2009年11月17日

事業仕分けが見せる最初の一歩

今、行政刷新会議がやっている事業仕分けはネットで生中継もやっているし、録音もニコニコ動画で聞くことができる。それで、暇なときとか、デスクワークをやっているときにラジオ代わりに音を鳴らしているのだけれど、色々勉強になることがあって面白い。

そもそも、この事業仕分けは攻守がはっきりしていて、仕分け側が攻撃サイドなので、攻撃される側はただただ殴られるだけ。問題はどうやってきちんと防御体制を取って、相手の攻撃を最小限に抑えるかが勝負どころである。ところが、この防御姿勢が悪く、袋叩きにあってしまうケースが散見される。

僕が聞いていた範囲で何度か見かけたのが、「お金だけ見れば赤字だけれど、お金にはできない価値があるから」という主張。例えば未来館とか、スパコンとか、ロケットとか、その手の議論で何度か見かけた気がする。

実際のところ、お金だけの話ではないのは明らかなのだ。問題は、お金には換算できない部分をどうやってお金と同じ土俵にあげて、その価値をお金と同じ軸で評価して見せるのか、である。「いや、それはできないんです」ではダメなんだよ。

「読書の量が減ったら、学力が落ちますね。基礎学力が落ちたら、みんな肉体労働になります。肉体労働しているとお風呂に行くことになります。お風呂が流行れば、お風呂屋さんは繁盛します。お風呂屋さんが繁盛するとお風呂屋さんは設備投資に走ります。お風呂屋さんの設備投資といえば桶ですね。だから、これから桶屋をやればきっと儲かります」というロジックを組み立てる必要がある。それもね、わかりやすくて、一般性があって、ある程度「なるほど」と思わせるものである必要があるのだ。「スパコンで一番じゃなくちゃならない理由は?」と言われたら、きちんとそれを説明しなくちゃ。今それだけの税金を使ったときに、どんなメリットが生じるのか、これが最大の論点なのだ。

攻める側の常套句は「私は素人なので良くわかりません。わかるように説明してください」。ところが、守備側は、「必要なんですよ。海外もやってますよ。前年度と同じくらいの額ですよ。お願いしますよ」みたいな感じ。どうして素人にもわかるように説明しないんだろう。やっぱ、やったことがないのかな。「素人なら勉強してから質問しろ」は、これまでは通用しても、今回からは通用しないんだよね。

ま、そのあたり、最初だから仕方がない。次からこれだと、「だから予算がつかないんだよ」ということになる。何しろ財源は限られていて、お金を刷ることもしない、借金も控える、というのなら、どこかを減らす必要がある。国民に対して、「これをやるために税金を使いたいんですが」とお願いするんだから、基本的に国民にわかる言葉で必要性を説明できないとね。それが、「公開する」ということ。それでも「これでわからないなら、わからない国民が悪い」ということなら、「じゃぁ、わかるようにするための予算を申請しろ。その必要性をきちんと国民にわかるように説明しろ」ということになるわけで。

今の最大の問題は、「教育」とか、「科学」とか、「安全」とか、「生活利便性」とか、誰もがそれなりに納得する看板の裏に「無駄」が仕込まれていることで、それを防止するためになるべく情報を公開しましょう、民間でできることは民間でやりましょう、ということのはず。この総論に対してはみんな賛成なのに、自分の収入に関係する話(各論)になってくると反対ってことになる。

今やっていることは、無駄を排除するためのものだ。そのためにはきちんと情報が公開され、公開された内容を国民が理解し、判断できるようにする必要がある。このベースを、攻める側も守る側も理解しておく必要があるはず。

先は長いけれど、まずは最初の一歩、という感じ。

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この記事へのコメント
次世代スーパーコンピューターなどの科学技術関連予算が事業仕分けで見送られるようでは、民主党政権には夢も希望もない。
ノーベル賞受賞者が怒るのも無理は無い。
民主党の蓮舫のような科学技術に無知で、日本の将来に無関心な人物が仕分け人では、致し方ないこと。
毎年2.5兆円の税金を使う高速道路無料化は、無駄な予算であるから、事業仕分けによって廃止してもらいたい。
民主党には成長戦略が無く、成長のための投資と無駄を区別する能力も無いことが見えてきた。
なお、現在の性能順位は、1〜3位は米国、4位はドイツ、5位は中国、6〜10位は米国そして日本は30位以下。
Posted by 夢も希望も無い民主党 at 2009年11月17日 12:59