2010年07月26日

機動戦士Zガンダム

リアルタイムで見る機会があったはずなのに全く見ていなくて、そのあと、三部作の映画をDVDで見てから、TV版を全部見てみた。

映画では駆け足過ぎて何が何だかわからない部分があったんだけれど、さすがにTV版を全部見てしまえばそんなことはない。で、もうみんなたっぷりネタバレしているんだろうから、あんまりネタバレには配慮しないで書いていく。

まず、全体を通して感じるのは非常に暗いということ。そして、感情移入したキャラがシリーズ後半でどんどん死んでいってしまうので、ラスト近くでは「こいつも死ぬのか」という感じになってきて、少々うんざりしてくる。一方でもうウザくてウザくて仕方ないキャラもいて、「あぁ、やっと死んだか」と思ってしまうこともあった。そういう演出だったのだから仕方ないのだが。

宿命のライバルとして登場したはずのジェリドがニュータイプではなかったため、なんかちょっと可哀想な感じになってしまった。まぁ、ティターンズの中にニュータイプがいるのは設定上変ではあるのだけれど。と、そういうちょっと残念な感じの敵役がいる一方で、魅力的なキャラも色々いる。エマやファなどは良かったと思う。まぁ、中にはレコアさんみたいに、最初は当たり障りのないキャラだったのに、途中からとんでもキャラに変わってしまう人もいたけれど。

加えて、ファースト・ガンダムの登場人物がちょろちょろ出てくるので、ファーストのファンには良かったのかも知れない。ただ、個人的なことを言えば、ちょっとインフレ気味だったと思う。ただでさえキャラが過剰でストーリーが複雑なので、もうちょっと懐かしキャラの出場は抑えた方が良かったような。それでも、アムロとシャアの再会のシーンなどは間違いなく見せ場なのだけれど。

でも、この作品のカラーを決定的にしたのはシロッコとハマーンの二人のニュータイプだろう。特に存在感のあったのはシロッコ。とにかく、彼が操縦するモビルスーツは全然被弾しない。凄いテクニックである。この二人と、もちろん主人公のカミーユと、その3人のお陰で後半、全く飽きずに見ることができた。

それにしても、ハマーンに「お前は生きていては駄目な人間だ」と斬りつけ、続いてシロッコに同じようなセリフを吐きつつ斬りつけるカミーユはなんだかもう、やりすぎな正義の味方のような気もしてくる。

前作でちょっと不鮮明だったニュータイプがきちんと明確に描かれた点も良かったところだと思う。

戦闘シーンはモビルスーツの性能アップによって物凄く高速化した。また、ビーム系の武器が大活躍する。このあたりは好みが分かれるところなのかも知れない。モビルスーツは、ファースト・ガンダムではひと目で敵、味方が判別可能だったのだけれど、本作は連邦、ジオンのそれぞれの系列のモビルスーツが入り交じってしまい、正直ガンダム以外は良く分からない。シャアの専売特許だった赤いモビルスーツも量産されてしまい、仕方なくシャアは金色のモビルスーツに乗る始末である。こうしたゴテゴテしたモビルスーツ群の中で出色なのはハマーン専用機であるところのキュベレイ。ララァの乗ったエルメスの流れをくむデザインだが、流線型の見事なデザインだと思う。

しかし、この作品は、この作品を見ただけでは価値判断が不可能だ。この作品を見て、そして、ダブルゼータを見て、そのとき、「あぁ、良い作品だったんだな」と実感すると思う。ガンダム、Z、ZZの中では、僕はこの作品が一番面白いと思う。ただ、やはりもうちょっと人が死なない方が良かったと思う。死んでしまった登場人物のうちの半分くらいは殺さなくても良かったんじゃないかなぁと思う。

評価は☆3つ。

機動戦士Zガンダム Part I ― メモリアルボックス版 [DVD]

機動戦士Zガンダム Part II ― メモリアルボックス版 [DVD]

機動戦士Zガンダム Part III ― メモリアルボックス版 [DVD]


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