2009年10月20日

ぐるりのこと。

ぐるりのこと。 [DVD]

画家の夫婦のそれぞれの生活を同時並行的に描きつつ、二人の接点としての家庭を描いたもの。と書くと非常に簡単なのだけれど、映画そのものは非常に技巧的な映画で、真剣に観ていると凄く疲れる。そういうところを一つ一つ指摘して「こういったやり方がすばらしい」とか、「ここがみどころ」とか、色々と言及できるところがある、能書き重視派にはもってこいのおかずとなる映画。それで、普段なら僕も喜んで「こことここの対比がさ」とか、色々書きたくなるんだけれど、何しろ劇場じゃなくDVDで観たわけで、もう旬も過ぎているし、そもそも語りつくされていると思うので、やめておく(笑)。

ただ、ひとつだけ。冒頭の15分ぐらいで、「あぁ、この映画はこういう映画なんだな」と思わせておいて、その後全然違う展開にしちゃうところが何とも面白い。推理ものとかでは良くある奴だけれど、こういう人情ものでそれをやられてしまうと、「うわー、やられちゃった」という心地よさがある。

あちこちに散りばめられた乾いた笑いが結構良い。そして、その調子がずーーーっと続いていく。この手の映画って、実は結構あって、例えばジャージの二人とか、南極料理人とか、そういう映画が類似品だと思う(乾いた笑い、というところが)のだけれど、個人的にはそういった作品よりも、この作品の笑いがフィットした。多分、そういうのは個人差があると思うので、「いや、南極料理人の方が面白かった」という人もいると思うのだが、僕はこちらの映画の方が好き。

あぁ、そういうことってあるよなぁ、という、心当たりのあるシーンがてんこ盛りで、やっぱり夫婦って、どこでもこんなもんなんだろうな、とも思う。そういう意味では、未婚だったり、結婚間もない人が観てもピンと来ないかも知れない。

誰もが知っているあの事件、という有名事件の数々を色々とちょっとだけ垣間見せていくのだけれど、そのあたりも観る人の共感というか、歴史を共有しているところを上手にくすぐっていると思う。

唯一残念だったのは、10年にもわたる長い期間を描いた映画なのに、登場人物のほとんどが全然老化しないこと。もうちょっとそのあたり、なんとかできれば良かったのにな、と思う。ベンジャミン・バトンまでやれとは言わないから。

お勧め。評価は☆2つ半。

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