2010年02月25日

神奈川県スキー連盟会長、文部科学省スポーツ・青少年局競技スポーツ課、文部科学大臣あて、公開質問状

VIC小林の国体出場について、財団法人日本体育協会(以下、日本体育協会)と数回やり取りをしたが、途中で返答がなくなった。日本体育協会の最終決定はおおよそ納得の行かないものなので、引き続き対応していきたい。今回は第三者である弁護士の見解を踏まえての反論である。日本体育協会は回答を拒否しているので、神奈川県スキー連盟会長河野太郎氏、文部科学省担当課、および文部科学大臣に質問することとしたい。

なお、河野太郎氏をはじめ、今回初めて主張する方々においては、経緯が不明な点もあるかと思うので、まず今日に至るまでの経緯を記載(以下、1〜5項)する。

1.ライブログ社員小林幸世が神奈川県スキー連盟主催の国体予選で2位となり、神奈川県スキー連盟から推薦を受けた。

2.後日、神奈川県体育協会に対して匿名の投書があった。内容は以下の通り(抜粋)

このたび行われました国体スキー競技会神奈川県選考会におきまして、アルペン競技にて国民体育大会への派遣選手として推薦されている選手について、神奈川県代表として派遣してよろしいものかという疑問がありまして、投書させていただきました。

小林幸世(VIC 小林)選手ですが、勤務先が神奈川ということにしているようですが、居住地は栃木県日光であり、彼は海外を転々としている選手です。所属している「赤い彗星」というチームに在籍する人の会社(螢薀ぅ屮蹈亜砲名義上は横浜となっており、そこの社員ということになっているようですが、この会社はWEBでのショッピングを取り扱っている会社で、お店の実体はありません。したがって、国体選手規定にもあります「勤務実態があること」は、小林選手にはあてはまらないと思います。小林選手は、自身のブログにプロフィールは「無職」と書いてあります。


3.この投書を受けて、神奈川県体育協会が小林幸世にヒアリングを実施。その内容(ヒアリング内容は後掲する日本体育協会からの返答に記載)から、派遣選手として不適との判断が下された。

4.この判断に対して不服に思った株式会社ライブログ代表取締役CEOは、神奈川県体育協会を通じて以下の質問状を提出し、再検討をお願いした。

日本体育協会の判断について

2010/2/1
株式会社ライブログ
代表取締役CEO 元木一朗

○勤務地の定義
「雇用者と雇用契約を締結した上で、現に主たる勤務実態を有する会社等の所在地を指す」(「国民体育大会参加資格、年齢基準等の解釈・説明」より抜粋)

○小林幸世の現状
1.小林幸世は、株式会社ライブログの社員であり、勤務実績がある。
2.株式会社ライブログの本社は神奈川県横浜市であり、支社、事業所などは存在しない。
3.小林幸世は他社との雇用締結を一切行っていない。
4.バンクーバー五輪スキークロス出場を目指し、年の半分以上を海外合宿に費やしていた。
5.小林幸世の株式会社ライブログにおける主たる業務は「スキー板のチューンナップ」、「新コンセプトスキーワックス定着剤の広告、販売」、「新コンセプトスキーワックス定着剤のテスト」、「スキートップ選手との交渉」、「ワックスメーカーとの交渉」であり、これらの活動は合宿先や都内が中心となっている。
6.一昨年より神奈川県スキー連盟からFIS、SAJ登録をしてFISレース等に出場してきた。国体予選に出場した経験はなかったが、正式にバンクーバー五輪出場枠から漏れたことを機にスキークロスを引退、1月に実施された神奈川県スキー連盟主催の国体予選に出場、2位となって県連の推薦を受けた。
7.株式会社ライブログは派遣会社ではなく、小林幸世は派遣されて他社に勤務しているわけでもない。あくまでもライブログの業務として出張先で作業をしているだけである。

○株式会社ライブログについて
2005年創業。本社は神奈川県横浜市。主たる業務はインターネット関連事業、スキー販売(ネット中心)、スキーワックス開発、ゲーム制作、CD販売(ネット中心)等である。会社のスキー部が横浜スキー協会所属の「赤い彗星」である。

○株式会社ライブログの判断
小林幸世の業務内容から、神奈川県に存在する本社での活動は不可能であり、結果として、本社への出社回数は非常に少ないが、「主たる勤務実態を有する会社等の所在地」は間違いなく神奈川県である。国体の参加資格に関する解釈・説明と照らしても、小林幸世が国体に「(イ)勤務地」から出場する場合は神奈川県を除いては他に存在しない。

○ライブログの見解
以上より、日本体育協会の判断は状況を正確に把握しているとは言えず、再検討をお願いしたい。


5.これに対して、日本体育協会からの返答は下記の通り。

株式会社ライブログ
 代表取締役CEO 元木 一朗 殿

過日、お問合せいただきました件について、下記の通りご回答いたします。

この度の当該選手に関する情報として、去る1月29日(金)に神奈川県体育協会を通じて、本会が確認した内容は次の通りです。
・ 当該選手は神奈川県内に所在する会社(以下、所属先会社)と雇用契約を締結・在籍し、給与の支払いを受けているといった「雇用の実態」がある。
・ 所属先会社には、週1回程度通勤している。
・ 栃木県にある居住地を拠点として、インターネットを介して、所属先会社と業務上のやり取りを行っている。
・ 当該選手の業務内容は、雪のある地域でのワックス等のデモ販売等となっている。シーズン中は、全国各地を転々としながら営業活動を行っているが、この際も自宅(栃木県)を拠点として全国を移動している。
・ 当該選手の勤務活動は、1年の約半分程度を栃木県の居住地で、他半分程度を全国各地で行っており、年間を通して固定的な勤務活動地はない。

次に「勤務地」の解釈として、資料の記載箇所 嵎神21年4月30日以前から本大会参加時まで引き続き、雇用者と雇用契約を締結した上で、現に主たる勤務実態を有する会社等の所在地」について、その趣旨をご説明いたします。
この解釈としては、資料の記載箇所△砲睥禺┐靴討△訥未蝓◆峩侈垣茵廚箸蓮雇用実態がある所属先会社所在地ではなく、実際に当人の勤務活動の実態を有する所在地が属する都道府県を指しております。
なお、資料の記載箇所△砲いては、支社勤務を例示しておりますが、この意図するところは「勤務先」の所在地に係る考え方として、「主たる勤務実態を有する会社等の所在地 = 主として実際に労働活動を行っている場所」を意味しており、支社・加盟社・在宅勤務等、勤務先所在地の形態について定義しているわけではございません。

以上のことを照らし合わせますと、貴社と雇用契約が締結され「雇用の実態」を有していることは認められるものの、実際の勤務活動については、自宅である栃木県を拠点として行われておりますので、今回のケースにおいては、「勤務先」を神奈川県とすることはできないと判断いたしました。

なお、お問合せのありました当該選手が属する本来適切な「勤務地」の都道府県については、最終的な判断をする場合にはさらなる調査が必要となりますが、当該選手の勤務活動において「在宅」を中心とした実態が認められた場合、在宅地が属する栃木県を「勤務先」とすることができると考えられます。
ご参考まで、国民体育大会に参加する選手・監督の所属都道府県(成年種別の場合)の選択については、「居住地を示す現住所」、「勤務地」、「ふるさと」のいずれを選択する場合であっても各々の要件を満たさなければ、資料の記載箇所にも明示している通り、結果的に所属(参加)都道府県を選択することができない場合もあります。
また、ご承知のことと存じますが、当該選手における所属都道府県としては、お問合せいただきました「勤務地」の他、各々の要件を満たすことが前提ではありますが、「居住地を示す現住所」及び「ふるさと」を選択することもできます。蛇足とは存じますが、誤解なきよう付記いたします。

国民体育大会の参加資格については、大会実施要項において定めており、その解釈・説明の資料として、添付ファイル「4-2 参加資格解釈 090324.xls」の通り、資料を作成の上、全国の都道府県体育協会及び国体実施中央競技団体をはじめとする関係各機関・団体に対し広く周知するとともに、理解の促進を図るため本会ホームページ上でも公開しております。
しかしながら、今回のケースのように勤務活動実態を含む現代のライフスタイルは多様化しており、同添付ファイル資料に記載した内容だけでは、個々の細かな事例に当てはめ、一切の間隙が生じないように定義し、表記することは困難であると思われます。よって、資料の記載箇所い房┐靴討ります通り、参加資格において疑義が生じた際には、最終的に本会で審査・決定することとしていることをご理解ください。

なお、冒頭にご指摘のありました「派遣会社からの派遣」の件に関しましては、あくまでも類似の事例として、理解の促進が図られるよう例示したものであり、本会において貴社が派遣会社であるといった認識は当初からございません。
この点を含め、本会では去る1月29日(金)に神奈川県体育協会より電話にて問合せのあった当初から、上記記載の各内容について、同協会に対し、口頭で丁寧に説明いたしましたが、その主旨・内容が十分に伝わらず、今回の事態を生じさせた発端となっているのではないかと、本会としても遺憾に感じております。

最後に、今後の当該選手のご活躍を祈念いたしますとともに、この度のお問合せに対するご回答が遅くなりましたことにつきまして、ご理解いただきますようお願いいたします。

平成22年2月10日
財団法人日本体育協会 
 国体推進部長 西田 晴之


なお、別添でエクセルの資料があるため、若干わかりにくい部分はあるものの、以下の反論に当たってはそれほど大きな問題が生じないので、エクセルの資料については今回はアップしない(要望があればいつでも公表可能)。

以上がこれまでの経緯である。

さて、今回、焦点は「主たる勤務実態を有する会社等の所在地」という記述の解釈である。一般的に言えば、この解釈は「勤務実態を有する『会社等』のうち、主たるものの所在地」となるはずである。ここでの「会社等」とは、例示で「本社」「支社」などとされていることから、会社の事業所等と解釈するのが妥当と判断されるし、その点については弁護士にも確認を取った。ところが、今回の日本体育協会からの回答書では、「主として実際に労働活動を行っている場所」という新しい概念を提示している。「会社等の所在地」を「労働活動を行っている場所」と解釈するのは非常に困難で、例えば電車の運転手、飛行機のパイロットやキャビンアテンダント、さらには宇宙飛行士などはどこを「実際に労働活動を行っている場所」とするかは判断が非常に難しい。何より、「実際に労働活動を行っている場所」を客観的に証明することは非常に困難であり、また、実際の労働状況の変化によって、その都度勤務地が変更になってしまうことも問題が大きいと判断せざるを得ない(例えば、保険の営業業務を行っていた東京支社の人間が前年は埼玉担当、今年は神奈川担当、翌年は東京担当などと変更になった場合、その都度勤務地が変更になってしまう。あるいは、在宅勤務で週の半分を自宅、残りを会社で行っていた場合、その所在地が他都道府県にまたがっていた場合に、勤務地を自宅と会社所在地のどちらが適切なのか、判断がつかないことになる)。国体出場の都道府県が勤務状況によってその都度変更してしまう可能性があるのは合理的ではないし、それを証明する方法も難しい。最も合理的な判断は、所属する会社の所在地であって、これは定款等で客観的に証明可能であると同時に、「居住地」が住民票によって証明できることと対称性がある。

仮に勤務地を「実際に労働活動を行っている場所」という新解釈を日本体育協会が提唱するのであれば、まず勤務地に関する記載を「現に主たる勤務実態を有する勤務地を指す」とすべきである。

今回の判断にあたり、日本体育協会は自らがウェブサイトで表記している「現に主たる勤務実態を有する会社等の所在地を指す」という文章について独自の見解を示したわけだが、まず、その解釈には日本語としての標準的な解釈と乖離があり、もし本当に見解通りの意図を以てウェブ上にそれを記載しているのであれば、著しく不適切であると判断せざるを得ない。表記に瑕疵があって、その結果、ライブログ社員の小林幸世の出場資格を欠格とするのであれば、それは到底納得がいかないものである。また、そもそも今回提示された独自の見解は運用上大きな問題があり、適正に運営可能なものとは考えられない。小林幸世の欠格という結論ありきの後付の理論に読めるし、もし今後、今回提示した見解通りの運用をするならば、実質的に「勤務地」は自由に設定できることとなる(証明の方法がないのだから、「私は○○県で主として働いております」と主張する限り、それを覆すための手法が存在しない)。

以上より、私は、財団法人日本体育協会国体推進部長西田晴之氏が返答した内容には到底納得ができない。国体開催は目前に迫っており、どのような手法によって抗議するのが適切かは判断ができないが、日本体育協会は返答を拒否していることから、神奈川県スキー連盟河野太郎氏(ウェブサイトから投書)、文部科学省スポーツ・青少年局競技スポーツ課(ファックス)、および文部科学大臣(ファックス)に宛てて、再度質問を提示することとした。

質問内容
1.勤務地は、「「現に主たる勤務実態を有する会社等」の所在地」ではなく、財団法人日本体育協会国体推進部長西田晴之氏が提示した、「現に主たる勤務実態を有する勤務地」という解釈で良いのか。

2.仮に財団法人日本体育協会国体推進部長西田晴之氏が提示した「現に主たる勤務実態を有する勤務地」を意図したものだとすれば、現在の「現に主たる勤務実態を有する会社等の所在地」という記載は不適切ではないか。

3.仮に2の通り記載が不適切だとした場合、不適切な表記をしている瑕疵は財団法人日本体育協会にあり、それによって小林幸世を欠格とするのは不適切ではないか。

4.小林幸世は複数の都道府県および海外で分散して弊社の営業活動に従事しており、その観点からすれば神奈川も「主たる活動場所」の一つとも考えられるが、それはどう解釈すれば良いのか。

5.4の場合、弊社及び小林幸世は、その事実をどうやって客観的に証明すれば良いのか。


なお、本質問状は2月13日にすでに日本体育協会に宛ててメール送信してあるが、25日現在、返答はない。結果として、小林幸世の今年度の国体出場は絶望的な状況となってしまった。この事態をどう考えるのか、関係諸氏にお伺いしたい。


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3月5日追記1
このエントリーに関連して下記のエントリーを公開していますのでご参考まで。

周回遅れで内容証明を送ってくる日本体育協会

日体協の主張に対する重大な疑義を含んでいますので、是非ご覧になってください。福岡県や佐賀県から出場している有力選手達は果たして日体協の主張する基準を満たしているのでしょうか?僕はその調査は非常に困難だし、第三者を納得させることは不可能に近いということを日体協に提示していますが、日体協は頑なに自らの主張を曲げません。是非、僕を説得できるような材料を示してもらいたいと思っており、その旨、日体協には要望を出しました。

3月5日追記2
オリンピックでも同じように不透明な選考が行われているという報道がありました。こちらについてもご参考まで。

オリンピックの出場権は事務方のおもちゃじゃない


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この記事へのコメント
スキー競技だけでなく、テニス競技他にも疑わしい選手は沢山いると思います。特に開催県は・・・。日体協は、その辺を見逃しているとしか思えませんね。
Posted by aaa at 2010年03月10日 23:23
> スキー競技だけでなく、テニス競技他にも疑わしい選手は沢山いると思います。特に開催県は・・・。日体協は、その辺を見逃しているとしか思えませんね。

僕はテニスの方は良くわかりませんし、開催県を勝たせるために所属選手をコロコロ変更するのは論外だと思っています。

僕たちのケースは全然違います。VIC小林はライブログのスキー部であるところの赤い彗星に所属し、各種レースにおける新聞報道でも所属赤い彗星として扱われてきました。たとえばこんなのがあるわけですが。

http://www.inawashiro2009.jp/wordpress/wp-content/uploads/2009/02/athletes11.pdf

それでも国体には出られないっていうのは、どう考えてもおかしいと思うのですが、日体協的にはおかしくないというのだから、ちゃんと納得できる説明をしてくれ、その説明通りにきちんと運用していることを証明してくれ、ということです。
Posted by buu* at 2010年03月11日 09:22