2009年10月13日

カイジ 人生逆転ゲーム

a3721d44.jpg原作もそこそこ読んでいるのだけれど、天とかアカギとか、マージャン漫画時代から絵が下手なのに(笑)ストーリーの奇抜さと勢いだけで読ませてしまう、珍しいタイプの漫画家で、「これを映画化っていうのは難しいよなぁ」と思っていた。そもそも、ほとんどの勝負が心理戦で、しかも登場人物の独白で綴られていくのだから、それを映像にするのは基本的に不可能。結果的に説明ばかりになるんだろうな、と思っていたら、やっぱりそうだった。ということで、非常に難しい映画化に挑戦したわけだけれど、藤原竜也と香川照之のオーバーアクションによって何とか原作のパワーを映像化できたという感じ。成功とは言いにくいけれど、彼らの演技はなかなかに評価できる。ただ、演劇的な演出をそのまま映画に導入した手法については賛否が分かれるところだと思う。個人的には「まぁ、ありかな」とは思うけれど。

さて、ストーリーなのだけれど、原作で描かれている3つのギャンブルを映画用に単純化して使うことによって語られている。3つの選び方はともかくとして、単純化の具合がいまひとつ。限定じゃんけんは心理戦的な要素がほとんど描かれない。挙句、良くわからない負け方をして地下へと送り込まれてしまう。地下の生活はなぜかギャンブルと無縁で、このエピソードも意味不明。カイジがここでもオーバーアクションで酒を飲んでいるけれど、こんなシーンを入れるくらいなら、勝負シーン(鉄骨渡りを除く)をもっと濃密に描いた方が良かった。そして、これまた良くわからない理屈で鉄骨渡りへとつながる。この鉄骨渡りの改変具合が微妙な上に、非常に不自然かつ長ったらしい場面となってしまい、映画をつまらないものにしてしまった。原作では登場人物がべらべら喋っても、時間軸が明確でないからそれほど違和感がない。ところが映画になってしまうと話は別だ。「お前ら、いつまでそこで演説してるんだよ。さっさと渡っちゃった方が良いんじゃないの?」と言いたくなる。おまけにアップになって台詞を喋るときは足場が非常に安定していて不自然なこと極まりない。ただ橋を渡るだけなんだから、台詞で色々説明する必要がないはずなのに、登場人物がこれでもかという位に喋るのは堂考えても変。この鉄骨渡りがこの映画の評価を一気に落としてしまったと思う。そして最後のEカード。こちらもルールは色々と変更されていたけれど、ここだけはそこそこに迫力があって、見せ場になっていた。それはもう完全に香川照之の演技によるものなのだけれど。藤原竜也はここではずっと下を向いているだけで、あまり演技らしい演技をしていない(笑)。ただ、カイジが勝つ仕掛け自体は単に利根川の勝手読みで終始してしまい、今一歩だったかなぁ。そして、ラスト。ここの仕上げ方はあっけないと言えばあっけないのだけれど、悪くない終わり方だったと思う。

何しろ、能書きばかりの非常に説明的な漫画が原作なのだから、それを映画化してもどうしたって説明的になる。この程度まで仕上がっていれば上出来といえば上出来かも知れないのだけれど、映画として評価したらどうなんだろう。少なくとも、平均点以上ではないと思う。難しい映画化にチャレンジして、健闘こそしたものの、出来上がった作品は標準以下だった、という感じ。

あの、「ざわざわざわ」は笑うところだったのかな?あとさ、あんなずぶ濡れだったら、ゴム底の靴を履いていても感電しない?試したことないからわからないんだけれど。

評価は☆1つ半。

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