2010年03月14日

Golden Best ~15th Anniversary~(ZARD)

Golden Best ~15th Anniversary~ (通常盤)

90年代に一時代を築いたZARDのベストアルバム。坂井泉水さんが慶応病院で階段から落ちて亡くなったときにちょっとしたブームがあったけれど、そろそろ沈静化したんだろうか。この二枚組は亡くなる半年ほど前に出ていたようだ。

まとめて聞いてみると、アーティストパワーが落ちたというよりは、アーティストをプロデュースする力というか、熱意というか、坂井さん本人とは別のところでのパワーが落ちている気がする。初期の頃はお世辞にも歌がうまいという感じではないし、独特のパワーがあるという感じでもないんだけれど、それでも聞いていて心地よくなる性質があって、それだけでCDが売れた要因になったと思う。

それにしても、この時代、90年代前半というのは、僕たちがほとんど全てのバンド、歌手の歌を聞いていた時代だった。ラジオやテレビで流れる曲、あるいはCDが発売される曲が世の中に存在する楽曲の全てだった。今みたいにスタジオがあちらこちらにあって、自分たちで自分たちのの曲を作って、録音して、それをネットに載せるなんてことはできない時代(逆に言えば、今はそれこそ星の数ほどに楽曲が存在して、それをきちんとチェックするなんて不可能な時代)。だから、世の中に知らない曲なんて存在しなかった。そして、そんな時代に「テレビに出ない」「雑誌にも出てくるのは坂井泉水さんの写真だけ」という情報欠乏状態を作り出し、それで大ヒットにつなげたんだから凄い戦略だったと思う。

曲を聞くと、うーーーーん、ちょっとやっぱり、もう古いかな。

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