2011年04月06日

原子力安全委員会の機能不全(前からだけど)



「限度量」って、なんのためにあるのか、ということであって、きちんと地点ごとの放射線量の数値が提示されているなら、基本的にはみんなが自分で考えれば良いだけのこと。「あぁ、ここにいると年間10ミリシーベルト被曝するのか」と情報が提供されたら、その数値を自分で評価すれば良い。10なら住んでも良いかな、20だったら嫌だな、と。でも、専門的な数値だから、誰もが判断できるわけじゃない。むしろ、判断できる人の方が少数だろう。だから、判断ができない人たちの安全の目安として、平時に専門家が「この位を目安にしてね」と決めたのが「限度量」のはず。それで、その数字が状況によってころころ変わるなんて言うのは本来有り得ない話のはず。日本の国土の半分ぐらいがずぶずぶに放射能に汚染されてしまい、もうどこにも行くところがない、みたいなことなら話は別だけれど、現在のところはまだまだ避難する場所は残されている。こういう状態においてはやはり平時に決めた限度量はきちんと守るべきだ。大体、その数字を決めたのは原子力安全委員会自身ではないのか?

今回の事故に当たっては、安全委員会のダメっぷりがとにかく際立つ。こんな検討など、最初からやる必要なんかないのである。再検討が必要だ、というのなら、平時に行っていた仕事は全部ムダだったということで、給料を返せ、という話だ。今の状態でもすでに「こいつら役に立たないから全部クビにしろ」という感じなんだけれど。

「長く生活する観点で考えないといけない」ってなんなんだ、と。そこは長く生活できない場所になっちゃったってことでしょ。

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