2010年12月04日

SPACE BATTLESHIP ヤマト

fa203844.jpgどうせ地雷だろ、と思って斜に構えながら観に行ったのだが、意外や意外、予想よりもずっとまともだった。以下、ちょっとネタバレだけど、どうせみんなストーリー知っているんだからイイよね?

まずいきなりの宇宙戦。あぁ、沖田と古代守のところから行くのね。正統じゃないか。それでその戦闘シーン。おい、エピソードIIIをパクったな?というシーンだけれど、迫力はエピソードIIIの9割減。まず音楽がねー。エピソードIIIは、どん、どん、どん、という低音でいやが上にも盛り上がっていくわけだけど、ヤマトは軽い、軽い。そして戦艦。これがまた軽い。あのさー、パクるなら、もっと頑張ってパクろうよ。相手はもう何年も前の作品ですぜ?技術の進歩を考えればヤマトの方がかっこ良くて当たり前でしょ?うーーーーん残念すぎる。何しろ、戦艦の質感が異常に軽い。もう、エピソードIVの戦艦よりも軽い。もっとさ、なんというのかな、戦艦らしく、そう、アニメの戦艦みたいにカッコ良くできないかな。そんで、何故かガミラスの戦艦は随分と原作と違う。あー、マトリックスの影響ですか?それともエイリアン?ま、どっちでも良いんですが、原作のガミラス艦がカッコ良いのに。それにしても、「前回は通用したのに今回はダメです」「どんどん改良しています」って、なんだよ、それ。相手は14万8000光年の彼方から遊星爆弾をぶち込んでくる科学力の持ち主だよ?かたや、ワープもできず、せいぜい火星のあたりをうろうろしていたくせに、相手の進歩に追いつけないって、ちょっと設定が破綻してない?ま、良いけど。先は長いからね。この程度で突っ込んでいたら映画が終わる前に疲れちゃうよ。っていうか、記憶力が足りなくなるから、じっと我慢。

で、国連宇宙局か何かの長官がいきなり「日本人のみなさん!」って、お前、世界イコール日本かよ!いや、考えてみたら確かに日本人ばっかりだけどさ。

そして、いきなり暴力沙汰を起こす古代。なんだ、この乱暴者。あ、でも、ヤマトの古代もそうだったっけ。許す。それにしても、随分と地下生活の質感が軽い。いや、もうちょっと、ブレードランナーでも、マトリックスでも良いから、あのあたりを参考にできなかったのかなぁ。

そして、ヤマト発進のシーン。見せ場なのに、飛んでくるミサイルが随分とのんびりしている。あのさ、超大型ミサイルが飛んできて欲しいわけ。そして、そこで撃つのは波動砲じゃないでしょ!もう、序盤からいきなりスペシウム光線とか、印籠とか、そんな感じ。ここはさ、主砲だよ、主砲。それで、反動でヤマトがぐぐぐぐって傾くのが格好良いんじゃん!

oogata

あー、アニメのヤマトの発進シーンは格好良かったなぁ。でも、この映画はダメ。いきなり波動砲だもの。「先生、急ぎ過ぎです!」って感じ。あと、波動砲も、波動エンジンを接続するところだけはまぁまぁなんだけれど、波動砲の効果音が!だめ。あの、独特の音が良いんじゃん。それは主砲にも言えるんだけど。ってか、主砲も軽すぎ。そんな、くるんくるん回っちゃだめでしょ。もっと、ぎぎぎぎっぎぎっぎって感じがないと。

で、キムタク。しっかり筋トレしてカッコは良いけど、なんか、何やっても一緒だね、この人。検事とかやっても一緒だし、うーーーん、芸の幅がないんだろうなぁ。ま、良いけど。黒木メイサは結構可愛い。

それでヤマトが発進したと思ったら、すぐにワープ。おい、ワープ、簡単すぎないか?いや、その前に、なんだ、その第一艦橋は。狭い!狭すぎるぞ!第一艦橋!なんか、四畳半か潜水艦みたいじゃないか。もっと、バーーーーーンと広くてさ、真ん中に3Dのホログラムレーダーがあるんだよ。そんで、正面には馬鹿でかいパネル。これじゃぁ、1/4サイズじゃん。それにしても、艦橋内の設備がまた安っぽいねぇ。なんだよ、これ。挙句にコード付きのマイクを手にとって指示してるし。あのさ、2199年でしょ?今から200年後だよ。コード付きのマイクですか?っていうか、なんか、キーボードとか溢れているし、各機材がコードレスじゃないんですけど。200年経っても僕たちはコードから解放されないんですか?大変だなぁ。で、写真を手に取って懐かしがるって、おい、お前ら、本当は1999年なんじゃないか?俺にはわかるぞ!っていうか、なんで舞台を1999年にしなかったんだ、いっそのこと。なんかさー、紙のファイルでマニュアル読んでいたり、なんだそれ、みたいな。せめてiPad使おうよ!

あとさ、ヤマト、身軽すぎ。スターデストロイヤーとかさ、分かっていても衝突しちゃうんだよ、急に進路を変えられないから。それをさ、ヤマトはボクサーみたいに、ひょいって、敵の攻撃を横転して避けるって、なんなの(笑)。あんな勢いで横転したら、中にいる人たちみんな即死するぞ。だって、ものすごい加速度だよ、あれじゃ。もう、「巨大な戦艦」の質感が皆無。見た目も皆無だけれど、挙動も皆無。

ワープが終わったと思ったら今度は波動砲。もう、波動砲安売りしすぎ。あのさ、全編の中で一発でも良かったと思うよ、波動砲。

で、またワープしたと思ったら、もうなんか、銀河の辺境に行ってるの!おい、ちょっと待て、反射衛星砲はどうしたんだよ!!日本が誇る超有名兵器、反射衛星砲はどうした!それがなかったら空間磁力メッキはどうなるんだ??おーーい!頼むよ、マジで。

hansya

で、コスモゼロが何故かX-29のような前進翼になっているんですけど、なんで?っていうか、コスモゼロ、ペコっておじぎするのはこれはマクロスのパクリ?

そして、第三艦橋。切り離したら下に落ちて行くのはなぜ?宇宙空間なのに、なんで下に落ちるの?やめてよ~、ギャグを盛り込むのは。

と思ったら、今度はいきなり古代と雪のラブシーン。すいません、おもいっきり突然だったので、おもいっきり笑ってしまいました。あ、でも、ここは笑うところですよね?僕は間違ったこと、してないよね?だって、雪は、仲間を見殺しにしたことをものすごく悩んでいたんだよ。彼女の部屋へ上司がやってきて、いきなりキスって、そりゃないだろ。その上、キスしたとたんにワープって、なんだそりゃ。あぶないよ、戦闘班長!!!!ワープはそんなに簡単じゃないんだから!!頭ぶつけちゃうよ。前歯折れちゃうよ!

さーーーー、お遊びはこのへんで、いよいよドメル将軍の出番ですね?と思ったら、もうイスカンダルかよ!はやっ!!!近いぞ、14万8000光年!!!!なんか、まだ1時間ぐらいしか経ってないような感じ。普通ならまだ名古屋ぐらいだよ。もうイスカンダル?と思ったら、この星がガミラスかよ!双子の星じゃないのかよ!ってか、そういえばデスラーとスターシアは?あれ?古代守は???

あ、全然別キャラにしたと思って油断していたアナライザー、すげぇ。トランスフォーマーでも見て勉強したのかな?

なあんて思っていたら、今度は真田さんの名台詞、「俺達が向こうへ着いたらおまえは帰れ」って、うわーーーーーー、なんでそれが出てくるの?それは「さらば」の名台詞じゃん!しかも、アニメのほうが格好良いし。声優って偉大だねぇ。「俺達が向こうへ着いたらおまえは帰れ」・・・カッコいいいいいいいいい!!!!でも、映画のセリフ回しは駄目だ。もっと、アニメ見て勉強してくれよ。そこは見せ場なんだから。そして、なぜか斉藤の仁王立ち登場。で、ばたっと倒れるんだけれど、やっぱ軽いよ、軽い。もっとさ、がっしりした奴、いなかったのかなぁ。

あ、それで、ドメル将軍はいないのにドリルミサイルもどきはあるんですね。そんで、その、波動砲に食い込ませたドリルミサイルもどき、なんで外さないの?なんでそのままなの?

なんか、ここらあたりから、設定だけヤマト、セリフはさらば、という感じになってきて、やれやれ感が強くなってくるのだけれど、頑張れ、俺!ここまで頑張ったんだから。

そして、本当なら感動するはずのラスト。だめだ、笑っちゃう。お前、なんで雪をテーブルの上に乗せるんだよ。意味ないし。で、写真を胸に押しこむの。せめてUSBメモリにしてくれよ。情報量、全然違うから。

え、それで、子供できちゃったの?あの、例の、ワープの時?はやっ!っていうか、あんな狭い艦内でやるなよ!

終了。ええええーーーーー、デスラー、出ないの?マジ?デスラーが「ガミラスに下品な男は不要だ」って言わないヤマトって、「坊やだからさ」のシャアが出てこないガンダムみたいだぞ。リサイタルをやるジャイアンが不在のドラえもんみたいだぞ。助さん格さんがいない水戸黄門じゃん!

えっと、音楽は良かった。あと、全体も、思ったよりもまともだったなぁ。もっと、全然ダメだと思っていたんだけれど。で、これ、TBSなんだ。ヤマトなのに。日本テレビだったらなぁ。もっと、さらに良かったかも?っていうか、これはやっぱ、ILMに協力を仰ぐべき作品だったよ。

どうでも良いけど、山崎努って、クロサギでも、おくりびとでも、いつももぐもぐやっているよね(笑)

原作を離れて評価すると、ダメな役者(主役は本当にひどい)、ダメな特撮(本当にひどい)、ダメな設定(本当にひどい)、ダメなストーリー(特に後半)、ダメな音響効果(本当にひどい)、音楽だけは普通、という感じ。

ということで、評価は☆ゼロ。でも、予想よりはずっと頑張った!と思う。褒めるところは・・・・特にない。一番頑張ったのは、一度しか観てないのにこれだけ突っ込んだ僕だな。

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この記事へのコメント
日本ではこいういうVFX映画はほとんどありませんから技術的にはいまいちですね。だからといってILMなどに頼っていては進歩しないのでは。まぁ技術を学びに行く必要はあると思います。セットもいまいちでしたしね。
遠くへ行くという距離感もたりなかった。

ただ、この感想はアニメにこだわりすぎですね。実写とアニメの差分を楽しめばいいと思います。
第一艦橋もアニメだから広く描けるんであって実写にしたら縮尺があわなくて絵が作れなくなると思います。
アニメどおりがいいといいつつマイクのコードはアニメとは違う方がいいといったりしてますな。
他にも観客は短い時間でぱっと見でわかる必要があるので古い表現を使うこともあると思います。
Posted by kenfuku at 2010年12月04日 04:19
> ただ、この感想はアニメにこだわりすぎですね。実写とアニメの差分を楽しめばいいと思います。

ツッコむのを楽しむしかない映画でした。

作品だけ単独で観たら、評価は

「ダメな役者(主役は本当にひどい)、ダメな特撮(本当にひどい)、ダメな設定(本当にひどい)、ダメなストーリー(特に後半)、ダメな音響効果(本当にひどい)、音楽だけは普通、という感じ。」

の3行で終了です。それじゃぁ、面白くないので、アニメと比較して楽しんだ次第。アマルフィを代表例として、世の中には突っ込むことによって楽しむことができるダメ映画もあります。この映画もそのカテゴリ。

>アニメどおりがいい

最近、こういうどこにも書いてないことが見える人がいるようで、これは全国的な傾向なんですかね?森雪や佐渡さんのキャラクター変更とか、作品の良さを失わない範囲での設定変更には別に異を唱えていません。反射衛星砲はガミラスの代表的な兵器、ドメル将軍はガミラスの代表的な戦士、イスカンダルとガミラスの双子星は宇宙の面白さや可能性を提示した秀逸な設定、超巨大ミサイルを主砲で撃破する表現はアニメだからこそ可能だった表現であって、VFXが進歩した今こそ実写でチャレンジすべき場面。そういう美味しいところを変更しているから突っ込んでるんです。変更は大人の事情も多々あるのでしょうが。
Posted by buu* at 2010年12月04日 12:07
実写版との違いを指摘して頂いたことで、改めてオリジナル・アニメ版の素晴らしさを実感致しました。世界に誇れる日本アニメの傑作だと思います。

「さらば」での真田さんの名台詞は、思い出しただけでも涙が出ます。"パロディ"でやって欲しくないです。

実写版は地上波でやっても見たくないです。

あの素晴らしいヤマトの世界観を壊したくないので。
Posted by RAFI at 2010年12月06日 13:42
> オリジナル・アニメ版の素晴らしさを実感致しました。

それは言えますよね!僕も書いていて、「あー、こうやってダメな映画と比較対象すると、良さが浮き彫りになるなー」と思いました。第一話で説明される地球の絶望感とか、第三話まで溜めに溜めて、やっと発進することによって鳥肌が立つような感慨があるとか、そういう演出面の工夫っていうのかな、アニメにはそれがあるわけです。少しでも楽しませようっていう、制作サイドのプライドが感じられます。一方の実写版は「どうやったらキムタクが格好良く見えるかな?」ぐらいしかなくて(笑)。

> 「さらば」での真田さんの名台詞は、思い出しただけでも涙が出ます。

あの、「俺達が向こうへ着いたら・・・お・ま・え・は・か・え・れ」っていうセリフの中の、おまえはかえれの、噛んで含めるような口調が最高なんですよ。

> あの素晴らしいヤマトの世界観を壊したくないので。

一層良さが引き立ちました。僕の場合は。だから、ダメな映画だし評価も低いけれど、観て良かったと思っています。そういう映画ってあるんですよ。映画自体は駄目なんだけれど、自分の位置がひとつ上にあがるような映画。
Posted by buu* at 2010年12月06日 14:00
ご無沙汰してます。

私は旧作と「さらば」で人生を変えられた人間ですが、今回の映画は結構楽しめました。発進シーケンスの簡略化や波動砲の扱いが軽いあたりの不満は同感。つうか、旧作2話の起動シーンは今観ても実にお見事。あのあたりは「伝統芸能か」と言うくらいなぞってもよかったくらいです。

また私は劇場であまり映画を観ないので、SFXなどはあのレベルでもまずまずでした。特に地下都市の荒廃した描写は、旧作ではほとんど無かったので、「なるほど、そりゃ攻撃を避けて突貫で作ればこうなるよな」と納得していました。

古代と雪のラブシーンは確かにあまりに唐突。あのあたりは大人の事情かな【笑】。真田さんは違和感なかったなあ。あれで身長がもうちょいあれば。斉藤は、誰か格闘家にやって欲しかったですね。

ちなみに、宇宙空間なのに重力があるのは旧作がそうだからでしょう【笑】。そもそもが、宇宙戦艦なのに上下のある設計になってる時点でそこを指摘するのは野暮ってもんです【爆】。

ドメル将軍は出なかったけど、ステルスからヤマト艦底に張りついて自爆するのと、ドリルミサイルは彼へのオマージュですね。ドリルミサイルを外さなかったのは、総力戦で技師長始め人員がおらず、岐路にはガミラスも出ないから波動砲も使う事もあるまいって判断じゃないかな。

昔は、アニメ映画と言えば、TVシリーズのぶつ切りフィルムでストーリーもへったくれも無いものもたくさんありました。そんなのを見慣れているせいか、勝手に脳内で納得する解釈をするクセがついています。

まあ、「北島に桂花とヤマトを冷静に語らせるのは無理」って事ですかね(^_^;)。
Posted by しう at 2010年12月06日 23:43
> ご無沙汰してます。

こちらこそー。お元気そうで何よりです。

> 私は旧作と「さらば」で人生を変えられた人間

僕も結構そうですね。横浜の相鉄ムービルで並んで見た気がします。映画の写真も撮った(笑)。

>今回の映画は結構楽しめました。

そうなんだ!っていうか、僕も楽しみましたけど、別の意味で(笑)。

> また私は劇場であまり映画を観ない

そっかー。あのあたりはもうマトリックスの2や3そのままって感じでした。

> 真田さんは違和感なかったなあ。

真田さんは、他のシーンは別に良かったんですが、あれだけ。っていうか、実写もガミラス版と白色彗星版と、両方作れよ!って思いました。どうせなら。もう、作っちゃったし、西崎Pがお亡くなりになったので無理でしょうが。

> ちなみに、宇宙空間なのに重力があるのは旧作がそうだからでしょう【笑】。

いや、それがね、爆発シーンとかはちゃんと無重力を意識した作りになっていたんですよ。外宇宙で重力が感じられたシーンはあれだけだと思います。だから違和感が強い。

> ステルスからヤマト艦底に張りついて自爆する

ドメル艦は短距離ワープも、自分に瞬間物質移送器を使うこともできないんじゃありませんでしたか?瞬間物質移送器、第三艦橋に張り付き、ドリルミサイル、あたりを色々とゴチャマゼにして配置したのかな。

>総力戦で技師長始め人員がおらず

なるほど。まぁ、往路もほとんど敵が出てきませんでしたしね。淡々とワープして、時々波動砲を撃つ映画(笑)。
Posted by buu* at 2010年12月07日 00:18