2010年07月20日

トイ・ストーリー3

4f4477a3.jpgちょうど同じ時期に日米を代表するアニメ映画会社が作品を出してきて、しかも双方にはおもちゃと小人という、非常に低い視点を持つ主人公という共通点があり、どうしても比較してしまうところ。ということで、二日続きで両作品を観てみた。トイ・ストーリー3については川崎の109でIMAXをK-21(エグゼクティブシート)で鑑賞。

借りぐらしのアリエッティのレビューはこちら

結論から言ってしまえば、両者の対決の結果はトイ・ストーリーの圧勝。トイ・ストーリー3にはほとんどどこにも欠点が見つからない。

アリエッティでは「ジブリってこんな感じで音を使うんだったっけ?」と不思議に思ったけれど、トイ・ストーリーではそもそも音の存在自体を気にすることがなかった。つまり、完全に映画と一体化していたということ。違和感がない、これが全てだと思う。

同じようなことは映画の作りにも言える。アリエッティは2D。一方のトイ・ストーリーは3D。普通に考えれば2Dの方が圧倒的に有利なはず。なぜなら、今までに色々な知見が蓄積されているからだ。3D映画はまだようやく普及してきた段階。本格的になってきたのはこの1年ぐらいの話である。ところが、トイ・ストーリー3の3Dは見事の一言に尽きる出来。アバターやアリスでは時々3D感が失われることがあったし、宣伝で見たトロンなんかでも時々焦点が合わなくなったりしたのだけれど、この作品ではそういうことがほとんどなかった。しかも、最初から最後まで、映像面で違和感を感じることが全くなかった。アリエッティはアリエッティで、それなりにチャレンジをしていたのだと思うので、ひとつの土俵でこれらを語ることはできないけれど、3D映像の美しさや完成度といったところでも、トイ・ストーリー3の出来は出色だったと思う。普段は普通の人形だけれど、人の目がなくなると動き出すおもちゃというのが物凄く丁寧に作られていたし、その一方で生身の人間、特に小さな女の子の表情の見事なこと。2Dの方が色はきれいかもしれないし、グリグリに飛び出すという感じでもないのだけれど、「適度に3D」というところがまた良い。

内容も、トイ・ストーリー3の圧勝。「トイ・ストーリー」のウッディからは随分とキャラが変わってしまったが(笑)、この作品ひとつで見れば大活躍。最後の機転の働かせ方まで、どこにも突っ込みどころがない。そして、子供の成長をおもちゃの視点から見事に描いている。

ラストの雲の形が昔のアンディの部屋の壁紙と一緒だったり、例によって色々と細かいところに無駄な(笑?)工夫を凝らしているのだけれど、そんなことには全然気がつかなくても楽しめる。

本作にはトトロが出てきたし(権利にうるさいジブリとしては珍しいというか、記憶にない)、仲良しの両者っぽく、スペシャルサンクスでToshio Suzukiの名前が出てきたりもしていたけれど、「トイ・ストーリー」でははるか後ろ、「トイ・ストーリー2」でもかなり後ろにいたはずのPIXARは、ここ数年で「どうも、ジブリより先に行っているような気がする」という感じだった。そして、本作ではジブリの大分先に行ってしまったようだ。

ところでIMAXのゴーグル、新しく大きくなったのかな?眼鏡の上から使っても全然余裕だった。ゆったり。唯一残念なのは、字幕版IMAXがないこと。映画の中の文字を変更したりしなくちゃならないから、色々と面倒なのかなぁ。

どうでも良いけれど、チンパンジーが怖い(笑)

評価は文句なく☆3つ。今年のまにあなシネマ賞最優秀賞の有力候補。
於109シネマズ川崎シアター7 K-21

以下、ネタバレ注意。
やっぱり、モノを与えられるだけの存在だった子どもが、ものを与える側になるという「成長」を見事に描いているのが良いんだよ、この映画は。だから、本当の子供と、大人と、その中間にいる人だと、受け取り方がそれぞれ違うと思う。子供のときに見た人は、大学生ぐらいでもう一度見て、そして親になったぐらいでまた見たら良いと思う。一本で三度楽しめる。

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