2009年10月12日

さまよう刃

629e4994.jpg妻に先立たれ、40を超えてから生まれた娘と二人暮らしだった建築家が、その娘を未成年に惨殺されて復讐に出る、という、かなり重いストーリー。

寺尾聡さんの、全体的に抑え目の父親の演技がなかなかに素晴らしい。特に犯人の家に踏み込む場面。カットを切らずに一気に見せるところはこちらも息が詰まる。と、ほめるのはここまで。

犯人の家に踏み込んだところで息切れしてしまった。実は原作未読で観たのだけれど、それを後悔している。あの本の分量からすると、かなりの部分が端折られているはずだし、この手のストーリーだとラストとかも改変されている可能性が高い。登場人物も減らされているに違いない。それで、どうしてこういうことを予想してしまうかというと、映画があまりにも辻褄が合わないというか、ご都合主義だからだ。おいおい、そんな偶然あるかよ、おいおい、その行動はちょっと不自然じゃないか?おいおい、お前、誰?おいおい、ろくすっぽ確かめないでやっているけれど、人違いだったら困るんじゃない?おいおい、素人がそんな風に探し回っていたら、すぐに足がつくだろ?おいおい、携帯電話持ち歩いていたらすぐに基地局が判明してどこにいるかわかるんじゃない?おいおい、容疑者の留守電ぐらい常に監視しておけよ、警察!おいおい、霧の中のライフルシーンは何の意味があるの?おいおい、12月5日以降の菅平はもっと雪があるし、リフトのあるゲレンデに雪がついてないなんてある?ってか、夜の菅平は凄い寒いぞ!おいおい、その写真、どこで入手したの?おいおい、お前、何で走り出したの?みたいな「おいおい」が非常に多いのである。あぁー、脚本化の段階で相当やらかしているんだろうな、と思う。なぜなら、東野圭吾という作家はこういう本を書く人ではないからだ。かなり緻密な本を書く人なので、こういう杜撰な展開にするはずがない。

多分、原作を読んでから観たほうが良かったんだと思う。それなら、「原作はこうだったけれど、映画ではこう料理したのか」というのがわかるので、「あぁ、2時間に押し込むために、こうせざるを得なかったんだな」と納得できる。ところが、それがないので、不自然、消化不良なところが気になってきて、映画を楽しめない。そして、「さて、どうなるんだ、このラストは」と思っていたら、「えーーー、本当にこれでおしまい?」みたいな感じである。スカッとした爽快感もなければ、イーストウッドのような後味の悪さもない。あ、そう・・・みたいな。

せっかく面白そうな素材、面白そうな設定なのに、途中からそれを全然生かせてなかった。メインの役者たちが結構良い演技だったので、ちょっと残念な出来だったと思う。

ところで、主人公はライフルに手を加えるほどの知識をどこで得たんだろう?撃ったこともないくせに。

原作、読もうかなぁ。うーーーん。評価は☆1つ半。

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この記事へのコメント
もう見たんですねー。
原作は・・・ 辛くて読めなくてほったらかしです。。。
映画もすごく気になってます。
たぶん本よりはライトなんだろうなぁ。
Posted by cocoa at 2009年10月12日 17:50
> 原作は・・・ 辛くて読めなくてほったらかしです。。。

なるほど。

> 映画もすごく気になってます。
> たぶん本よりはライトなんだろうなぁ。

原作、どうしようかと思案中。うーーーーん、うーーーーん。とりあえず、読みかけの奴を読んじゃわないとなぁ。
Posted by buu* at 2009年10月12日 19:29