2010年08月13日

アパートの鍵貸します

アパートの鍵貸します [DVD]

昔の映画は今観てみると凄く影響が大きかったりするのだけれど、この映画もそうした映画の一本だと思う。

登場する場面はそれほど多くなくて、演劇的な見せ方をしているのだけれど、構図などが色々と工夫されていて、その場その場での良さがある。脚本も丁寧だし、ストーリーも全然古くない。伏線の張り方とその回収のタイミングが上手で、割れたコンパクトとか、ラストの拳銃のエピソードなんかも凄く上手だと思う。

ストーリー的には、昔も今も、男と女はずっと同じことをやっていて進歩がないなぁ、とも思う。お前ら、みんな不倫して何やってんだ、という(笑)。

バクスターは仕事の上ではどうかと思うスタンスだけれど、根は非常に誠実な人間で、相手に対する思いやりがものすごい。その思いやりのせいで話が色々とこじれてしまうし、彼自身、みんなから誤解されてしまうけれど、それでも全然へこたれない、芯の強さがある。こうしたキャラクターをジャック・レモンが非常に魅力的に演じている。一方のシャーリー・マクレーンも、今の日本でもそこここにいそうな、不倫で酷い目に遭いつつ、それでもなかなか吹っ切ることのできない女性を上手に演じている。

会話劇なので英語の字幕で観たらもっと面白いんだと思うのだけれど、残念ながら原語のニュアンスが理解できるほどに英語が堪能ではないので、日本語でのみ楽しんだけれど、字幕も良く出来ていると思う。最近の字幕はときどき酷いものにぶちあたるけれど、こうした名画の字幕は大抵、良く出来ていると思う。同じような意味では、「アパートの鍵貸します」という邦題も良い。原題は「The Apartment」なんだけれど、「なんで原題のままにしなかったの?」という、このところの映画界で良く見られる事態では全くない。というか、良くこの邦題にしたなぁ、と感心するくらい。

それにしても、この手の名画を観ると、男優はほとんどみんな鬼籍に入っていて、一方で女優さんは結構存命で、中にはまだ俳優として現役だったりする。映画出演が若いときだったということもあるのだけれど、やっぱり女性はたくましいなぁ。

評価は☆3つ。

午前十時の映画祭の50本に入ってます。
午前十時の映画祭「アパートの鍵貸します

この記事へのトラックバックURL

http://trackback.blogsys.jp/livedoor/buu2/51066290
この記事へのコメント
ビリー・ワイルダー監督とジャック・レモンの名コンビ。
これ以外にも多くの名作を残してますね。
大学の頃、ビリー・ワイルダーにはまって、全作踏破した
記憶が。
Posted by どらごん at 2010年08月16日 08:29
> 大学の頃、ビリー・ワイルダーにはまって、全作踏破した
> 記憶が。

えーーー、全部観たんですか?そりゃ凄い。
Posted by buu* at 2010年08月21日 22:19