2011年02月15日

馬鹿正直なだけに見える鳩山前総理

Yahoo!のトップに「「方便で首に?」福島氏ら批判」って書いてあったので、元同僚で今は衆議院議員の福島氏がTPP絡みで何かの委員をクビになったのかな、と思ったらさにあらず。同じ福島でも馬鹿の方の福島だった(笑)。

鳩山「方便」発言に批判続々 社民・福島氏「私は方便で首に?」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110214-00000624-san-pol

「ひどい」という幼稚な感想はどうでも良い、というか福島瑞穂氏は本当にどうでも良いのでスルー。それで鳩山さんの楽しそうな一問一答はないのかよ、と思ったら、ちゃんとあるじゃん。

鳩山由紀夫前首相の一問一答
http://www.47news.jp/CN/201102/CN2011021201000540.html

この人は酷い人だとか、馬鹿だとか、万死に値するとか、言う人がいるみたいだけれど、これを読むとタダの正直な人、という印象。いや、タダの正直ではないか、馬鹿正直(笑)。少なくとも「ひどい」っていうのは的が外れていると思う。

過重な基地負担を強いられている沖縄の現実を考えた時に、県民の苦しみを軽減するために党として『最低でも県外』と決めてきた。


これを読むと、「民主党が」馬鹿なのはわかる。なんで沖縄の感情論だけで「県外」と決めちゃうのか、ということ。感情論だけで決まるなら、国内に基地を作れるのは沖ノ鳥島とか、桜島の噴火口のすぐそばとか、原発の隣とか、非常に限られたところになる。軍備というのは感情なんか一切排除して、どうやったら必要にして十分な配置になるのかを戦略的に考える必要がある。戦略性を排除して感情論を最重視するっていう、その初期コンセプトが馬鹿。だから、この件に関しては鳩山さんが馬鹿なんじゃなくて、民主党が馬鹿、という話。

民主党が圧倒的な国民の支持を得て政権を中心的につくらせてもらったのだから、党のビジョンはしっかり打ち出すべきだと思った。


国民は、別に米軍基地の県外移設をテーマにして民主党に投票したわけじゃない。もしそれが重大なテーマなら社民党の議席はもっとずっと多いはず。多くの国民は別に沖縄で良いと思っているんだよ。「できれば県外にしてあげたいという思いはあるけれど、代替案はないです」という人が多分ほとんど。中には「いやいや、米軍は国外へ」という人もいると思うけれど、これは沖縄の基地問題の延長で考えるべき話じゃなくて、日本と米国の安全保障体制の見直し、という視点から議論すべき。「場所がないから出ていってください」というのも、国防を全く理解していない脳みそお花畑的な発想だ。どこかにそんな政党があったっけ、と思い返してみたら幸福実現党だった。実現すれば確かに幸福だけど、実現しないでしょ、それ、みたいな。

政権交代後、どこまで防衛省の考え方を超えられるか、新しい発想を主張していくかということが本当はもっと勝負だった気がする


この発想は別に悪くない。ただ、民主党が防衛省より馬鹿だった、というだけのこと。すいません、防衛省さんを超えるような凄い案を出したかったんですが、防衛省より馬鹿で、超えるような凄い案は無理でした、ということ。

私のようなアイデアは一笑に付されていたところはあるのではないか。


馬鹿なアイデアじゃぁ、仕方がない。どんなアイデアか知らないけど。

本当は私と一緒に移設問題を考えるべき防衛省、外務省が、実は米国との間のベース(県内移設)を大事にしたかった。


だ、か、ら、沖縄県民の感情論をベースにした「移設」に、防衛省や外務省が乗ってくるわけがない。防衛省を議論に参加させるためには「国防」の視点からの議論にしなくちゃだめだし、外務省に来てもらうには「外交」の視点からの議論にしなくちゃだめでしょ。彼らは沖縄県民の感情を議論するのが仕事じゃない。社民党と連立するための御機嫌伺いみたいな感じで「県外移設どうでしょうか」とか持ち込まれても「はぁ?(笑)」と、文字通り一笑に付されても仕方がない。

官邸に両省の幹部2人ずつを呼んで、このメンバーで戦って行くから情報の機密性を大事にしようと言った翌日に、そのことが新聞記事になった。極めて切ない思いになった。


いや、これは「切ない」とか言っている場合じゃないでしょ。なんでクビにしなかったの。まぁ、ここで「切ない」とかいう言葉が出てくるところはピントがズレまくっていると思うけれど。

自民党(政権)時代に相当苦労して(県内移設という)一つの答えを出して、これ以上はないという思いがあり、徐々にそういう方向に持っていこうという意思が働いていたのではないか。


「大した検討をせずに県内移設とか言ってんじゃないの?」って思っていたら、ちゃんと検討していました、すいません、という話でしょ?防衛省・外務省と議論するだけの能力がなかったってこともあるし。

防衛省も外務省も沖縄の米軍基地に対する存在の当然視があり、数十年の彼らの発想の中で、かなり凝り固まっている。


このあたりに馬鹿正直なところが垣間見えるよね。多分、防衛省も外務省も、なぜ県外に持っていけないのか、その理由を説明したはず。ところが、鳩山さんの理解は「過去の思想に凝り固まっている」という評価しかできなかったわけだ。情報をもらって、それを検討して、評価して、結論を出す、という作業の二番目と三番目が欠落している。それで、「もう、防衛省も外務省も言うことを聞いてくれないから仕方ない」って結論になったらしい。要は、鳩山さんの手には余ったと。負けは負け。それで、「理解できず、門前払いされちゃった」というところを恥ずかしげもなく公表しちゃうところが「馬鹿」正直(笑)。

徳之島も駄目で辺野古となった時、理屈付けをしなければならなかった。


また馬鹿正直(笑)。国防、米国との外交と、沖縄の県民感情と、国としてのプライオリティはどちらですか、という話で、そんなの、結論はすぐに出ちゃう。それなのにトンチンカンな社民党と組んじゃったから、話がどんどんそっぽに行っちゃった。でも、最終的に国防や外交よりも沖縄県民の感情を重視するなんてあり得ないんだから(社民党的にはあり得るんだろうけれど、それを国としてやるためには社民党が単独で政権を取らないとね)、最初から無理があったということ。ただ、自民党政権がずーーーーっと続いている中で、国防や外交の素人で、役人が何をやっているかも知らない民主党が「これをやりたーい」って、幸福実現党ほどではないにしても、非現実的な公約を作っちゃったのは仕方のないところでもある。次の選挙からは「アホか」だけど、今回は仕方がない。知らなかったんだから。それで、「屁理屈だった」なんて、みんなわかってるんだよ(笑)。それを正直に言う必要がないのに、喋っちゃうから「馬鹿」正直(笑)。ま、ボンボンで、良い人なんだろうね、人間としては。

沖縄県民に理解されながら、米国にも合意してもらえる案が必ず作れるという気持ちは持っており


このあたりは「本当の意味」で馬鹿だなぁ、というところだけれど。そんなもん、あるわけないじゃないか。あればさっさとやっているって。別に防衛省だって沖縄が嫌いで憎んでいていじめているわけじゃないんだから。

残念ながら沖縄の皆さんに理解してもらえる案にはなっておらず申し訳なく思っている。


そう。これしかないんだよ、スタートは。沖縄の皆さん、基地があってごめんなさい。そのかわり・・・・となるべき話。それで、そのあとの話についての「たとえば」は、だいぶ昔に書いた。

シンクタンクの元研究員二人が真剣に考えた米軍基地移転問題に対する解決策

僕のほうがずっと現実味のある提案をしていると思うなぁ。民主党のシンクタンク作るなら呼んでね(笑)。僕は直近の選挙では民主党に投票してないけど。

辺野古に舞い戻らざるを得なくなって来る時の現実の脅威が、てこみたいに働いてきた


っていうか、追い風だよね。「ほら見てください。やっぱ、やばいですよ。だから沖縄の皆さんごめんなさい」って。後付けだけど。

相手は沖縄というより米国だった。


この文言は正しいんだけど、

相手は沖縄というより米国だった。最初から私自身が乗り込んでいかなきゃいけなかった。これしかあり得ないという押し込んでいく努力が必要だった。オバマ氏も今のままで落ち着かせるしか答えがないというぐらいに多分、(周囲から)インプットされている。日米双方が政治主導になっていなかった


っていう全文を読むと「あぁ、わかってないんだろうな」ということになる。米軍の話は、途中にも書いたけれど、「日本の」国防をどうするか、「日本の」外交をどうするか、というのがスタート。そして、「日本の代表」として米国と交渉すべき話。その中においては、「沖縄が」ということは関係ない。日本の役割が決まった時点で、負荷を軽減するためにはどう調整できるか(例えば県外移設)を検討し、最適化するための結論を導き出す。あとは、負担しなくてはならない人たちに、どうやって納得してもらうかを考えれば良い。

なんでこうなっちゃったんだろうなぁ、って考えてみると、日本の現状における「政治主導」の限界なんだと思う。政治主導の担い手はもちろん政治家。そして、その政治家の行動原理は、主として「次の選挙で当選するには何をしたら良いか」。次の選挙で当選するためには何をしたら良いかをずーーーーーっと考えている人には、日本の国防とか、外交とかを考えるのは無理だよね。


関連ニュース
放言止まらず…鳩山前首相「方便」発言が波紋
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110214-00000835-yom-pol

鳩山前首相「米軍抑止力は方便」 あきれた発言に「引退しろ」「万死に値する」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110214-00000004-jct-soci


あ、僕は別に「馬鹿正直」を肯定しているわけじゃないですからね、念のため。歩くWikiLeaksみたいな感じだよね。

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この記事へのコメント
議会・会議は議論をして決議をするところである。
それぞれの成案を持ち寄って比較検討することが必要である。
成案がなければ議論にはならない。野次馬ばかりでは、議論にならない。

日本語には時制がない。だから、未来時制もない。
それで、日本人は未来に関する事態を脳裏に展開させることができない。
だから、成案はなく、腹案の段階にとどまることが多い。

あらかたの日本人は成案がなくて、腹案のある人たちである。
合意を得る必要がある場合には、談合を開いて、恣意の摺合せにより決着をはかる。
成案がないのであるから、もちろん筋は立たない。
馴れ合いで決める。だから、日本人は論理的でないといわれる。

腹案・腹積りは、腹の中でもやもやしている。
文章にはならないが、腹芸の原動力にはなる。不言実行の基礎ということか。
本人は、「お前らに、俺の腹の底が読めてたまるか」と誇らしげに考えている。
現実が自分の恣意で動かなければ、腹切りをして鬱憤を晴らすこともある。ああ、むなしい。

成案の世界と腹案の世界は合体することはない。
理想は成案の世界に存在し、趣味は腹案の世界に存在する。
現実対応策を考えるのは英米の高等教育の成果であり、その場の雰囲気を歌に詠むのは日本の高等教育である。
アッケラカンとした世界の中でドライに割り切る人たちは、朧月夜の風情に未練はない。

これらは別次元のことであり、趣味には論拠がない。(There is no accounting for tastes).
歌詠みは、たとえそれが間違いであったとしても理論家の主張に引きずられて行く。
歌詠みは、引かれ者の小唄でも歌っているか。
日米協議がともすれば円滑に進まないのは、協議参加者が大きく文化背景に左右されているからである。

http://www11.ocn.ne.jp/~noga1213/
http://page.cafe.ocn.ne.jp/profile/terasima/diary/200812


Posted by noga at 2011年02月15日 17:23