨拶することもないし(ご馳走様でした、とはもちろん言いますが)、もちろんサインを残してくるなんていうこともない。

ということで、誘われたときは「また余計なことを」とちょっと思ったのだけれど、考えてみると最近まともなとんかつを全然食べてない。新宿高島屋に気になるお店が一つあるのだけれど、一度そこに行ったら中間閉店で食べることができなかった。ということで、上に書いたようなデメリットと、美味しいとんかつを食べられる、というメリットを天秤にかけて、まぁ、今日は食べておくか、味楽のご主人たちもいることだし、ということで出かけた次第。

そういうイレギュラーな状態だったので、今日はとんかつを食べるときも普段と随分と違う行動だった。まず僕はとんかつを食べるときにはお酒は飲まないのだけれど、今日はビールとか焼酎を飲んだ。それから、注文もとんかつだけで済ますのが普段なのだけれど、今日は鴨とか、サラダとかも頼むことに。で、最後の仕上げが特上ひれかつ。お酒やおつまみでちょっとおなかが膨れてはいたけれど、やっぱり美味しい。このお店のとんかつの良さは、ソースが全くいらないこと。さらに、塩もいらない。最初の一切れをそのままで食べてみて、残りはわさびでいただいた。わさびの量が少し少なめだったのだけれど、うちの親はとんかつのわびさびなど全く無視でソースをじゃかじゃかぶっかけて食べているので、使っていない彼女のわさびも横取りして、わさび風味のひれかつを満喫した。

このお店は確か、銘柄豚のメニューも用意していたはずなので、みんな色々頼めばいいのになぁ、とちょっとだけ思ったのだけれど、「何がお勧めですか?」と聞かれてしまえばそれは「全部食べたわけではないけれど、特上のひれかつが美味しいことは間違いないです」と言わざるを得ず、結局全員同じオーダーになってしまった(笑)。ま、別に良いんですけどね。

食べている最中、味楽のご主人に「横浜で一押しのラーメンはどこですか?」と聞かれたので、白楽のひらやまを勧めておいた。去年の秋に行った時は休業だったけれど、今はやっているのかな?まぁ、閉店したといううわさは聞かないので、大丈夫だろう。個人的にはこのあたりでお勧めというと、この「馬酔木」、それから「むくの実亭」、「味楽」、「うかい亭」、「勇吉」、あと、「ひゃら亭」も悪くないかな?と思うのだけれど、こうして考えてみると、横浜西部で良い店って、本当に数えられちゃうなぁ。

食べ終わって帰るときに、「塩はどうでしたか?」と聞かれてしまった。いや、塩、使いませんでした(^^; わさびだけで十分美味しいので。本当に美味しいとんかつは、調味料ってほとんど要らないんですよね。でもまぁ、塩は悪くない。ソースとかかけちゃうと、折角のぱりぱりした食感が失われちゃうのがもったいない。

と、いうことで、「馬酔木」のとんかつ、横浜界隈に住んでいる方、特に港北ニュータウンのあたりにいる方は、一度は行ってみる価値があると思います。それでぴんと来たら、是非通ってあげてください。お店が繁盛すれば、お店がなくなることもないし、良い肉も仕入れやすくなるはず。

食べる店もそうだし、工業製品でもなんでもそうなんだけれど、日本人は小さい企業を応援するという気持ちが希薄。ついつい名前の通った会社の製品を買ったり、チェーン店で食事したりする。確かに、食べる店に限れば、大都市にも田舎にも同じようにお店を構えているチェーン店なら、場所代を均等配分できる分、都会ではお得な食事ができる可能性があるわけですが、そんな細かいことよりも、小さい企業が頑張って、どんどん大きくなっていかないと、いつまで経っても社会は活性化しないわけです。自由に競争して、みんなが少しずつ努力しないと、社会は元気になりません。

だからね、こういう小さいお店には頑張って欲しい。別に遠くから来てくれる必要はないんです。地元の人たちがちょっと寄ってみて、美味しいと思ったら応援して欲しい。応援って言ったって、ときどき財布の紐を緩めて食事すれば良いだけなんだから。

今日も美味しかったです。

馬酔木(←ただしいきなり音楽がなるので要注意)

店名 馬酔木 (あしび)
ジャンル とんかつ
TEL 045-941-9544 (お問合せ専用番号)
住所 神奈川県横浜市都筑区高山14-5 エスパシオ高山
営業時間 11:30〜15:00 17:30〜21:30
定休日 火曜日

え?このお店のウェブサイトのリニューアルを営業しないのかって?やんないです。きちんとしたきれいなサイトなので。まぁ、一つだけ言えば、オープニングのフラッシュはどうかと思うけれど、このあたりは好き好きなので。

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