2009年09月21日

カムイ外伝

90ef27d4.jpg先日、TAJOMARUという酷い時代劇を観たので、これも全然期待していなかったのだけれど、比べては申し訳ないくらいにこちらの方がまともだった。

ただ、何より残念なのは特撮部分。忍者なんだから人間離れした動きをするのは当たり前なんだけれど、それが物理法則を無視したものになってしまうと「はぁ?」という感じになってしまう。空を飛んだり、逆戻しみたいな動きがあったり。ワイヤーアクションについてはもう何年も前のマトリックスやスター・ウォーズエピソード3とかの方がずっとまとも。まだまだ日本の特撮は駄目なんだな、というか、ワイヤーアクションに慣れていないということなのかも知れない。やる側も、やらせる側も。おかげで一番の見せ所が幼稚になってしまって、冒頭からあらあらら、という感じ。それから、サメとか、海のシーンの合成具合ももうちょっとなんとかならないものだろうか。最近は邦画でも結構まともなVFXを観ることが出来るようになってきていると思うのだが、この映画は悪い意味で邦画っぽい。

そういう悪い部分が冒頭から連発されるので、観始めてすぐに「失敗した」と思わされるのだけれど、意外と、そこからは結構まともだった。なんというのかな、ワイヤーアクションに頼らない、ただただ走る、チャンバラする、みたいな部分はなかなかに見せるものがあった。007がユア・アイズ・オンリーで原点回帰として体を使ったアクションを重視したことがあったけれど、そんな感じ。特に前半の霞切りのシーンはなかなかのものだったわけで、全編こういう、生身の人間の活躍を前に出していく組み立てにすればもっと良かったと思う。あ、でも、手裏剣は割りと良かった気がする。

原作を未読なのでなんともいえない(もしかしたら原作に忠実なのかも?)のだが、ちょっと意味不明な部分もあった。サメのシーンとかは苦労して稚拙な特撮を展開していたのだけれど、あれとかは何をやりたかったのか良くわからない。というか、なくても良いシーン。そういう部分を入れるくらいなら、もうちょっと前半部分のカムイの苦悩とかを描いたらどうだったんだろう。それより何より、ルアーを作るのにどうして凄く偉い人の人間より大事な馬の蹄を使うのかがなぞ。

ラストの決闘のシーンはちょっとしつこいくらいに血がドバドバ出るので、血に弱い人は要注意。

普通のドラマパートでは、マツケンは結構健闘していたと思う。小雪も悪くなかった。

それはそうと、海が南国みたい。個人的な勝手なイメージだと石川県あたりの北陸地方っぽい話なんだけれど、全然そんな感じじゃない。まぁ、これは勝手な思い込みなのでどうでも良いのだけれど、個人的には違和感があった。

大画面でもしょぼく見えちゃう特殊撮影なので、興味のある人は是非映画館で。少なくともTAJOMARUよりは全然良いです。評価は☆2つ。

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