2010年07月01日

ブラジルに向けて

日本のワールドカップが終わった。

ネットを見ているといろいろな意見があって、別にそれで構わないと思うのだけれど、僕の個人的な感覚とはずいぶんとかけ離れている部分が少なくない。もちろん、同意するところもあるけれど。

まず、日本は大健闘した、という意見。これには概ね同意する。

しかし、岡田監督が頑張ったという意見。これには正直同意しかねる。岡ちゃんがやろうとしたのはもっと全然違うサッカー。でも、直前になって結局それが無理だってことに気がついた。そして、選んだ方針は、それほど新しいものではなかった。今持っている戦力で負けないサッカーをやるなら、まぁそれだよな、という戦術。ディフェンスを増やし、守備を安定させ、カウンターを狙う、というもの。これなら、オシムのあとにやってもすぐにできたサッカーである。これをやるなら、最初からこの方針で2年半やったほうが結果は良かった可能性が高い。ただ、勝負事はどうしたって不確定要素がつきまとう。最初から守備重視でやっていてグループリーグを勝ち抜けていたかどうかはわからない。

今回、日本の成績を決定づけたのはあのカメルーン戦の一発に尽きる。ほめられた試合運びではなかった。ただ、相手の注意を徹底的に右サイド(相手にとっては左サイド)に集中させ、ここぞというところで相手の注意が希薄になった左サイドにパスを通し、そしてその唯一のチャンスをものにした。この勝負強さは相当なものだが、博打に勝ったに過ぎない。勝つべくして勝った試合ではなかった。続くオランダ戦は大負けさえしなければ良い試合だったし、デンマーク戦は勝つしかないデンマークがふらふらと前に出てきたところをもぐら叩きよろしくフリーキックで試合を決めた。カメルーン戦での本田の一発がなければ、全試合1-0で負けていても不思議ではなかった。

日本の敗退が決まった今、「もっと攻撃的なサッカーをするべきだ」という意見を多く見かける。確かに、点が取れなければ話にならない。そして、今回のワールドカップで日本がとった作戦は、「点を取られなければ負けることはない」というもの。でも、点を取られなくても運が悪ければPK戦で負けてしまうのだ。だから、点を取りに行くサッカーをしなくてはならないのはもちろんである。ただ、それがすなわち攻撃サッカーを意味するのではないと思う。日本がアルゼンチンやかつてのブラジル、クラブで言えばレアルやバルサのようなサッカーが出来るかといえば、それは非常に難しいと思う。それは、個人技がないからだ。日本はどうしたって組織的なサッカーを展開せざるを得ず、そしてそのためにはまず組織的な守備と動きがベースになる。そんなサッカーは見ていて楽しくない、という意見は正しいが、2-5で負けるよりも1-0で勝つサッカーを目指さざるをえないのが日本の現状だ。

では、そのためには何をすべきか。今回のワールドカップで、日本の守備はそこそこ世界に通用することがわかった。パラグアイのミスに助けられた部分は少なくなかったし、局面によってはラインを下げすぎてメッタ打ちにあったり、ボールを放り込まれるだけの単純な攻撃に翻弄され、セカンドボールを全く拾えなくなるといった場面もあるにはあったが、二枚のセンターバック、運動量の豊富なサイドバック、それらを的確にカバーするディフェンシブハーフの動きはなかなかに見事だった。ならば、そこからどうやって攻撃を組み立てるか、である。そこで期待されるのは、本田、岡崎、そして香川の3人である。このメンバーをどう使っていくか、ここに日本代表の将来がかかっている。その将来は、決して暗くはない。

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