2011年02月27日

波紋が広がる京大入試不正

昨日のニュース斜め読みで京大の試験の流出について書いたけれど、このニュースは今日になっても結構反響があるみたい。

京大試験問題流出、複数人物が協力か
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110227-00000161-yom-soci

ただ、昨日も書いたけれど、「模範解答」がネットに残っている以上、答案用紙との照合は比較的簡単なはず。そこまでケアして、記述内容をきちんと変えていれば大したものである。だけど、そのくらいやるなら、Yahoo!の掲示板そのものを投票受付中になる前に削除するような気もする。

何やら色々ツッコミどころはあると思うのだけれど、実際のところ、「こうすればカンニングできちゃうんじゃないの?」と考え、それを実行したところが高く評価できるのは間違いない(いや、推奨するわけじゃないけれど。倫理的に問題は大)。言われてみれば誰でもできるけれど、最初に思いつくところ、最初に行動したところが重要だ。ということで、このイノベーターにイノベーターとしての敬意を表する意味で、不正技術を検討してみよう。

まず、リスクの抽出。次の5つの場面でリスクを抱えることになる。

1.情報の取り込み(試験問題を電子化する)
2.情報の転送(電子化された試験問題を外部に持ち出す)
3.情報の掲示(試験問題を掲示板に掲示する)
4.回答の回収(誰かに答えてもらう)
5.回答の閲覧(答えてもらった問題を閲覧し、解答用紙に書き写す)
6.証拠の処理

では、これを一つずつリスク軽減していこう。

まず、3についてはIPをYahoo!に抜かれる可能性がある。なので、アクセス端末は極力匿名化したほうが良い。この際の手段としてはプリペイド携帯が無難。携帯からのアクセスは一度キャリアを通すことになるので、追跡が難しくなる。PCからアクセスすると足が付きやすい(ネカフェとかなら別だろうけれど、これはこれで監視カメラとかに映る可能性がある)。また、4は、回答が得られなかった場合に困る、というもの。これは事前にテストを実施して、回答してくれそうな人間、かつ正解を答えてくれそうな人間を確保しておく必要がある。事前に繰り返しテストしておけば、だんだんと親切な人が集まってくると思われる。

となると、残された問題は、1、2、5、6だ。普通に考えれば携帯で問題を打ち込むのが良さそうだが、それをやっていてバレた場合に困る。現場には試験監督がいるので、そこでの作業、特に手を机の上におかずに作業するのはリスクが大きい。入力作業はそこそこに手間だし、正確性も要求される。作業にともなって音が発生するのも問題だ。また、この作業に時間をかけるのも馬鹿らしい。それなら他の問題を解いていたほうが効率的。そこで登場するのがデジカメだ。ただし、携帯のデジカメは駄目だ。ピロピロ音がなるし(もちろん、スピーカーを断線させてしまえば音はならないだろうが)、焦点距離もそこそこに長い。フォーカスが安定するのにも時間がかかる。マクロモードのある小さなデジカメが推奨される。ただ、デジカメの場合、それをネットに転送するのに手間がかかる。普通は。

そこで登場するのが弊社の「ヘアカットJP」である。このシステムのうりは、デジカメで撮影したら、あとは何もしなくてもデータがネットに転送される、というところ。この際に必要なのはワイヤレスLANだけ。これをポケットWi-Fiとか使ってしまえば、携帯の「ピロリロリン」すらなしに実行できてしまう。最近のデジカメのマクロ撮影性能は非常に高いから、特定の問題を撮影して転送するのはそれほど難しくなさそうだ。となると、デジカメ、ヘアカットJPで利用している基幹システムを使えば、2まではクリアできる。

掲示板への打ち込みを協力者に頼む、となると、3についてはもう一度ちょっと戻る必要がでてくるけれど、これは外部の協力者に頼めば良い。こういった活動においては推理小説を読む限り、共犯者の数を減らすのが定石のようだが、この場合は仕方がない。なるべく裏切らない、例えば親、京大、ではなく兄弟の協力を得ることにしよう。ヘアカットJPの基幹システムからの画像データはほとんどタイムラグ無しに外部に流出させることが可能なので、これを受け取った協力者はすぐさまそれを携帯で入力し、回答を待つ。めでたく親切な誰かが答えを教えてくれたら、あとはそれを閲覧、解答用紙に書き写すだけになる。

実行者は試験終了10分前程度になったら、自分の携帯電話から自分たちで利用しているIDで掲示板にアクセス、それを書き写せば良い。もちろん、携帯電話は小さいのを使うのが望ましい。このフェイズ5が最大のリスクとなるが、ここだけはどうしようもない。無事書き写すことができたら、その場で質問を削除するのでも良いが、試験時間は事前にわかっているので、試験終了と同時ぐらいのタイミングで外部の協力者が質問を削除するのが良いだろう。これにて6のリスクも軽減される。

池田信夫さんの推測だと、今回は共犯者なしの可能性が高いとのことだが、

aicezukiの謎

より安全に不正を実施するためには、共犯者を一人用意しておくことがオススメだと思う(って、次回を推奨するわけではありませんので念のため。ちゃんと受けよう入学試験)。

以上で、モノマネが上手な日本人らしく、先駆者のアイデアをちょっとモディファイしてみた。ここまでやっていたら、全く発覚しなかったかも知れない。

#1 あ、ヘアカットJPは、このような用途には利用しないでくださいね。
#2 実行犯が出る前なら、このネタで携帯小説が書けたかも?
#3 このあいだの尖閣ビデオ流出に比較すると、「行くぜ!CIA」はわかりやすくて良い。
#4 もちろん、この記事はヘアカットJPの宣伝です。
#5 繰り返しますけど、試験で不正はダメ。ゼッタイ。
#6 いや、何のためって、「こういう風にやられる可能性がありますよ」と提示することによって、対策を促し、不正を防止する意味ですから。

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aisuzukiとは… yahoo知恵袋にて、「aicezuki」というハンドルネームで入試問題の問題文を試験時間中に次々投稿し、カンニングをした人物。それがネットで大学側に告発され、大学側が京都県警へ偽計業務妨害と...
aicezukiの正体と、事件のまとめ【Patrik Blog.〜アブサン飲んで、グッド・バイ〜】at 2011年02月28日 15:47
この記事へのコメント
さすが、社長は、完全カンニングにつき十分に検討されていますね。トラクウバックをつけさせて頂いたので、よろしくお願いします。
Posted by ケンケン at 2011年02月28日 22:03
> さすが、社長は、完全カンニングにつき十分に検討されていますね。トラクウバックをつけさせて頂いたので、よろしくお願いします。

いつでもどうぞー。ただ、pingが届いていないようですが。
Posted by buu2 at 2011年02月28日 22:26
確かに、pingが届いていないようですね。原因を調べます。ご教示、ありがとうございました。
Posted by ケンケン at 2011年03月01日 12:29
> 確かに、pingが届いていないようですね。原因を調べます。ご教示、ありがとうございました。

僕のブログは特に言及やリンクがなくてもはじかれないように設定してあるので、何か問題があるんじゃないかと思います。そもそも、ケンケンさんの記事には言及がありますし。なんですかね?ちょっと試しにもう一回TB Pingを送っていただけますか?
Posted by buu* at 2011年03月01日 12:33