2009年12月05日

今度は愛妻家

93920575.jpgAパートとBパートに分かれている演劇的な映画。場面も非常に限られていて、ほとんどがひとつの家の中で展開される。時間を遡ったりするあたりも演劇的だなぁ、と思ったら、もともとは演劇の作品だったらしい。第三舞台だった人の原作なのか。僕は遊眠社派で、鴻上尚史さんの舞台はそれほど好きじゃなかったんだけれど、映画を観る限り、第三舞台的な気配は感じられなかった。まぁ、演出じゃなくて原作としての参加だから当然かも知れないけれど。

この映画はとりあえず公式サイトの予告篇ぐらいを見て、あとはまっさらで観てくるのが良いと思う。だから、レビューにもあまり書くことがない。しかし、それでもあえて何か書くならば、やはり薬師丸ひろ子さんの可愛いっぷりだろう。全編を通じて彼女が魅力を振りまいていて、このくらいの年齢の女優だと、少し前に永作博美さんが話題になったけれど、5つつぐらい年上の薬師丸ひろ子さんも全然負けてない。というか、むしろ勝っている感じ(ただし、主観)。だから、彼女が演じる、旦那に振り回されるばかりの可愛い妻の姿が魅力的過ぎて、まるで彼女のプロモーションビデオを観ているような感じになってくる。でも、それが不快とか、つまらないとか、そういうことは全くなくて、逆にAパートの部分をもっともっと観せてもらっても良かったくらいだ。そんな感じで、物凄く楽しめたのが映画前半。

でも、後半になって、ちょっと失速。前半があまりにも良かったので、その反動って感じなのかも知れないのだけれど、雰囲気が一転してからは怒鳴ったり、怒鳴られたりの連続で、それまでのほんわかしたムードとの落差が激しい。もちろん、それは狙ってやっていることなんだけれど、その「転」から「結」への結びが今ひとつ劇的ではなく、あ、終わっちゃった、という感じ。終わってみれば前半から様々なところに伏線を張りまくっているのだけれど、その一つ一つを記憶をたどって回収したり、あるいはもう一回映画館で観てみようかな、と思ったりはしないかなぁ。

前半☆3つ、後半☆半分、平均して☆1つ半、といったところだろうか。いや、薬師丸ひろ子さんが可愛かったので、おまけして、☆2つにしておこう。

正直、レンタルビデオでも十分かな、とは思う。でも、レンタルビデオで観るまでの間にどうせどこかのおせっかいさんからネタバレ情報が入ってきて、楽しめなくなる。だから、この映画をきちんと製作者の意図通りに楽しみたければ、なるべく事前情報を入れずに(公式サイトの予告篇なら大丈夫。逆に、予告篇を観ておいた方が良いくらい)映画館で観た方が良いと思う。それで、ストーリーがわかったところで、伏線の回収はレンタルビデオで(^^

今度は愛妻家公式サイト

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