2010年01月08日

コミックサイエンス撲滅宣言(草稿)

9e2b2168.gifすいません、以下、ちょっと今構築しようかと思っているサイトに載せる文章の草稿です(笑)適当な場所がないので、ここに載せちゃいます。関係ない人はスルーしてください(笑)。あ、Twitterとかで適当に議論して内容を変えて行こうと思うので、「あれ?前に見た時と違うぞ?」とか思っても、これまたスルーしてください(汗)。




科学者と、そこに近い領域で生活している皆さんへ

みなさんはコミックサイエンスという言葉をご存知でしょうか?コミックサイエンスとは、一見科学のようで、実際はほとんど科学的な根拠に欠けている「科学のようなもの」です。類似した言葉に「エセ科学」という言葉があります。コミックサイエンスは当たり前のようにマーケティングに利用され、私たちの生活の中に溶け込んでいます。

では、コミックサイエンスとは具体的にはどういうものでしょうか。

例えば、コラーゲンというタンパク質があります。コラーゲンは地球上の動物の体内に非常にありふれて存在するタンパク質です。極端な偏食などでなければ通常の食生活で何の不足もなくその原料となるアミノ酸を摂取することができ、そしてそれらをもとにして体内生産できるタンパク質です。コラーゲンの分子量は非常に大きいので、コラーゲンを肌に塗ってもそれは経皮吸収されませんし、経口摂取してもコラーゲンとして体内に吸収されることもありません。コラーゲンを食べた場合、それは胃液などで消化され、ペプチド(アミノ酸が複数結合したもの)やアミノ酸に分解されます。分解されたペプチドやアミノ酸は小腸から体内に吸収され、体内で生産されるコラーゲンの原料として利用されますが、これらを「コラーゲン」というタンパク質で摂取する必要性は全くありません。したがって、「コラーゲン」を表記されているものを塗ったり、あるいは食べたりしても、肌がぷりぷりになるといった効果は特段期待できません。単に、タンパク質を摂取しているのと何も変わらないのです。

要すれば、牛にどんなにたくさん豚肉を食べさせたところで、その牛が豚のような味にならないのと一緒です。

こうしたことは理系で生物を勉強した人なら、ほとんどが常識として知っていることです。ところが、「コラーゲンは肌に良い」といった、“現在の科学的知見からはほぼ間違いと判断される情報”がマスコミや企業の広告活動によって流布されているため、多くの方々が「コラーゲンは肌に良い」と勘違いし、コラーゲンが配合されていることに付加価値を見出しています。なぜこのようなことになるのでしょうか。なぜ、たくさんの「本当のことを知っている人たち」は黙っているのでしょう。

ひとつには、「コラーゲンは本当に肌に良い影響を及ぼさないのか?」という問いに対して、「絶対に及ぼさない」と完全否定できないということがあります。私たち科学者は、安易に「絶対」という言葉を使ってはいけないことを知っています。また、どこかで「コラーゲンなんて普通に動物性タンパク質を摂っているのと何も変わらない。コラーゲン配合を謳っているのはほとんど詐欺だ」などと発言した際に、「コラーゲン配合」を謳っているメーカーから名誉毀損で訴えられたりしたときに面倒くさいと思うのかも知れません。あるいは、「コラーゲンをありがたがっているのは単に無知なだけ。可哀相だけど、別に教えてやる義理はない」と思っているのかも知れません。

しかし、科学者や、そこに近い領域で生活している人たちは、ここで一度立ち止まって考えてみてください。科学者は、事実を前にしたときに、その事実に対して敬虔であるべきだということを知っているはずです。事実を尊重しなくてはいけないことを知っているはずです。科学とは、事実をさまざまな角度から見て、その背後に隠されている真理を理解することのはずです。私たちが、世の中に横行しているコミックサイエンスを黙認、許容することは、捏造、インチキ、擬似科学を受容することと何も変わりはないのです。確かに、「絶対にコラーゲンが肌に良い効果を及ぼさない」とは言い切れないかも知れません。しかし、「ほぼ間違いなく、良い効果は得られない」ことは知っているのです。そのことについて黙っていることは、事実に対する冒涜ではありませんか?そして、それを許容することは、自らの科学者としての存在意義を否定することになりはしませんか?

先日の事業仕分けの際、科学技術関連の予算に対して厳しい評価が下されたのは記憶に新しいところです。その原因は多岐にわたると思いますが、科学者以外の人たちに対して、科学者達がきちんとしたコミュニケーションを実施してこなかったことにも大きな原因があるとは思いませんか?私たちが知っている科学を、きちんと科学者以外の人たちに伝えていくことが必要なのではありませんか?

科学者は、科学を愛し、科学を推し進め、そして科学を有効に利用して、人々の暮らしが豊かになっていくことを希求しているはずです。科学は、人を騙すためのものではないはずです。そして、コミックサイエンスは、この思いに反するものです。この「科学のようなもの」は、科学者の存在意義を貶めるものであり、また、科学に対する信頼を毀損するものです。私たちは、「科学」と、「科学のようなもの」をきちんと見分け、それをわかりやすく情報発信していくことが必要だと考え、「コミックサイエンス撲滅委員会」を設立するとともに、以下の「コミックサイエンス撲滅宣言」を採択しました。

コミックサイエンス撲滅宣言
私たちは、私たちと私たちの子孫のために、科学による成果とそれがもたらす恵沢を確保する。

私たちはさまざまな自然現象の背後にある真理を尊重し、それを理解することにつとめ、そこから得られた知見を適切に社会に還元することを責務としていることを確認するとともに、科学の発展を念願する。

私たちは普遍的な自然法則に従い、それを有効利用していくことが責務であると信ずるとともに、科学と、科学に反する一切のものとを明確に分離していくことにより、科学の地位向上を目指すことを宣言する。


この宣言に同意してくれる方は、是非、みなさんの各種情報発信ツール(ウェブサイト、ブログ等)に委員会のバナーを貼り、このサイトへリンクしてください。そして、可能であれば、コミックサイエンス撲滅委員会に参加してください。このサイトでは、今後、様々なコミックサイエンスを取り上げ、その内容が科学的にどの程度正しいのかを評価して行きたいと思います。こうした活動が一般の生活者のみなさんにどの程度支持していただけるかはわかりません。しかし、多くの人たちが、「実際はコラーゲンって、どうなんだろう?」「特保ってどのくらい効果があるの?」と思っているはずです。そうした人たちに対して、わかりやすい言葉できちんと事実を伝えることは、非常に大事なことだと考えます。

みなさんのご支援、よろしくお願いいたします。

文責:コミックサイエンス撲滅委員会


追記:公式サイト、立ち上げました。興味のある方はこちらへどうぞ。

コミックサイエンス撲滅委員会

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魔神buuがまたもやってくれました。 コミックサイエンス撲滅宣言(草稿)@「コラーゲン食って肌がぷりぷりになるわけねーだろ(笑)」社長??.
コミックサイエンスなんかいらない【若だんなの新宿通信】at 2010年01月08日 22:25
コミックサイエンスってしってますか?Satoはその言い方はしりませんでした、他には疑似科学、なんて言い方もありますね。 今日はそんなコミックサイエンス撲滅運動が、Satoがたまに訪ねる”「コラーゲン食って肌がぷりぷりになるわけねーだろ(笑)」社長のブログ”で始ま...
コミックサイエンスってなに?【Sato log - Buzzaholic Meeting】at 2010年01月10日 17:39
この記事へのコメント
研究者です。

> ひとつには、「コラーゲンは本当に肌に良い影響を及ぼさないのか?」という問いに対して、「絶対に及ぼさない」と全否定できないということがあります。私たちは安易に「絶対」という言葉を使ってはいけないことを知っています。

まさに、これなんです。
ちゃんこ屋の「コラーゲンボール」に喜ぶ友人を前に、
「多分そんなことはありえないけれど、もしかするとこれを作っている会社が(ごく特殊な条件下でかもしれないが)何らかの効果を見出したのかもしれない。その論文のチェックすらせずにここで否定していいのか?あるいは、100年とか200年後にコラーゲン経口摂取の(やはりごく限られたケースでだけかもしれないが)効果が発見されるかもしれない。」と発言を逡巡してしまう。

「絶対」という言葉を使えない私達にできることは、「せめてもう少し疑おうよ」と言い続けることだという思いから、知識の普及より考え方の普及に重点を置いて、細々と草の根的に活動中です。

サイトの構築、楽しみにしています。
Posted by Y at 2010年01月08日 23:05
分野はまったくちがいますが研究者です。

ほんと、その通りだと思います。友人がはまっているクラスター水とか、もうちょっと疑ってみようよ、としか言えなくて、ちょっと歯がゆいです。偽薬効果が出てきたら、それはそれで否定出来ないので。でも、言い続けないといけないのでしょうね。

バーナーさっそくうちのBlogに貼っておきます。今後の広がりに期待します。
Posted by Sato at 2010年01月09日 00:44
> バーナーさっそくうちのBlogに貼っておきます。今後の広がりに期待します。

ありがとうございます。公式サイトを立ち上げるとともに、宣言内容、バナーデザイン等、少しずつ変更していますので、公式サイトの方をご覧いただければ幸いです。今後とも宜しくお願いいたします。

公式サイト:http://comicscience.seesaa.net/
Posted by buu* at 2010年01月09日 13:41
コラーゲンを食べても、それが体内でコラーゲンとして再合成される保証がどこにもないというのは普通の考えであるということには同意をしますが、経口摂取されたコラーゲンがコラーゲン生成を促す薬理作用を持つ可能性を否定するものではありません。あなたの論法では、「どんな薬も、そもそも健全な身体を構成する物質でもないのは高校の生物を習っていればわかる常識なのだから、すべての薬は無意味だと思うのが科学的な態度」ということになってしまいます。しかし多くの人は経験的に、あるいは薬とされるものは身体に機能するものであることを知っていますし、多くの場合科学的にも機能することが確かめられています。

あなたがコラーゲンは無意味と高らかに宣言するとき、最低限「実体験として無意味」、できれば「実験結果として一般の食品と、コラーゲンを強化した食品の間に有意差はない、あってもプラシーボ程度という議論の存在」が不可欠になります。両方共文章からは読み取れない以上、あなたの態度は不誠実かつ非科学的と断じられるものでしょう。

では実際に生理学の議論において、コラーゲンはどのようにみられているのでしょうか?
せめて以下のurlの内容ぐらい知った上で書くべきですね。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/yw/yw08020301.htm
Posted by gerogero at 2010年01月14日 13:08
> 経口摂取されたコラーゲンがコラーゲン生成を促す薬理作用を持つ可能性を否定するものではありません。

全くその通りですが、通常の生活で問題なく摂取できるありふれたタンパク質の薬理を説明するのは大変でしょうね。

> 「実験結果として一般の食品と、コラーゲンを強化した食品の間に有意差はない、あってもプラシーボ程度という議論の存在」が不可欠になります。

というのは、研究者が研究者として研究者と語るときの話だというのが僕の考え方です。「体内にこんなにありますよ、食べ物の中にもこんだけ含まれています、おまけに消化されるときはこんな感じに分解されます。普通に考えてどうなんですかね?気のせいみたいな気がしてきませんか?」ぐらいに感覚的に行きましょう、ということです。

で、別にこのスタンスに全ての人が立つ必要は全くないんです。特に「研究者」として自分のアイデンティティを主張したい人には、なかなか立ちにくい場所だと思います。だから、やりたい人がやれば良いだけ。

> せめて以下のurlの内容ぐらい知った上で書くべきですね。
> http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/yw/yw08020301.htm

また、随分と古いものを引っ張り出してきましたね(笑)このあたりはチェック済みです。
Posted by buu* at 2010年01月14日 14:58
科学に親しみのある人たちの感覚を世に発信できればよい、というスタンスをとるということは理解できたのですが、少しひっかかる部分があるんですよね。

まずそのスタンスが宣言文をまったく尊重できてないという点に違和感を感じます。宣言文では科学、科学と言うわりに、強調されているスタンスは感覚に大きく拠るものであって科学の手法とは逆行するものですよね。
>自然現象の背後にある真理を尊重し
とありますが、自然現象を尊重するのであれば実験データに拠らない感覚的な議論などできないはずです。それが科学というものでしょう。

百歩譲って宣言文は無視するとしても、今度はその感覚的なスタンスが社会で影響力を及ぼすためにどれだけ有効か、という疑問があります。というのはコラーゲンにしろマイナスイオンにしろ消費者がだまされるのはひとえに「なんだかわからないけど確かに利きそうな気がする」という感覚があるからなんですよね。感覚に対して感覚で対抗して、果たしてどれだけの説得力を持つのだろうかと。
ただしこの点に関しては期待する面もありまして、逆にそれが可能であるのならばどのような手法で今後展開していくのだろうかは楽しみでもあります。我々科学に近しい人間の科学的な感覚を一般の消費者と共有することができたら日本はどんなに豊かになるだろうかと思いますし、そのためには個別の議論に関して詳しい実験データなど必要ないとの意見にも賛成できます。ネットのプロによるネットでの啓蒙活動、わくわくする部分もありますね。頑張ってください。

蛇足になりますがネーミングについて。
個人的にはcomic scienceを「漫画の科学」と訳すのは無理があると思っていますが(そこに違和感を覚える人間の多さに驚いたぐらいですが)この活動が一般向けであるなら改名を考えられた方が僕にとってこの団体へのよりよい「期待感」が持てるなぁと思っております。
Posted by ya at 2010年01月15日 01:47
> 科学の手法とは逆行するものですよね。

科学の立脚するところから科学を主張することは、これまで沢山の人がやってきたし、これからもやっていくと思うのです。でも、他のやり方もあるよね、ということ。科学をやってきた人間が、感覚的に訴える、ということです。

> 実験データに拠らない感覚的な議論などできないはずです。

僕はそうじゃないと思ってます。科学をやってきた人間なら、科学の限界も分かるはず。宗教だって、芸術だって、恋愛だって、科学では説明できませんよね。で、科学者をやってきた人間が科学を感覚で語っても、別に構わないと思っています。僕はセンスとか、直感って、大事だと思っていて、それで語るのは別に全然構わないと思うんです。

#別に、嫌だっていう人を説得する気はないですが(笑)

> 果たしてどれだけの説得力を持つのだろうかと。

どうなんでしょうね?僕もわかりません。引き続き頑張る人は頑張れば良い。僕は別のアプローチが良いかな、と思っているだけです。どちらが良いとか、悪いとかの問題ではないはず。ところが科学者と言われる種類の人たちは、すぐに良い、悪いの問題に帰着させようとします。スルー力がないというのかな(笑)。

> わくわくする部分もありますね。

はい。今、僕の会社ではちょっと新しいシステムを作りつつあります。こういう、ふわっとした話を数値化するようなもので、結構うまく行きそうな気がしています(^^それをうまく利用できたら良いなと思っています。

> 改名を考えられた方が僕にとってこの団体へのよりよい「期待感」が持てるなぁと思っております。

そうかも知れないんですが、僕は言葉狩りが大嫌いなので、このままで良いかな、と思っています。別に言葉に特段の思い入れがあるわけではないのですが、「変えろ」と言われたら、「嫌だね」って答えるのが僕の個性で(笑)。
Posted by buu* at 2010年01月15日 02:16