2010年02月09日

そろそろ衰退期に入ったと思われるTwitterに関する今日の個人的見解

先日、UCCが下手なマーケティングを展開してTwitter内で問題が起きたけれど

知らない人は以下をご参考に
tokuriki.com「UCCのTwitterマーケティング炎上事例に見る、マスマーケティングとソーシャルメディアマーケティングの境界線

smashmedia「UCCのTwitterキャンペーン

こういうトラブルは技術の導入初期には良くあることで、Twitterが今更珍しいとも思わないけれど、企業が導入していくという意味ではまだ初期かも知れず、だから「まぁ、仕方ないよね」と思うし、UCCにとっても炎上マーケティングとまではいかないものの、知名度がアップしたんだから結果的にはそれほどネガティブな話ではないかな?とも思う。回収方法さえ間違わなければ「まぁ、結果的にキャンペーンの知名度があがったよね」とか、前向きに考えてもらえる可能性も低くない。大体、そんな大騒ぎするような話でもないと思うし。ただ、僕はそもそも「自動的に」という部分が好きじゃなくて、だから僕のクライアントさんたちに対してこういう手段を勧めることは将来的にもないと思うのだけれど(ちなみに僕はフォームについても反対派で、「こんな、運営サイドにばかりメリットがあって、記入する側にメリットのほとんどない手法はやるべきではない」と思っていたりもする。中にはどうしても必要で、設置する場合もあるけれど、その際はきちんと好ましくないと思う理由を説明している)、まぁ、技術的に可能である以上、やる人がいても仕方ない。面白ければ良いしね。っていうか、面白くなかったことが問題なんだろうけど(笑)。

それより何より、気になるのは「Twitterって、ビジネスに使えるの?」ということである。

結論だけ先に書いちゃうと、「マーケットに対する一つのパイプラインとしては使える」という当たり前のもの。だから、使いたい人は使えば良い。でも、Twitterというウェブ空間が商用利用ばっかりになっちゃったら、それはそれで面倒なんだよね。そして、結局は口コミマーケが抱えている大きな問題に帰着していくことになる。

口コミマーケで問題になっているのはそれが「個人の感想」なのか、「広告」なのか、その見分けが難しいということで、これについては米国ではすでに規制の動きが出ているようだから、そのうち日本でも同じようなことが提唱されるんだと思う。で、「広告って明示されているなら、Twitterも使える」ってことになれば、当然広告の濃度が高くなるわけで、広告なんかいらねぇ、っていう層にとっては居心地の悪いものになる。

いや、広告って、本来は悪いものじゃない。良いもの、良いサービスに関する広告が、それを求めている人(本人が自覚しているかどうかは無関係)に届くなら、こんなに良いことはない。

何しろ、口コミマーケの世界は、良いものは売れるし、悪いものは売れない、という「当たり前っちゃあ当たり前なんだけれど、実際のところ全然社会ってそんなことはないよね」という部分を是正するために有効なシステムなわけであって、そもそものところ、「金さえかければ駄目なものだって売れちゃう」という現状を打破するために、マーケットから自然に生まれてきたもの(っていうか、昔から存在したものが、ネットによって顕在化しただけ)。だから、新しいシステムが出てきたとしても、それが「金さえかければ」サイドのものだったら、どうしたって排除方向に反応が進んじゃう。でも、大企業の論理としては、「そうは言ったって、売らなくちゃ、抱えている社員の給料が払えません」ってことになるから、「利用できるものは何でも利用しろ」ということになる。じゃぁ、落とし所はどこですか?って、そりゃぁ、「広告は広告で、そっちでやっておいてください」みたいなところなんだろう。そういう棲み分けはなんとなく、徐々に、暗黙的に、進んでいるんだと思う。

ところが、件のUCCなんかは、その垣根をぽーんと飛び越えてみせたわけだ。そりゃ、領空侵犯って思う層がいても全然不思議ではない。僕の場合はコーヒーってまず飲まないし、Twitterはおろか、ブログですら「コーヒー」なんて単語はまず使わないので、コーヒーという単語に自動反応したスパムつぶやきが送られてくる危険性はほとんどないし、そもそも僕は人のつぶやきを丹念にチェックもしていない(デフォルトがスルー)ので、そういうシステムがあっても全然構わないんだけれど、構う人もいるはずだし、そちらがマジョリティなのかも知れない。ま、そちらがマジョリティならもっともっと炎上しても不思議ではないのだけれど、そのあたりはあんまり問題じゃないのでスルー。要は、そういうマーケ手法を不快に思う人がいるということで、これはイメージ重視の大企業においてはあまり好ましくない。結果的に「これは駄目」ということになるわけだ。

ところで、僕の会社で運営しているいくつかのSNSでは企業アカウントの設置を認めているんだけれど、これはどういうことかって、「○○社のコミュです。お得情報にいちはやくアクセスしたい人はこのコミュに参加してください」みたいなことをオッケーしているということ。そのコミュに入る、入らないはSNSの会員の自由意志だから、そのコミュという閉鎖空間においては企業はかなり自由に広告活動を展開しても構いません、というスタンス。でも、実際にはこれをやっている組織は全然ない。実際にはいくつかのコミュがあるんだけれど、ほとんどワークしていないのが実情。なぜなら、一般の人たちはSNSの中の、さらに企業コミュニティに入ってまで、企業の広告を読みたいとは思っていないのかも知れないし、あるいは企業側がまだ上手にそういったシステムを使い切れずにいるのかも知れないのだけれど、とにかくSNS内での企業広告というのは、それほどうまくワークしている感じではない。

Twitterにおいても、同じようなことはもちろん可能で、「お得情報にアクセスしたい人は、フォローしてね」みたいなやり方が考えられる。確か、ナイキとかがそんな主旨のものを展開していたはず。これはこれで悪くないと思うけれど、Twitterをやっている層って、訴求しても買ってくれない層というか、新しい技術には興味があっても、商品にはそれほどの興味がない層な気がする。主観だけど。だから、Twitterというのは、情報としては流通スピードが速くて、なんか効果が期待出来そうな気がするんだけれど、その実、「あんまり購買行動に直結しないなぁ」なんてものなんじゃないかと思う。

それより何より、前から何度も指摘しているんだけれど、ちょっとズレていると思うのは、Twitterの内部の人たちがTwitterに対して過剰な期待を寄せているところ。まぁ、初期アダプター(採用者)としてベタボレするのはそれほど珍しくもないし、それを過大評価するのも不思議じゃないし、あれもできる、これもできる、と色々イメージをふくらませるのも悪いことではないと思う。でも、重要なのは、Twitterと言えども、所詮は「声の大きい人の声が伝わるシステム」であって、それは有名人アカウントが物凄い勢いでフォロワーを増やすことからもわかる。その一方で、どこのダレだかもわからない人たちのつぶやきなどは基本的にスルーされているだけなのだ。昔、ブログで、「折角書いてもアクセスが増えない」という悩みを何度も聞いたけれど、そんなの当たり前で、つまらないブログなんか誰も見ようとは思わない。Twitterも一緒で、つまらないつぶやきなんか、すぐに飽きられちゃう。みんな面白いものを読みたいんだから。でね、ブログだって勝ち組と負け組が形成されて、それが固定化してきたわけで、そういう意味ではTwitterも、やっているのはすでに初期アダプターなんじゃなくて、初期マジョリティになっているとも言える。もう、二極化が進みつつあるから。二極とは、一つは「フォロワーは少ないけど、楽しいから別にオッケー」という層と、「今まで自分のことを聞いてもらえなかったけれど、Twitterでは聞いてもらえている」と、フォロワーが増えて嬉しい層。それで、次に何が起きるのかって、それはミクシィで起きたことと似たものになるんじゃないかな、というのが僕の私見。それは以前、

衆愚化を絶対に回避できない一般参加型ネットサービス


で書いたわけだけど、Twitterが比較的大きなシステムだからこそ、衆愚化は避けられないし、ネタの消費スピードの速さを考えると、その変化はミクシィよりずっと早いと思う。まぁ、だからTwitterが駄目だとかそういうことではなくて、そんなものだよね、ぐらいのことである。

それで、僕とかは行政にもちょっとだけ近い場所にいるので、そっち方面の動きも横目で見ることができたりもする。そんな中で、「国民へのパイプラインの一つとして」という考え方があって、それはそれで悪くないと思うし、まぁ、やれば良いんじゃないの、と思うし、僕がもしそういうポジションに行けばやっぱりやると思うけれど、問題になるのは「Twitterをやっている人なんて、実際はほんとに限られた人であって、やっている人たちも、情報収集の手段として絶対的な信頼を寄せているわけではない」ということ。だって、Twitter上の情報は物凄い勢いで消費されるわけで、それがスルーされてしまう可能性は非常に高いわけ。そして、わざわざ数時間前までタイムラインを遡るなんてことはしないのが普通。「じゃぁ、私の意見を聞き逃さないように、きちんと私だけフォローしておいて」とか言えるわけでもなく、何が言いたいかって、球を投げるのは勝手だけれど、それは投げっぱなしであって、受け取ってもらえること、拾ってもらえることは期待できないし、投げ返してもらえるなんて、もっと期待できないっていうこと。結局、行政とかが「コミュニケーションしよう」と思うなら、やっぱ、それは対面がデフォルトであるべきで、ツールとしての選択肢としてはあり得ても、Twitterをやっているから胸を張れるかと言えば、全然そんなことはないよね、ということ。一部の人間との距離は近くするかも知れないけれど、その「一部」っていうのは本当に一部で、しかもその数が今後増えるのかと言えば、あんまり増えないと思う。

ただね、政治家とかは、今、異常にTwitterに期待している。だから、もしかしたら、政治的な圧力で普及するのかも知れないけれど(笑)でも、それならこんな海外発のサービスにタダ乗りするんじゃなくて、国産サービスを開発しろよ、と思わないでもないけどね(笑)。個人的には、140文字はちょっと長すぎるので、31文字プラスマイナス5ぐらいの、「Utattar」とかでどうかと思うんだけどね。「Twitter そろそろ飽きた もうちょっと 少ない文字で 歌うのが良い」みたいなね。やっぱ、和歌が良い。

どうでも良いけど、僕は僕をフォローしてくる人たちの中で、アフィリエイト目的とか、あからさまな商用目的の人たちをリスト化している。「ウザイアフィリエイター達」と「ウザイスパマー達」なんだけれど、このリストを時々眺めるのは結構面白かったりする。いや、ざっと見るだけだけど、「頑張っているなぁ」っていうのだけは伝わってくるので(笑)。

そういえば、地道に少しずつ加筆しているTwitterの使用上の注意はもうすぐ20項目ぐらいになります。個人でも、企業でも、これから使いたいと思う人はご参考に(今更個人で始めてもあんまり面白くないような気もするけど)。

Twitterの使用上の注意

で、結論は何かって、そりゃ、タイトルに書いてある。Twitterはそろそろ衰退期だよね、ってこと(笑)。最後まで読んでくれてありがとうございます。

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