2009年09月08日

TAJOMARU

64625c66.jpgアマルフィのあまりの珍作っぷりに感動したので、同じフジテレビ系製作のこの作品も個人的にはかなり盛り上がっていた。どんな珍作だろうか、と思っていたのだが、結論から言うとちょっと肩透かしで、普通にツマラナイ映画だった。

冒頭のシーンから想像するのは友情とか、慈しみの心なんだけれど、それはあっさりひっくり返る。こういう展開はまぁありだとは思うのだが、納得がいかないのは、そういう展開になった理由が全然述べられないこと。桜丸の暗躍は、三つ子の魂百まで、といわれればそうなのかも知れないが、あまりにも味気ない。血筋だけで最終的には大活躍するハリーポッターの暗黒版といえばそれまでなのだけれど。その「どうして?」という部分に何の回答も与えられないため、ストーリーをすんなり受け入れることができない。それに、そのおかげで悪役の作りこみが甘くなってしまい、憎たらしさも生まれてこない。悪役が悪役として機能していないのだ。なんだか良くわかんないけれど、悪い奴、みたいな。ただのチンピラ、みたいな。それから、兄弟の確執についてもしっかりと描かれておらず、なんだか意味もなく裏表のある登場人物という印象を受けてしまう。このあたり、脚本がかなりいけてない。

設定の面でもつめが甘く、たとえば折角の「地獄谷」が全然地獄っぽくない。落っこちても全然平気で、怪我もしない。最初はぼろぼろになっていたヒロインが見る見るうちに回復していき、体力だけじゃなく服やお化粧まですっかり元気そうになるのも不思議。仙豆でも飲んだのかと思ったけれど、そういうシーンは見当たらなかった。落ちた当初は凄いやばいところ、ヒロインもお岩さんですか?って感じなのに、すぐに普通になっちゃう。しかも、そこからの脱出も結構簡単。というか、あんな崖を上らなくちゃならないような場所は日本にはほとんどないはず。中で普通に生活している人たちもいるし。他にも、「ここは京都のそばなんだろうけれど、でもどこなんだろう?」とか、それ以前に「時代はいつなの?」とか、語られない設定が多すぎ。

結局、語られるべきところが全く語られておらず、じゃぁその代わりに何かあったっけ?というと、何も思い出せない。飲んで馬鹿騒ぎしているところを見せたかったわけじゃないですよね?うーーん、良くわからん。

主人公が気を失っていたときの出来事というのも、妙に長くて違和感ありまくり。「実は」みたいな部分を一々登場人物が説明するのもいかがなものかと思うし、それを説明するのも「なぜこの状況で」という感じ。その内容も、いつ目を覚ますかもわからない状態で良くそこまで念入りに打ち合わせをしたものだ。これでヒロインに演技力がなかったらどうするつもりだったのかとちょっと問い詰めたくなる。あげく、説明が終わったと思ったら「助さん、格さん、出番ですよ。懲らしめてやりなさい」みたいな感じで隠れていた助っ人達が現れる。もっと早く助けろよ。

そして、多襄丸があまりにも格好良すぎて、それでいてあまり強くなかったりするあたり、設定が微妙。

全体を通じての見せ場は一体どこだったのだろう。あぁ、あの、桜丸とのチャンバラかな?そこのシーンはわりと良い出来だったと思う。ただ、いかんせん、先日見たG.I.ジョーのチャンバラの方が少し上手のような気もする。

それでラスト。自由と女を手に入れたのは良いけれど、これからどうやって暮らすんだろう。やっぱり盗賊ですか?

ちなみに今日は厚生年金会館での試写会だったのだけれど、音響が最悪。ただでも、ここで見るのはちょっとなぁ、という感じ。してみると、新橋のスペースFS汐留ホールは凄く良いなぁ。

評価は☆1つ。

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