2010年03月14日

口コミマーケティングのガイドライン

口コミマーケティングに関するガイドライン、「今日発表されますよ」というニュースはあったけれど、肝心のガイドラインについては全然注目が集まっていないようで(笑)。でも、ちゃんと発表されていました。見つけるのに苦労したけれど。

WOMマーケティングに関するガイドラインを発表しました!

折角だから全文転載します。

<前文>
情報社会の進展に伴い、消費者自身が情報発信するソーシャルメディアが影響力を増している。メディア空間に集積され、再編集された情報は「集合知」として、従来にない知の体系を構築しつつあるが、「知」が社会や消費者にとって有用であるためには、個人の健全で率直な情報発信が妨げられないことが重要となる。このような「知」こそWOMマーケティングの基盤との考えに基づき、WOMマーケティング協議会では基本理念とガイドラインを定め、関係する団体や人々と力を合わせ、ソーシャルメディアの発展に貢献することを目指すこととした。

<WOMマーケティング基本理念>
1. WOMマーケティングに関わるあらゆる人、組織は、正直に、良心に基づいて行動しなければならない。

2. 消費者の利益にならないものは、WOMマーケティングではない。消費者が正しく、多様な情報を得る権利を最大限尊重する。

3. 口コミは自発的なものである。金銭で生み出されない。誰からも強要されず、発信者の自由意思が尊重される。

<WOMマーケティング活動ガイドライン>
1. (関係性明示の原則)WOMマーケティング事業者は、どのような関係性において、WOMマーケティングが成立しているかについて、消費者が理解できるようにしなければならない。関係性とは、原則として金銭、物品、サービスの提供とする。

2. (社会啓発の原則)WOMマーケティング事業者は、1が実現するように必要な啓発活動を行うとする。


なんか、かたっ苦しいので、ちょっと砕いてみた。

前文
インターネットが普及して、誰でも情報を発信できるようになったおかげで、口コミの影響力って増大しているよね。でも、こういう口コミって、本来、誰かに操作されるようなものじゃないよね。ってことで、そういう圧力がかからないようにしたいよね。

基本理念
1.口コミマーケティングに関わる人は、清く正しく美しくあるべきだよ。

2.消費者の利益にならないなら口コミマーケティングじゃないよね。

3.口コミはお金とかで誘発されるようなものじゃないよ。

ガイドライン
1.口コミマーケティング業者は、ブログとかTwitterとかで宣伝してくれる人に対して何を与えてその記事を書かせているのか明記する必要があるんだよ。

2.みんな、それを守ろうぜ。


あぁ、なるほど、凄い自己矛盾を抱えているガイドラインだな、これ。だからみんなアホらしくて引用しないのかな(笑)?。基本理念で「口コミはお金で誘発されるものじゃないよ」って宣言しておきながら、ガイドラインで「口コミマーケティング業者は、書いてくれている人たちにお金とかサービスとか、何を提供したのか明記しろ」って、そういう、お金とかで誘発されたものは口コミじゃないって自分で宣言してるのに(笑)なんでそれを認めているんだ。明記すれば構わないっていうのはおかしいだろ。

口コミマーケティングなんていう言葉で誤魔化すからおかしいんだよね。「ブログやTwitterで個人がやる広告活動」でしょ?「個人マーケティング」とかにすれば良いじゃん。口コミじゃないんだから。

でもまぁ、「これはお金をもらって書いた広告です」とか明記されるなら、まだいっか。ちゃんと機能するのかなぁ?かなり懐疑的ですが。罰則もないし。

ちなみに、理念の2みたいな、建前を書くのはなんかアホらしい。消費者の利益って言ったって、全部の消費者の利益になるものなんてないでしょ。今、テレビで流れている広告だって同じ。例えば食べ物の広告はダイエット中の人にとっては迷惑。ひとりでも「役に立った」っていうことでオッケーっていうことなら、基本的に何でもオッケーだよね。この一文、意味なし。

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