2010年09月21日

どうぶつしょうぎアプリの開発方針

先日このブログで紹介したとおり、どうぶつしょうぎアプリは現在DXバージョンのレビュー(Apple社による審査。これに合格すると販売が可能になります)待ちの状態です。レビュー期間は通常一週間ほどで、おそらくは今週末までに「どうぶつしょうぎDX」がAppleのAppStoreに並ぶと思われます。当初は現行の「どうぶつしょうぎ」に有料でアドオンする形で効果音と強いCPUを販売する予定だったのですが、この方式ではAppleの承認が降りず、やむを得ずデラックスバージョンの販売に踏み切ることにしました。

DXバージョンの開発という方針変更にともない、どうぶつしょうぎアプリの開発構想も大きく変更せざるを得なくなりました。その概容を説明すると、現在のところ、Apple端末向けのどうぶつしょうぎアプリファミリーは3種類を予定しています。

ひとつは現行の「どうぶつしょうぎアプリ」です。デラックスバージョンの投入が決まり、このバージョンの位置づけは「どうぶつしょうぎ盤」という色彩が濃くなります。iPadを利用した場合にはかなり立派などうぶつしょうぎ盤として利用できますし、iPhoneを使って合コンで遊ぶ、なども可能です。本当はこの延長線上にデラックスバージョンがあって、差額を支払うといつでもアップグレードできるというのが理想だったのですが、それが難しくなってしまい、非常に残念に思っています。現行のどうぶつしょうぎアプリについては、DXバージョンの投入を機に、開発のメインストリームから外れることになります。今後もどうぶつしょうぎアプリを楽しんでいただくためには、どうぶつしょうぎDXへの買い替えをおすすめします。「でも、それじゃぁ115円で買った現行バージョンが無駄になってしまうじゃないか」という意見もごもっともですので、DXバージョンを投入した直後に「乗り換えサービス期間」を設定し、120円割引で販売する予定です。期間は2週間程度になる予定ですので、乗り換えを希望する方はぜひこの期間中に乗り換えをお願いいたします。なお、現行バージョンについては、現行バージョンからDXバージョンへの乗り換え率やDXバージョン投入後の販売状況を見て、無料化させていただく可能性もあります。ただ、これまでに4500人の方々が115円で購入していただいている現実もあり、そうしたお客様たちとの間に不公平感が生じないよう、慎重に対応していきたいと考えています。したがいまして、無料化につきましては、現段階では「そういう可能性もある」程度にお考えいただければ幸いです。

ふたつめは、今度登場する(予定の)「どうぶつしょうぎDX」です。少し前に実際の対局場面を動画で紹介しましたが、DXバージョンに搭載されるCPUはかなり強化されています。「ふつう」バージョンで僕がざっと対局してみたところ、僕の勝率は8割程度でした。「そんなに勝ててしまうのか!」と思うかも知れませんが、かなり考える場面がありますし、十分に楽しむことができるレベルだとは思います。本気でじっくり考えれば勝率はもっとあがると思うのですが、個人的には適度な強さだと思っています。将棋で初段くらいの方であればかなり楽しめると思います。「よわい」バージョンでは僕の勝率はほぼ10割だったので、性能的には格段の差があります。また、「つよい」バージョンは開発段階でひとつ大きな問題を抱えていました。それは、長すぎる考慮時間です。これは基本的にはデバイスの処理能力によるのですが、「ふつう」に比較すると相当長い時間(難しい局面では20秒程度)考えてしまいます。実際にやってみるとこれはかなりのストレスで、何とかならないものかと色々と考えてみました(というか、今も考えています)。考慮時間を短くするためのアルゴリズムを考えれば良いだけのことなのですが、それをするには少々時間が足りず、仕方なしにある別の考え方を導入してみました(内容については今のところ秘密です)。これはかなり実験的な要素が強く、開発バージョンをモニターテストしてみても、「どちらが強いのか良くわからない」というインプレッションがいくつか寄せられました。ただ、思考方法は「ふつう」と「つよい」では明らかに違うもので、そして考慮時間は以前の「つよい」に比較して格段に短くなっています。まだまだ改良の余地が大きい「つよい」バージョンですが、今後、さらなる改良を進め、ストレスなく強いCPUと対戦できるようにしていきたいと思っています。少なくとも、「ふつう」「つよい」の2バージョンは現行バージョンのCPU(DXでは「よわい」に相当)からは格段に進歩していますので、その違いは実感していただけるはずです。そして、DXバージョンのもうひとつの目玉はもちろん「効果音」です。これは、「音が何もしないのは寂しい」という意見がTwitterで散見されたことから開発したものです。普通に「パチっ」という駒をうつ音、あるいはリアルなどうぶつしょうぎと同様に「コトっ」という音でも良かったのですが、「せっかくだから、どうぶつしょうぎっぽくしよう」ということになり、動物の鳴き声と足音で効果音を構成してみました。DXバージョンでは「こまおと」「あしおと」「なきごえ」の3種類を楽しむことができます。この中で特に楽しいのはやはり「なきごえ」です。らいおん、ぞう、ひよこなどの鳴き声が楽しいのはもちろんですが、「きりんって、こういう風になくのか!」ということを、このゲームをやったほとんどの人が感じるに違いありません。なぜなら、ほとんどの人がキリンの鳴き声を知らないからです。「あしおと」については実際に設定してみると、音が低く、ちょっと聞き取りにくい部分があります。こちらについては再調整の余地があると考えていますが、DXバージョンの投入を急ぐ都合上、やや未成熟のままに見切り発車してしまったところがあります。当面は「なきごえ」で楽しんでいただければ幸いです。なお、「なきごえ」「あしおと」の両バージョンとも、滅多に聞くことができないにわとりの効果音を引き出すのもひとつの楽しみになると思います。正直にいえば、「強いCPU」も、「効果音」も、現段階ですでに改善の余地があることがわかっているのですが、それに目をつぶってでも楽しんでいただける要素が多く含まれていると考えています。大変恐縮ではありますが、当面は「ふつう」「なきごえ」モードでお楽しみいただきつつ、「つよい」と「あしおと」が改善されるのをお待ちいただければと考えています。

みっつめは現在開発を開始したところの「ねっとでたいせん どうぶつしょうぎ」です。これは今のところApple Game Centerをプラットフォームとした対戦アプリになる予定です。現在はまだApple Game Centerの仕様を調査している段階で、どういった形で投入するのかは白紙の状態です。

ライブログのどうぶつしょうぎアプリ開発チームは、現在DXバージョンのレビュー待ちという状態ですが、のんびり連休を楽しんでいるわけではありません。チームは現在ローカルでの対戦機能「すれちがいたいせん どうぶつしょうぎ」を開発中です。これはネット対戦とはまた別で、Wi-FiやBluetoothを使った、近距離でのPeer to Peer対戦になります。当面想定しているのは、ある程度の人数が同じ場所に集まったときに、場所を移動することなく対戦を楽しむことができる、というものです。具体的に想定しているのは、名人戦や竜王戦などの将棋棋戦の解説会です。これらの解説会はもちろん解説者達が楽しい話を聞かせてくれますし(実際、話が上手な棋士が多い)、次の一手などのお楽しみイベントなどもあるのですが、対局者が長考中に「やることがないなー」などということも発生します。また、お父さんに連れてこられた子どもたちが手持ち無沙汰で退屈している、といった景色も散見されたりします。そんな場所にiPhoneやiPod touchがあって、知らないどこかの人とどうぶつしょうぎで軽く対戦できたら面白いかな?と思ったわけです。他にも、どうぶつしょうぎアプリによるイベントなども検討中です。iPhoneユーザーに集まってもらって、ローカルで対戦していただき、一斉に対局してもらう、などというイベントも可能になると思っています。この試行は早ければ10月中旬までに一度実施してみる予定です。このすれちがいたいせん機能はDXバージョンに搭載される予定です。

なお、これらのApple端末向けアプリ開発とは別に、Android対応のアプリ開発も進めています。引き続き、どうぶつしょうぎアプリ開発プロジェクトをよろしくお願いいたします。

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